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株式会社エデン、異世界対策課  作者: 虎川 悟
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M?K?プゼルン 回想聖勇者の世界4

〈十年前プゼルン〉


「さて、しばらくの準備費用もできましたし、ギルドに行きましょうか!」


「え?ギルドがあるんですか!」


と清水さんが目をきらめかせた。俺は城の本で知っていたので、特に驚きはしませんでしたがワクワクしてました。

しかし俺が期待していたのは先輩の冒険者の絡みに、それを覆す主人公だったけど、現実はこうだった。


「はい。これで冒険者登録は完了です。あなたたちは今から四級冒険者です。これからの活躍に期待します」


と実に無機質に受け答えする受付、行儀よく待つ冒険者たち、次のクエストについて会議をする山賊みたいな先輩冒険者たちかなり意気消沈した。

 俺ががっかりしていると同じように清水さんも一緒にがっかりしていた。そんな二人を伊澄さんは不思議そうに眺めていったけど、何かを思いついたように。


「それでは二人ともさっそくクエストでも受けて見ましょうか。あなたたちが大好きな討伐クエストですよ」


という餌を目の前に置かれて俺と清水さんは眼を輝かせ始めた。


「どうしますか?行きますか?」


「「行きます!!!」」


といって二人で嬉々としてクエストボードに歩いていった。


「何にする?お?これとかいいんじゃないか?」「いいわねぇーあ、これって有名な奴だよね」


と俺たちはクエストの常設依頼というものの中から俺は魔物討伐を、清水さんは、薬草採取をそれぞれ頼むことにした。そのことを伊澄さんに言うと、少し驚いていた。


「あら?どうしてそれを選んだのですか?」


「いやこういうのって始めは堅実に行こうかなと思いまして」


「私も同じです。それとこういうのって道中でお小遣い稼ぎになるかなと」


という返事をすると、伊澄さんは満足げにうなずいて受付にクエストを受けに行きました。周囲は俺たちの返答をこっそりと聞いていたのか軽く拍手が起こりました。


「それでは武器を購入してクエストに出発しましょうか」



〈現在、ハウィック〉


「勇さんにもかわいい時期があったんですね」


「やめて歌君ちょっと恥ずかしい。そういえば先輩なんであの時おどろいたんですか?」


「えっとなんででしたっけ。ああ、そうでした、確かあの時常設依頼のすぐ上にドラゴン退治の依頼があって、その更に横にはダンジョン踏破の依頼があったので、夢見る若者はそれに飛びつくかと思いまして」


となんの気なくさらっと言ってのけた。


「え?そんな依頼あったんですか?」


「え?勇君気づいてなかったの?確かにでかでかと貼ってあったわよ?」


「うっそぉー!多分それを見てたらそれを挑んでたかも?」



〈十年前プゼルン〉


 武器屋で俺たちは武器を選んだ。清水さんは籠手を。伊澄さんは特に何も買うことなく立っていた。俺はどうしようか悩んでいると、ふとナイフが目に入った。


と予備も含めて数本ナイフを買って、街を出た。町の外には平原が広がっていたのですが少しおかしいことがあった。なんとすぐそこに砂漠と雪原が広がっていたのだ。


「はぁ?なにこれおかしくないですか?気候と気温的に」


「ええ、確かにそうですわね。これはちょっとまずいような」


と俺たちは気にはなりながらも薬草を探し始めた。

 大体一時間後くらいに三人は合流して成果を見ることにした。俺は完全記憶を持っているので自信ありです。清水さんは意外とおおざっぱで、見た目が似ているものを片っ端から抜いて持ってきたようです。伊澄さんはうーんこれはーー、、、どうなんだろう全然形も似ていないものが大量にというか絶対に見てない。だって山菜にしか見えないからねどう見ても。


「・・・腹ペコなんですか?伊澄さん」


「・・・はい(/ω\)」


「清水さんはーーーワイルドですね」


「ちょっと!それどういう意味よ!」


いや見たまんまの意味ですよと思いながらも次に行くことにした。魔物退治だ!

 

「さて、普通なら魔力探知を覚えてもらうところですが、今回はわたくしが代わりに魔物の位置を調べましょう」


といって、伊澄さんは手元から二リットルの水筒くらいあるベルを出して、ゴーンと鈍い音を鳴らすと、近くにいた魔物の形がぼんやりと浮かび上がりました。


「さ、これでしばらくの間見えますわよ」


といっていたので、俺たちはお言葉に甘えることにした。清水さんは近くにいたウサギにこっそりと近づいて、手を伸ばして、ウサギが逃げ出す前に首を掴み、そのままへし折ってしまった。


「はへぇ?清水さんそんなに力持ちだったんですか?」


「いやいや違いますよ。私は魔力で力を強化して握っただけですよ!」


まあそういうことにして俺も続くことにした。俺は魔力を張針山の様なイメージをしてナイフに纏わせて、近くにいた人型の魔物の群れのそばに行き、投擲した。すると目を疑うことがあった。なんと一本のナイフが数本に分裂したのだ。


「はぁ?!どういう事?」


と俺は眼を疑ったままナイフを回収しようとしたが、ナイフを拾った瞬間にナイフが塵になってしまった。


「聖さん。今何の魔力を込めたのですか?。」


「えっと針山をイメージしました」


「なるほどです」


といってしばらく考え込んだ後、


「それでは聖さんあなたはしばらく魔力をセーブして使ってください。針山をただの針に。どうしてもしたいときは精々、裁縫の針山くらいでお願いいたします。決してウニのようなとげとげは想像しないでくださいね」



と凄みを聞かせてきた。


「は、はい。わかりました」


「それではこの魔物の討伐証明部位を取ってください。」


といってナイフを手渡してきたので、右耳を切り取り、そのまま死体を放っておくと、伊澄さんに怒られた。


「ゴブリンは結構使えますので回収してください」


といって仕方がなく回収する。


「ではこれから旅をする仲間ですので、わたくしの力を少しばかりお見せいたしましょう」


と最後は伊澄さんだった。

 伊澄さんは二リットルのペットボトルくらいのベルを取り出して上下に振ると音がしなかった。が、ガサガサという音がして、魔物が寄ってきた。

伊澄さんは次にちいさな鈴を出してチリンと鳴らすと、今にも伊澄さんを襲おうとしてきた魔物が泡を吹いてバタバタと倒れていきました。


「これでおしまいです。」


と涼しい顔をして、両手を組んでお辞儀をした。


俺たちはその光景唯々見ていた。



〈現在、ハウィック〉


「とまあこれで俺たちのクエストは大成功を収めたというわけだ」


というと後輩二人はぼーっとしてゆっくりといまだに柔らかく笑っている伊澄先輩を見た。


「まあまあ恥ずかしいですわぁ」


と頬を赤らめていた。


「でも伊澄さんの技は気になりますよね。俺とかは呪いを使うときにはトリガーとして名前を唱える必要があるんですが、伊澄さんはそういうの無いんですか?」


「あら?ありますわよ?例えば先程話に出ていたものでいうと魔物を引き寄せたのは『誘引の号令』といってわたくしの魔力をほかの生物より低いように誤認させてわたくしが最高の獲物のように見させる技で、魔物を倒したものは『弱者の献音』といって誘引の号令で集まってきた魔物が自身の生きる音をわたくしに差し出すという技ですわ」


といって紅茶を人のみしてさらにこう続けた。


「わたくしが技名を口にしないのは心の中で唱えて、音をしっかりとイメージしているからですわ」


といってほほ笑んだ。


「もちろんあなたも練習すればできるようになりますわよ」


「伊澄さん!もしよろしければこの旅行中に教えてください!」


「ええ、もちろんですわよ。その代わりといっては何ですが、あなたのお菓子をたくさんください。わたくし気に入りましたの」


「先輩がお菓子をねだるって珍しいですね。前は確か俺がごちそうした時くらいじゃなかったでしたっけ?」


「ええ、そうでしたわね。ですが、わたくしも乙女ですの。お菓子を欲するのは女性のたしなみというものですわ」


「「いや初耳ですよそれ」」


「それはそうと聖先輩。さっきのままだと先輩はろくに力を使えないんじゃないですか?いちいち武器が壊れたんじゃ戦いにならないのでは?お金もかかりますし」


「ああ、それね、実は意外な解決方法があったんだよね。しかも結構早くに見つかってさぁ」


「月姫ちゃん。それに歌君。俺が銃弾をリロードしてるところって見たことがあるか?」


「そういえばないような。あの長い旅の間で一度も整備もしてなかったし」


「ですね。私も数回旅に同行したことがありましたが、一度もないですね」


「まあそれの理由は至極簡単。俺の銃の素材にはある特殊な魔物の素材が組み込まれててな。それは魔力に実態を持たせるという性質を持つ魔物だ。次はそれの話をしようかな」

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