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脱出

11話 脱出


 4階に来てみれば、ナニか他の階とは違う。


「見て下さい、この部屋に反応が。カギがかかってますね」


「中は、一人?」

「はい」

「どいて、カギを開ける」


 ペンライトを照らし、ちょっとしたカギ開けグッズで。

 こんな普通のドアのカギ程度簡単よ。


「開いたわ」


 中に椅子に縛り付けられてる男が。


「お父さん!」

「うっ……美香か、なぜ来た。逃げなさい」


 軽くライトを照らすと、美香のお父さんは髪はボサボサで、口に乾いた血のアトが、拷問されたんだ。

 この親子にどんな秘密が。


 ロープをほどいたが、立ち上がれない。


「お父さん、ボクの背に」


 諏訪大がいて、たすかった。わたし一人じゃ脱出は困難だ。


「美香、この人たちは?」

「お父さん、心配しないで下さいボクは正義の味方です」

「正義の味方?」


 お父さんは美香の顔を見た。

 彼女はうなずいた。


「早く出ましょ。長居は無用よ」


 一階の警備室の前まで来た。


「ちょっと待って。中は?」

「二人です」


 わたしは外部からかけられるカギをドアの上と下に。


「コレでよし」


 裏口のドアのカギを開け裏庭へ。


 警報機が、鳴った!


「見つかった? なんで。急ぐよ!」


 裏庭の塀のドアのカギを開けにかかった時。

 わたしたちにライトが、あたった。


「来ましたね。お嬢さん」


「ダレ、あの女」

「社長秘書の牧野さんです」


 背の高い、スーツにタイトスカートの女が薄暗闇に見えた。

 庭の外灯がつき、絵に描いたような美人秘書だ。 

 その後ろに数人の男たちが見えた。

 もしかして罠。


「来ると思っていたわ。あなたたちの動き、隣の工場からずっと見てたわ」


 秘書の脇に黒い小さなドローンが無音で降りてきた。

 なるほど警備が手薄なわけだ。


「お嬢さん、お仲間は何者? まあおそらく金で雇われた探偵か何かでしょうけど。 こいつらを捕まえて地下に連れてきなさい」


 女の背後の男たちが動いた。


「させるか! 諏訪大くん、美香さんたちをお願い」


 わたしは前に出て襲ってくる、男たちを得意の合気道で投げた。わたしより後には行かせない。


 帰りかけた女が振り向く。


「はあぁ、女一人に不甲斐ないわね」


 女が来た。

 手首をとり投げようとするとスルリと腕を引き、わたしの手首をとり、ひねった。


 投げられた。

 受け身をとった時にメガネが落ちた。


「メガネ、メガネ。あった」

 

 おわっ、女のカカト落としが、横へ転げて避けた。

 そして、立ち上がってかまえた。


「やるわねぇあなた」


「綺麗なだけじゃ大手会社の秘書は勤まらないの」


 次は踏み込んだ突きが、連続して。

 脚に蹴りが、わたしは脚をまわしてはずし、逆の足で蹴り上げた。

 見事にカカトが女のアゴに。


 決まった。と、思ったら倒れずにヨロヨロと後退りした。

 そして後ろに現れた男にささえられた。


「珍しいな。こんなおまえをはじめて見たよ」


「お嬢さん、格闘ごっこはおしまいにしよう」


 女秘書を離し前に出て来た、ビール腹の中年オヤジは手に拳銃を持ってた。


「社長さん……」


               つづく

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