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クリスマスパーティー

173話 クリスマスパーティー


 パーティーの日に社長がわざわざ会場がある某ホテルまでクルマで送ってくれた。


 あの青い軽ワゴンではなく、自分の自家用車でだ。

 わたし、クルマに詳しくないから名前は知らないがスポーツカーって感じの日本車だ。


 葵グループクリスマスパーティー会場。


 入り口で社長からいただいた招待状見せて、中へ。


 やはり、社長は普段着でいいとは言ったが皆それなりに着飾っていた。

 田守さんもいつものボア付きパーカーのブルゾンでなくロングコート。

 でも、社長に借りたとか。靴は真新しいナイキのスニーカーなのは田守さんらしい。


 会場中央に大きなクリスマスツリーが、綺麗。


 見たとこころ、ホントに偉そうな重役さんみたいな人とかは居ない。

 わたしたちとたいして歳が変わらない若い人が多いし、子供も。


「あれ」


 田守さんが見つけたのは。


 ホントに普段着のあの人だ。


 バケットハットに見慣れたべっ甲縁が下だけのメガネ。ヨレヨレのフード付きコートにアヒルの柄の傘に古い肩掛けカバン。


「獄門島さんも来てたんですね!」


 田守さんが嬉しそうに。


「あら、田守くんと……あ、金田一さんだ。着飾ってたから、わからなかった。キレイね金田一さん」


 獄門島さんの横には車椅子の老人が。


 白髪のロングヘアに黒い丸縁のサングラス。社長を一回り年上にしたかんじの人。

 社長と違いロン毛は束ねてない。だれかしら?


「君が、琴吹くんの甥っ子の盛太くんか。名誉の負傷だってね……その杖が痛々しい」


「名誉の負傷だなんて、落ちて怪我しただけで……あのぉ獄門島さん、この方は?」


「初めて?」


「初対面だな。葵無用ノ介だ」


「ウチのオーナーぁあ。あ、はじめまして。寿探偵社の新入社員、田守盛太です」


「そちらのカワイイ娘さんは奥さん?」


「いえ、とんでもございません御主人様、あ、いや。ごめんなさい。オーナーさん。わたしも新入社員で、事務見習いの金田一コオともうします。です」


 ヤバっ奥さんなんて言われちゃたから、御主人様なんて言っちゃたわ。


「キミが琴吹くんが、アキバでスカウトしたメイドさんか。メイド姿で来て欲しかったなぁ……」


「そんな、失礼な格好では……」


 来れません。オーナー。


「いや、出来れば仮装パーティーにしたかったんだよね。来年は、そうするかな」

 

「それは、やめてくださいオーナー。わたしが来れなくなります」


「そうなの獄門島ちゃん、テコンドー着とかでもいいんだよ」


「それは、ちょっと……」


「あら、お揃いで」


「鬼首村さんまで、なぜココに?」


「わたしもここに来て驚いたのよ。テマリが居るんだもの」


「あたしは、ロリータとしてはロンリーだけど。こちらのオーナーとは、まえから馴染みなの。オーナーは、アマチュアオカルト研究界の大物なのよ」


「素人のオカルトヲタなだけですよ僕は。その知識は彼女は私以上でね」


「まさか……薫さんも」

「彼女は居ないわよ。田守くん」

「そうですか……」

「会いたかった?」

「いや、黒いロリータあるところに白ロリータありとか思って」


「そんなコトありませんわよタモリん」


「タモリん……初めて言われたハハハハ。ソレはやめてください鬼首村さん」


 なんだか、獄門島さんを見つけてから妙に嬉しそうな田守さん。

 わたしも、タモリんって呼ぼうかしら。


「その白いロリータちゃん、僕も会ってみたいんだが、なんとかならんかな。誰に頼めばいいかなぁ」


「ソレは田守くんに」

「なんでですか? 獄門島さんの方が親しいんじゃないんですか」


「あの子、田守くんに惚れてるから田守くんが頼めば」


「そうなのか。田守くん、お願い出来るかな」


「オーナーの頼みでも。ボク……連絡先知りませんし……」


「田守くんが、会いたいって想えば現れるわよあの子は」

「まさか……」


 あの田守さんにフラれたという白いロリータの子ね。そんな子まで出てきてほしくないわ。


 このあとどうなっちゃうんだろ。

 このパーティー。

 思ったのと違う展開になりそう。


               つづく

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