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田守くんの記憶

148話 田守くんの記憶


 病院。田守くんの個室。


「ええ、あれは鍋を食べてました」


「それでメンバーに不羅羽木静流は居たの?」


「実はメンバーの顔までハッキリは……。覗いて、鍋をしてるのが確認出来た時に……」


「落とされたのね」


「誰かがベランダに居たのを確認出来なかったのはボクがまだまだだと、情けないです。あ、コレは等々力さんにも言いましたけど」


「まあ危ないことは、しないことね田守くん」


「……」


「おはよう! あ、獄門島さん早いですね」


「おはよう金田一さん。彼女、何度も来てくれて。妹より助かります。まあさすがに下着の洗濯なんかは妹に」


「そうなんだ……。会社は大丈夫? 金田一さん」


「昼間はみんな出ちゃいますから。ちょとした雑用とお茶出しだけです。蔵中さんも居るし」


「八ツ墓村さんは、相変わらず社長と昼前っからイチャついてるんでしょ」


「はあ、そういうときはお茶も出しませんから……楽です」


 と金田一は顔を赤らめて。

 やっぱり若いな、あんたは。


「あ、ホントだわ」


「あれ、カオル。何しにココに?!」


「ナニしには、ないでしょ愛さん。愛しい人のお見舞いに来たんです。あら、メイドの……。わざわざ病院までお茶を。ココもメイド服の方が田守くんも嬉しいんじゃなくて」


「あ、お久しぶり……え〜と田守さんにフラれた、ロリータの病院坂さんだっけ。子供は学校の時間じゃないの」


 なんだか、ヤバいハチ合わせのようだ。


「残念でしたわね。あたし子どもじゃないので学校は行ってないの」


「そうなの……」


「カオル、どうして田守くんのケガのコトを?」

「あたしの情報網を甘くみないで愛さん。そこら中に情報通達者がうようよしてるの。知ってるでしょ」


 そうだ、カオルには人の記憶が見えるようなコトを、それに霊が見えるから、霊とかに。


「カオル、実は田守くんは、突き落とされたの。誰だかわからない?」


「そうなの、酷い人ですわね」


 カオルは、田守くんのベッドの横へ行き彼の顔を見つめた。


「あなた、なにする気!」


 勘違いした金田一が、顔を近づけたカオルをベッドから離そうとするので。

 手を取り止めた。


「大丈夫よ、変なコトしないわ」


 と、金田一の腕を引き寄せ耳元で。


「わたしは、金田一さんの味方よ……」


 金田一はきょとんとした顔でわたしを見た。



「田守くん、そのおじさんは……」

「おじさん……灰色の上着の初老の人かな」

「ええ」

「上司の人だよ。オールバックの白髪混じりの頭髪の人だよね。昨夜、病院に来たから。病院関係者以外では一番最後に会った人だ」


「じゃその奥ね……。コレは、人ではないピンクような色したブヨブヨした物が……」


「カオル、それってゼリーみたいなの」

「言われてみればゼリーかな……ソレが見える。奥には数人がテーブルで、何か食べてる……鍋ね」


「それは、どういう……コトですゼリーってなんですか? 病院坂さん、獄門島さん」


 金田一はオカルトマニアでもある。なら。


「金田一さん、ナオルは異能力者だから田守くんの記憶を見てるの」


「そうなの。で……ゼリーに鍋って?」

「どうつなげたら……」


 不羅羽木は、オカルト会の幹部を集め、あのキノコを鍋にして食べさせた。

 と、考えられる。


 そのメンバーにオールド1に反応してゼリー体になったヤツが。


 でも、それなら鍋を囲んでる連中がゼリー化した人間を見て普通でいられないだろ。


「カオル、田守くん。連中は普通に鍋を食べてたの?」


「見たかんじ普通だったわ」

「その近くにおかしな物を見なかった?」

「おかしな物? 別に……」

「じゃ、そのあと見たゼリー体は」


「それ、ボクの記憶にはありません……」


「そいつが、田守さんを押したの。わからなかったの?」


「そいつは誰かってコトね……」


「あの、愛さん。今度の仕事って?」


「あのオカルト研究家のフラバー・シズの身辺調査ですよね、等々力さんと田守さんがしていたのは」


 金田一がわたしより先に言った。


「ええ、今はわたしが田守くんの代わりに手伝ってるの」


「フラバー・シズって、聞いたことあるよ〜な名だわね。オカルト研究家なのね……。ならテマリさんなら。でも、あの人呼ぶとややこしくなりません愛さん」


「ややこしくってことは、あの娘はまだ魔女としては、かけだしだから頼りにするならアンジェラだけど、テマリなしでは連絡は不可能ね。まあややこしくなるのはあなたもよカオル」


 それから、わたしはみんなにキノコとゼリー体生物とフラバー・シズの関係を説明した。


 実際にそのゼリー生物になった人間の事はしゃべらなかったけど。


「キノコの名が『オールド1』ですか……そんなキノコ、あるんですね。それを食べるとオールドワンに作られた奴隷生物の子孫が反応し先祖がえりし、先祖の姿に。ソレはコスモンスター神話みたいですね」


「ナニ、それ金田一さん?」


「海外のSFホラー作家が創作した神話です」


「まえの仕事のときにアンジェラがそんなような話を……」


 そうだ。こちらに来て調べたら出てこなくて、ないものと。


「その神話って金田一さん」


「太古の地球を支配してた生物が宇宙から来たコスモンスターと戦う話です。その古代の知的生物が作った奴隷生物がジョイズといってゼリー状の不定形生物なんです。でも、その話はあくまで、作家による創作と」


 田守くんもその神話小説知ってたのね


「でも、一部のマニアの間では、今でも地球内か宇宙のどこかで存在している地球の支配者だった生物が、なんだかの方法で、その作家の脳内に情報を送り込み小説として書かせて現在の存在を示していると。コレがコスモンスター神話です」


 田守くんは、水を飲んでから。金田一の方を見て。


「ボクはこの小説に中学生の頃にハマりまして、創作した作家やその仲間たちが書いた作品を読みました。愛さんの話を聞くと、フラバー・シズは完全にコスモンスターフリークですね。その彼女がマジに太古の支配者の作り出した奴隷生物の子孫を探しているのなんて。オールド1ってキノコの姿が、その旧地球の支配者に似てますね。それでフラバー・シズは」


「だとしたらフラバー・シズはその子孫を探し出してどうするのかしら?」


   トントンと部屋のドアを叩く音は、看護師さん。すでに部屋に入ってる。


「面接時間でもないのに怪我人の部屋で何してるのかしら?」


「すみません、仕事の話です」


「女の子ばかりの会社なの? でも、みなさん会社員には見えないわね。そこのあなた、室内で、なんで傘を?」


 カオルは、いつも傘をさしているので気にならなかった。


「田守さんはモテモテね、それも若い子たちに」


 わたしも金田一やカオルくらいに見えるのか。まあ、このナースはわたしより上なのは確かだわ。

 四十代ってとこね。


「コレから朝の回診が、ありますからみなさんは出てください!」


 わたしたち女子は部屋から出された。


 そして、そのまま病院を。


「愛さん、フラバー・シズという人の写真とかあります?」


 とカオルが。


「写真。何するの?」

「なにか……見れるかもしれないかも……」


「獄門島さん、わたしが渡したファイルに写真が、不羅羽木静流のですけど、同じ人物ですよね」


「あ、そういえば」


 鞄の中から出したファイルの中に。

 この写真は依頼人が持ってきたと聞く。

 ソレをカオルがに。


「このオバさんがフラバー・シズ。う〜ん。やっぱ、写真じゃなぁ。なにも見えないわ」


「なにかの実験かもと……」


「獄門島さん、フラバー・シズは、なんでオールド1を食べるとジョイズの子孫が反応するとわかったのかしら」

「だね、多分それって誰か反応して、先祖がえりした人間がいたからだ。そいつが田守くんを……誰だ?」


 土気照雄の話は不羅羽木には、してない別の誰かが。


   トゥルルル


「あ、等々力さんからだ」

〘等々力だけど。今、何処かな獄門島さん〙

「田守くんの病院の外のバス停です」

〘そうか、一度会社に戻るから話しはその時に〙


               つづく

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