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株式会社エデン、異世界対策課  作者: 虎川 悟
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M?K?プゼルン 回想聖勇者の世界3

〈十年前、プゼルン〉


数日後

 

「今度は脚にとげとげ魔力を!」


「はい!」


「腕に固い魔力を!」  


「はい!」


と俺は数日間先輩に指導してもらって魔力操作を必死で覚え、自由に操れるようになった。それでそうしているうちに俺の魔力の形状は数種類あるようで伊澄さんに聞くと、


「これほど多いとは思いませんでしたわ。これなら臨機応変にいろいろ対応できますわね」


といってぶつぶつと考えていた。


「そういえば伊澄さん。清水さんが持ってきた腕輪について何かわかったんでしょうか?」


「ええ、これのことですわね。これは従順の腕輪というものらしいですわ。さっき本社に連絡を入れて調べてもらいましたの」


「本社?」


「いえ、こっちの話ですわ。それでこの腕輪の力はですわね、主の腕輪という腕輪の持ち主のために最良の行動をとるように思考を誘導する腕輪ですわ。質が悪い」


と苦い顔をしていた。


「これってつけた人いるんでしょうか?」


「そこは清水さんに聞いてみますわ。ねえあなたたちの主には報告いたしますか?」


と急に天井に話しかけてベルを鳴らすと、何も起こらなかった。


「あの伊澄さんどうしたんでしょうか?急に天井に話しかけて」


「スパイというか諜報員がいたので、記憶を改ざんしておきましたわ」


怖っ!この人こっわ!


「さて、あなたも魔力操作を自由に扱えるようになりましたし、清水さんもちゃんと戦えるようになって、少し精神も安定しましたしあと数日すれば城を出ていきましょうか」


といっていた。この数日でいろいろわかったことは、この国が滅亡の危機に瀕しているのは事実だけど身から出た錆というかこの国の傀儡王の後ろが私利私欲のために画策して周囲の国々にちょっかいをかけただけみたいだ。

ということを伊澄さんに言うとさらに苦い顔をして眉間にしわを寄せて、


「やっぱりですか、この国はもう終わりですわね」


といっていた。


「さて後はどうやってこの城を出ていくかですが、、、何か考えがはありますか?」


「うーん。暴れるのはダメですし、多分外に出るとかいえば護衛が出てくるんじゃないですか?」


「それじゃあ護衛の騎士ごとぶっ飛ばしましょうか」


「「いやいやそれはダメでしょう」」



〈現在、ハウィック〉


「俺たちはその国の異常さに気が付いて早々に国を脱出することにしたんだよ」


「へぇーそうだったんですか?でも清水さんは腕を付けてなかったみたいですけど怪しまれなかったんですか?」


「実はあれね、力を増幅させる腕輪だって聞かされてたから、私はまだいらないって言って、兵士をボコボコにして黙らせたの。これで必要ないってね」


といってからさらにこう続けた。


「でもね。その力が余計に欲しくなったみたいで、今度は品を変えアプローチを変えで迫ってきたの」


「へぇーそれ初耳ですね」


「ちなみにどんなふうに言われたんですか?」


「えっとね、まずは精神が安定するとか言われてネックレスを、一目ぼれしたとか言われて指輪を、あとはそうそう寝込みを襲われそうになったこともあったわ」


あまりにも必死すぎるなぁキモイ。


「それはきもち悪いですね。それで清水先輩はどうしたんですか?あ、紅茶のお替わり淹れてきますね」


「別に何もしてないわよ。ただ、精神が安定するとか言ったのは苦笑いしながら受け取って、告白はそもそも騎士はこっちだとイケメンに入るんだけど、私にとってはイケメンは要注意と思ってたから丁重に断って、逆上して襲ってきたから、大声で叫んで逃げたわ。その後でイケメンをちらっと見たらがりがりにやせ細ってたわ」


「それで最後の寝込みは捻り上げて拘束した後ロープで縛って城の壁につるして置いたの」


「ああ、そういえばなんかいつの間にか中庭に男が吊るされてたね。しかも裸で」


「「裸ぁ!!?」」


「うん裸で」


「あー確かにそうでしたわね。わたくしも変な趣味を持っているなぁとしか思ってなかったですわ」



「それで、結局どうやって城を脱出したんですか?」


「あーそれがさぁ、追い出されたんだよね。俺たち」


「「へ?追い出された?」」


「うん追い出された」


「何でですか?」


「えっと確かあれはーー突然でしたわね。わたくしの音響師というものは地球じゃないとない職業ですし、清水さんはかなり暴れて思い通りにはならなかったし、聖さんはーーーー何かありましたっけ?」


「あー多分俺は成果がない無能と判断されたんじゃないでしたっけ?」


「ああそうでしたわね。では次はその時の話をしましょうか」



〈十年前プゼルン〉


ある日俺たちは急に王に呼び出された。


「何でしょうね。私たちも暇じゃないんですが」


俺たちは談笑しながら兵士の案内で執務室に移動し、部屋に入ると明らかにサイズ違いの椅子に座ってる子供の王がいた。まるでお父さんの仕事の椅子に座った子供みたいだと思ったが声には出さなかった。


「来たか。お兄ちゃんたち」


へ?と俺たちはその時かなりあほな顔をしてたと思う。あっけにとられた。


「じゃなかった宰相の言われたとおりに言わないと。来たか!貴様りゃ!かんじゃった」


かわいいなこの子。伊澄さんがほわほわしてる。俺別にロリコンでもショタコンでもないけどな。


「えっとえっと、きしゃまりゃの行動は眼にあまりゅ!よって貴様らは我が城から出ていけ!言えた」


俺たちはたまらず拍手をしそうになって、伊澄先輩は撫でに行きそうに手を前に出したそうになってた。


「そ、それで王よ私たちはこの城から出ていってどうすればよろしいのですか?」


「あ、あう、えっとえっと、宰相の手紙手紙、あ、あった!えっと何処へでも行け!」


ふんす!どうだ!とでも言わんばかりに誇らしげにどや顔を決めていた。

俺は少しいたずらを仕掛けたくなったので、


「しかし王よ、私たちはあなたたちの勝手な都合で召喚されてさらに勝手な都合で、出ていけと?しかも身一つで?」


と勝手を強調させて言うと、王はあうあう言ってから、宰相からの手紙?をまじまじと見つめて、なにも書いていないとわかると泣き出した。


「ふぇーーーーん何も書いてないよぉ宰相ーーどうしよう」


と言って大号泣をし、兵士たちがわらわらと部屋の中に押し入ってきました。

 そしていつの間にか王のそばに来て、王を抱きしめていた宰相が王を慰めながら俺たちをキッ!とにらんで、


「即刻そこの不届き者どもを叩き出せ!」


といって引っ込んでしまいました。

 俺たちは兵士たちに連れていかれ、城の正門からたたき出されてしまった。


俺たちは顔を見合わせて笑った後ハイタッチをして作戦通りと笑いあい、街に向かって歩き出した。


「さてこれからどうするんでしょうか?」


と清水さんは俺たちに聞いた。どうやら清水さんはずっと腕輪や魔道具、寝込みを襲ってきたやつから身包みをはいで、金目になりそうなものを取っていたから、俺たちの計画を簡単にしか話してなかった。


「まずはあなたたちの旅の資金確保ですわね。伊藤さん。兵士たちからもらったものを貰える?」


というと俺はアイテムボックスから軽くて金目になりそうなものを取り出して手渡すと、ちいさな鈴を取り出して、チリンと鳴らして、再び俺に返してきた。


「じゃあまずはこれを売り払いましょうか。交渉はお任せしましたよ。清水さん」


というと清水さんは少し考えたふりをして頷いた。



〈現在、ハウィック〉


「とまあ俺たちは計画通り追い出されたんだよ」


「ですけどあの時の国王はたいそう可愛らしかったですわぁ願わくばまたお会いしたいです」


「あれ?冒険した世界は記録してますよね。今回みたいにじょれじゃあまたいけるんじゃないですか?」


とまあ当然そう思うよね月姫ちゃん。だけどね違うんだよね。


「いやもうあの世界はないよ。崩壊した」


「へ?何でですか?てか世界って崩壊するんですか?」


「するよ?崩壊くらい。あと前に行った世界、あの侵攻してきた世界ね?あの世界は放棄された世界って言って、神が管理を放棄した世界なんだよね。だからああいった世界は便宜上魔界って呼んでる」


「え?じゃあ地球はどう呼ばれてるんだ?しかも俺と勇さんが昨日行ったピュアランドも」


「あーその二つは例外で、地球はいくつもの神が管理してるし、ピュアランドに至っては精霊と聖獣が管理してる世界って感じ?」


といって俺はさらに続ける。


「そもそも魔力ってパンとかを作る時のつなぎっていえばいいかなそんな役割があるから、地球は自然の魔力が全くないから複数の神がいて担当してるんだよ」


「聖さん。話が脱線してますわよ」


「ああ、すみません。それでね、プゼルンは特殊な世界で、俺の魔力の話をしたと思うんだけど魔力が薄い濃いの差が激しいんだよね。それで耐えきれなくて崩壊した」


「え?じゃあその管理してた神様は?」


「さぁーー今はどうしてるかわからないなぁーー多分エデンでもう一回一から勉強をしえるんじゃないかな?ここって一応神様の研修用の場所でもあるらしいし」


「あ、そういえばそうでしたわね。だからここの会社ってデバッカーとかプログラマー、にグラフィッカーとかいないんでしたし募集もしてないんですよね」


「ちなみにニューワールドオンラインではプゼルンの大地は意外と人気があるんだよね。時期によって魔法が全く使えなかったり場所によっては逆に特有の魔法が強すぎて暴発したりね。玄人向きでね」


「それで先輩たちの交渉はいくらになったんですか?」


「いきなり軌道修正入ったねえ。まあいいかでもあの時の交渉はひどかったねぇ」


「ちょっ!ひどいって何!」



〈十年前プゼルン〉


「ほほぅーー!これはこれは、ふむふむなるほど」


と俺たちは大きめの商店に入って魔道具を宝飾品として売り払うことにした。もちろんあの魔法は解除したから大丈夫と伊澄さんは言っていた。


「ふん!これは全部で金貨一枚ってところだな」


だいぶ下に見てきたな。絶対ないよねこれもっと高いよな。と俺は清水さんのほうを見ると、ニコニコ笑っていたが、笑顔が引きつっているような。


「ほう。そうですか。ではどのあたりが安い理由なんでしょうか?正直にお願いします」


「ええ、まずはこの宝飾品は大きすぎます。ネックレスは偽物ではないですか?それにこんなありふれたものを持ってこられても仕方がないですよ」


とニタニタ笑いが変わらない店主は、何とか意地汚い笑みを隠そうとしていた。


「なるほどそうですか。それでは」


といって清水さんはおもむろに手を伸ばして店主の額に手を当てて、


「ではもう一度正直・・にお願いします」


というと店主はまた少し考えた後、


「申し訳ありませんでした。正しくは白金貨1枚でございます」


めちゃぼったくるやんこいつ。


「なぜぼったくりを?」


「あなたたちが世間知らずのボンボンだと思ったから世の中の厳しさを教えてやろうと思いまして」


といってガタガタ震えていました。


「申し訳ありませんでした!!」


と急に椅子をはねのけて土下座を始めた。

 俺と伊澄は何が起きたかわからずに固まっていると、清水さんが当然とばかりに土下座をしている店主に顔を近づけて、


「色を付けてくださいますよね?」


「はっはいいいぃぃぃぃぃ!」


と俺たちは急に大金をゲットしてしまいました。




〈現在、ハウィック〉


俺たちがこう話すと二人は愕然としていました。


「え?清水さん?いえ女王様?」


「やめてください。それを言うのは」


「清水さんはねぇ魔力を操作して相手の罪悪感を強めたり本音を引き出したりできるんですよねぇ」


「え?清水さんって身体強化じゃなかったんですか?」


「え?知らなかったの?私はね精神を操って操るまではできないけど動きを誘発させる事ができるんだよね」

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