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正義の味方

166話 正義の味方


 このメガネの女の人は、たしか獄門島さん。


「久しぶりね。彼女は元気?」

「元気ですけど……今、あそこに」


「クラマくーん! 助けて」


「え、あの娘が……」


 さっきのバイクの人が、刀男の前に。


「寄るな、犬と違うぞ。今度は簡単に奪えねーよ」


「その娘を離せ! 何人斬った。もう刀はボロボロだぞ」


 駆けつけた警官隊も刀男を囲んだ。


「警部、あの女は……」

「オレに聞くな。わかるわけなかろう」



「ちくしょう。オレも姉さんみたいに強ければ……マイちゃんを」


「よし、鞍馬くん。マイちゃんを助けよう」


 え、どうやって。


 獄門島さんは、コートのポケットから黒いマスクを出しかけた。

 そしてオレの腕をとり、やじ馬をかき分けて刀男の方に。

 前にはあのバイクの人、この人は姉さんだよな。


 オレたちを見ると、前に出るなとさえぎったが。


「大丈夫です。青沼さん」


 やっぱり姉さんだ。


 オレは、獄門島さんに連れられて刀男の前に。


「な、なんだ。てめぇらは、近づき過ぎだ! 女は斬るぞ!」


「マイちゃん!」


 その時、オレの足が一歩前に上がった。そしてその先は、刀男の股間に。


 獄門島さんは、オレの股の下からマイちゃんの足を掴んで地面に座らせた。


「鞍馬くん、ヤツの足首を!」


 股間の衝撃でうずくまりかけた男の足首を掴んだオレの腕を傘の柄で持ち上げると。


 刀男はよろけて下がった。


 股の下の獄門島さんは、マイちゃんを引っ張り男から、離し。

 次にオレの足首をを、とり前に。


 オレの足はよろけた刀男の顔面に入った。今度はオレの足が、ハらわれ。オレは、尻もちを。


 オレの頭上を刀が横ぎった。


「ひっ!」


 座り込んだオレの襟首が掴まれ前に。

 オレの頭が男の胸に突っ込む。


 オレを獄門島さんが、なんてぇ力だ!


 頭、痛てぇ。胸に当たったとき変な音がした。

 あいつの肋骨折ったのか?


「頭、大丈夫?」


 キラリとした刃が見えた。


 ヤバい、斬られる。


 刃は、オレを襲って来なかった。

 オレの横に姉さんが立っていた。

 手にはヤツの刀が。


 オレの前でコートのホコリを落とす獄門島さんと警官隊に抑えられた男が見えた。


「マイちゃんを私のバイクに逃げるよ!」 


 マイちゃんは姉さんのバイクに乗せられて。


「鞍馬くんは、わたしの」


 獄門島さんに手を捕まれ路地まで走り、スクーターに乗せられた。


「獄門島さん、さっきのは……」


 アレはクンフー映画とかで、よく見る達人が素人を操り人形みたいに動かして敵を倒すという技だったのか? 本当に、あんなコトが出来るんだ。


 あとから聞いたがマイちゃんはオレが助けてくれたと思ってる。


 オレ一人で、あんなコトは出来ない。

 とは、言ったが。



 現場から離れた高架線の下の閉じた店の前で姉さんのバイクに乗ったマイちゃんと。


 バイクの女ライダーは、マイちゃんを降ろすと何も言わず去った。

 

 姉さん、ありがとう。


「クラマくーん。良かった助かった。東侠にはホントに正義の味方が居るのね」


 と、マイちゃんはオレに抱きついた。


 後ろでスクーターの走り去る音が。


 姉さんたちは東侠でホントーに「正義の味方」をしているのか。

 オレはそう思った。


 マイちゃんには姉さんたちの事は語らなかった。


『鞍馬くん、またアキバで災難』の巻 おわり


              つづく

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