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さくっと読める? 異世界恋愛系短編集 3 (2023.1~12)  作者: 四季


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出会った頃の彼は色々気にかけてくれる人だったのですが、今ではほぼほぼ放置され続けているような状態でして……

 私には色白で眉毛が驚くほど濃い婚約者がいる。

 彼の名はエッジリークという。

 出会った頃の彼は色々気にかけてくれる人だった、が、今ではほぼほぼ放置され続けているような状態だ。


 既に、これは一体どうなっているのだろう? というような関係である。


 そんなある日、ついにエッジリークより告げられる。


「婚約だけど、破棄することにしたから」


 そんなことを。


 いつかはこんな日が来ると分かっていた。でもその訪れは思っていたより唐突で。その瞬間は前触れなどないままにやって来た。


 それだけに、少々驚きを感じた部分もある。


 そういう話が始まる時には、もう少し何かしらのきっかけがあるかと思っていたのだ。


「そんな、さらっと?」

「ああ」

「まぁいつかはこの時が来るだろうとは思っていたけれど……」

「思っていたのなら良かった。じゃあそういうことだから、ここまでな。ばいばい」


 聞きたいことはいくつもあったけれど、エッジリークがさっさと話を終わらせてしまったので結局聞けずじまいとなってしまった。


 まぁ、でも、彼はとうに冷めているようだったから……この日が来るのは、関係が終わるのは、きっと必然だったのだろうと思う。



 ◆



 エッジリークとの関係が終わってから少しばかり暇になった私は、近所の剣術教室に通うようになった。


 といっても、当たり前だが最初はそこまで深く考えてはおらず。軽い気持ちでの参加であった。少し学びになればいいな、とか、運動になるかな、とか、その程度の気持ちしか抱えていなかった。そこまで本気で剣術を学ぶ気というわけでもなかったのだ。


 しかし一度始めるとはまってしまって。


 気づけば全国大会でベストテンに入るほどの強さになっていた。


 ついたあだ名は『英雄』などというもの。


 ちょっぴり不思議なものである。


 しかしそこに悪意はない。

 むしろ称賛の意味を込めてつけられたものである。


 だから私はそこそこ気に入っている。


 私はこの世界で生きていく。

 剣を振って、戦って、そうやって生きていくことこそが私にとって最もしっくりくる生き方だと今は思うのだ。


「見て! 英雄様よ!」

「かっこい~い~」

「きゃあぁ! こっち向いてぇ! 大好きぃ! かっこよすぎるぅ!」


 皆に愛され、生きていこう。


 ちなみにエッジリークはというと、あの後いくつもの悲劇に見舞われ散々な日々だったようだ。


 私と離れた直後、実家の飼い犬が急死した。

 また、それによってショックを受けたエッジリークの妹はショックが大きすぎたために脳が壊れてしまい、何も喋ることができない状態となってしまったそう。

 さらに、そのことに酷く衝撃を受けたエッジリークの母親は「こんな娘見たくない!」と叫び、エッジリークの妹ーーつまり実の娘を殺めてしまう。


 こうしてエッジリークの家は崩壊してゆく。


 また、色々ありすぎたために彼自身も心を病んでしまい、ありふれた穏やかな暮らしすらできない状態となってしまったようだ。


 エッジリークを含む家族はその後ばらばらになったそう。


 病みきった心しか手もとに残らなかったエッジリークは、無気力で寂しい人生しか選べないこととなってしまったみたいだ。



◆終わり◆

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