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株式会社エデン、異世界対策課  作者: 虎川 悟
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閑話 歓迎会

 翌日の昼過ぎ、本を読んでいるとスマホが震えだした。スマホを見て見ると連絡アプリで歌君からの通信だった。


『勇さんーお菓子の用意ができたからそろそろ俺の家に来てー』


というものでしたので、俺は着替えをしてから電車に揺られて、住宅街をてくてくと歩いていると、歌君の家につきました。

 歌君の家はほかの家の四倍くらいはある大豪邸で、インターホンを押すとパタパタというスリッパで走る音がして、歌君が出てきました。

 歌君はエプロン姿で扉を開いていましたが、お菓子の匂いは全然しないです。


「おう勇さん待ってたよこっちこっち」


と手招かれたので俺は中に入ると、何か後ろから視線を感じたけど気にせずに中に入ると、歌君は扉から顔を出して外をきょろきょろして扉を閉めて鍵を閉め、チェーンを付ける。そんな歌君を俺は不思議そうに見ていると、視線に気づいた歌君は、


「これはさあ、俺がお菓子を作っていると匂いがしないはずなのに、なぜか嗅ぎ付け来る人がいるから一応ね」


納得がいきました。さっきの視線はそういうことか。それならちょっと手助けしようかな。


「歌君、何か手伝おうか?」


「大丈夫大丈夫、いつものことだから」


という言葉を聞いて俺は歌君に案内される形で地下室に移動する。

 地下室はいくつもの本格的なキッチンがある。大きい部屋がありました。業務用のオーブンに業務用冷蔵庫や、ケーキの型がいくつもあったりと本格的なキッチンが広がっていました。

 部屋に入って気づいたんですが濃厚な甘いにおいがしています。キョロキョロしていると、一角に物凄い大量のお菓子がありました。

 お菓子はクッキーが大量にマドレーヌがいくつもにウェディングケーキくらい大きいケーキがあったり、いくつものケーキが並んでいました。


「勇さんこれ全部収納してくれないか。作りすぎたかな」


「いや大丈夫だと思う。多分今日の歓迎会の中にいる人に物凄い食べる人がいるから」


といいながら俺はお菓子を収納していく。

 お菓子を収納し終わり時間を見て見るとちょうどいい時間になりましたので、歌君に目を向けると着替えてくるといって部屋を立ち去る。

 俺は歌君が降りてきたのを待ってから一緒に家を出ると、門の前に一人の見たことがある小柄な人が必死になって中を覗こうとしていた。


「歌君あれっていいの?小栗さんじゃないの?」


「ああ、いいよいつものことだから。ちょっと待ってて」


と歌君はおもむろにロケット風船を取り出して中にクッキーを入れて、遠くのほうに飛ばすと、その匂いにつられて小栗さんは風船のほうに向かって走っていきました。


「ふう、これで良しっと。さっ行こうか勇さん」


といつものことのように門に向かって歩いていく。

 俺たちは本社地下の扉の部屋に行き指定されたコードを入れて潜るとそこには河原が広がっていました。

 河原の付近にある樹々は桜やイチョウに紅葉などがいくつも並んで植わっていて、おかしいのはすべてが見ごろなことです。桜もイチョウも満開できれいで不思議な光景です。

 河原の近くには大きなテーブルが並んでいて船盛やいくつもの肉料理やサラダなどがバイキングよろしく並んでいました。

 用意している人は調理研究班の主任をはじめいくつもの人たちが、準備にせわしなく動いていましたので俺たちは主任に近づき、


「おばちゃーんちょっといい?」


「なんだい勇坊」


「勇坊はやめてくれよ。それでさあこいつ新人だけどお菓子作ってきたから並べてもいい?」


というと、おばちゃんは急に険しい顔になって、手を出してきてお菓子を出しなと凄んできたので、俺は小さなお菓子の袋を取り出しておばちゃんに渡すと、おばちゃんは真剣にお菓子を眺めて観察をして、食べました。

 おばちゃんにつられてほかの準備をしている職員たちも寄ってきておばちゃんの手にあるクッキーを食べて固まってしまいました。


「あ、あんた調理研究班に来ないか?」


と唐突に言ってきたので断ると、残念そうな顔をして引き下がり新しい机を持ってくるように部下に言い、持ってきた机に置くように言ってきましたので、その通りにしたらおばちゃんはテーブルの周りをぐるっと歩きぶつぶつと何かをつぶやくとケーキが乗った机の周りが薄い膜に覆われました。

 そういえばおばちゃんは結界を操れて、品質保存と適温保存の効果があるらしいと聞いたことがある。ついでにおばちゃんの能力は料理と製菓に特化していて、鑑定も『鑑定(食)』というものらしく、食材のことがすべてわかるらしい。

 すべてというのは毒の有無に毒抜きの方法に、解体方法から調理方法まで食材に関することすべてらしい。

 他のスキルは『包丁術』『鍋術』『調理魔法』『投擲術(串)』と、料理をするため専門のスキル構成らしい。全くこの人はどうやって異世界を生きて来たのか全く想像がつかないです。

 しばらく待っていると清水さんと月姫ちゃんがやってきて、歌君の持ってきたお菓子を見て少女みたいに目を輝かせて飛びつきましたが、おばちゃんが張った結界に阻まれていけないことにやきもきしているみたいです。


「清水さん、清水さん落ち着いて。いい年なんだからフグッ!」


「何か言ったか?」


「いえ、すみませんごめんなさい許してください」


というと離れてから急に落ち着いてから、ようやく歌君のほうに気づいたらしく咳をして向き直りました。

 

「ごめんなさいね。この前会ったわね。私は清水彩。この子は藤井月姫ちゃんね」


「どうも月姫かぐやと申します。あなたのお名前を聞いていいでしょうか」


「あ、はい俺は歌海綺星と申します。このケーキたちは俺が作ったものです。手前味噌ですが楽しんでください」


というと清水さんははっとした顔をして歌君に詰め寄ろうとしましたが、月姫ちゃんがどうにか止めていると、後ろの扉からドヤドヤと帰還者たちが入ってきてから園田社長と幹部が入ってきました。


「みんな集まっているみたいだね。それじゃあ歓迎会を始めようか」


と社長が仕切り始めたので俺たちはビールを、未成年組はジンジャーエールの入ったコップを持って、


「それじゃあね、長い挨拶も面倒だし短くいくね。今日はなんと十一人も俺たちの仲間が入ってくれました。紹介は後程することにして、ゴホンッ。この株式会社エデンのますますの発展と、迷い人のより速い救出を願って。乾杯!」


「「「「「「「「乾杯!!!!!」」」」」」」」


と言ってから俺たちは取り皿を持ってごはんに群がります。

 おばあちゃんはどうやら結界を弱めてくれたらしく常に料理が最高の状態で保たれるようになっているらしいです。

 料理に舌鼓を打っているとあるスープに目がいった。俺と歌君が放心状態になった魚の出汁が入ったスープらしい。

 俺は歌君を呼びコップを持って、緊張の面持ちでスープを掬い飲みました。すると魚の出汁がいい具合に緩和されていて、絶品のスープでした。

 俺たちが驚いているとおばちゃんがやってきて自慢げに胸を張りながら、説明してきました。それによると、鱗と一緒に煮込むと出汁の濃度が下がり、その代わりに量が増加して、スープになるらしい。しかもこの鍋は二メートルくらいの大きさの寸胴鍋ですが、使った量は十分の一くらいの切り身しか使っていないらしい。これを刺身で食おうとしていいた俺たちってと俺たちは顔を見合わせてまたスープを飲んで楽しみます。

 清水さんは真っ先にケーキに飛びつき、頬張って幸せな表情を上げています。月姫ちゃんも一緒になって食べていましたが、清水さんほどがっついていません。

 その光景を見ていた歌君の顔を見ると、ポカンという表情を上げています。俺はどうかしたのかと聞くと、


「いや前にお菓子を振舞ったら食べた人たち全員ぶっ倒れたから。あんなに平気そうに食べているのを見るのが初めてで驚いた」


「ああ、そういうことか。清水さんは元々大食いで大の甘いもの好きだからあれだけど、俺たちは普通に美味しいと感じるくらいだから、多分うまいものに耐性でもあるんじゃないかな」


というと納得はしていないが納得しようとした表情を上げています。

 と俺たちはドラゴンステーキやケルピーストロガノフなどの異世界の料理に舌鼓を打っていると突然社長が、


「ここで自己紹介でもしようかな。まずは幹部の俺たちからかな。名前と教えても大丈夫なスキルを言ってね」


といっておもむろに幹部たちが立ち上がり、


「まずは僕からかな。僕は園田理。この株式会社エデンの社長をしているよ。今の年齢は40歳だ。俺のスキルは『英雄覇道マイロード』っていうスキルかな。能力は秘密で」


と『先導の英雄』の園田社長の紹介を皮切りに、次々と紹介が進みました。


「じゃあ年齢的に次は私ね。私は綿貫絹代。60歳よ。エデンの相談役をしているわ。それと結界の修復もね。私のスキルは『万物裁縫』っていうの。能力は私も秘密ね」


「次はワシかな。ワシは志賀五郎じゃ。絹ばぁと同じく60歳じゃ。エデンでは審査班の統括をしておる。能力は『キャッチ&スロー』じゃ。能力は便乗して言わんことにしようかの」


「じゃあ次は俺だな。俺は赤井富樫という57歳じゃ。エデンでは遺品班の統括や、いくつもの班のパイプをしておる。能力は『配管設置』という。ワシも秘密じゃ」


「「じゃあ次は僕だね。僕は高森「真」「叶」だよ。ここでは来訪班の統括をしているよ。僕たちの能力は「空ろの真」と「願いの力」だよ。能力は秘密ね。年齢は永遠の10才だよ!」


という紹介でした。彼らの能力はヒントはあるけど全然わからないなと思っていると、


「じゃあ次は新しい同志たちの紹介をお願いね」


歌君たちは河原の前に出てきて並びました。日本人の特殊な習性ですよね面白い。


「じゃあ俺から。俺は歌海綺星。アフロディアからの帰還者。俺は精霊獣たちと一緒に戦います。よろしくお願いします!」


「おおーちょっと精霊獣を見て見たいね。出してみてもらっていい?」


といってきたので、歌君は腕のバングルを軽くたたくと精霊獣たちが出てきました。精霊獣たちは全員幼獣と聖獣の間くらいの合図だったので、かなり大きいです。

精霊獣たちは突然の光景にキョロキョロしていると、川に近づき樹々間で休みだしました。


「じゃあ次は俺だな。俺は近藤昭って言います。彼らのリーダーをしています。能力は精霊武器を作ることができます」


「あたしは久々津茜。能力は陶器やいろんなもので人形を作ることができます」


「僕は鉄井麻衣一応男です。名前のことについては突っ込まないでください。能力は石や素材を糸に変えて布を織れます」


「うちは源優理といいます。能力は魔導回路を簡単に作れます。あと設計図も」


「俺は平田和泉と申します。空間を拡張したり空間を操れます」


「某は酒井亥治郎と申す。某の力は解体で、魔物がどのような状態であっても最高の状態で解体ができる能力でござる」


「私は苅田朱里と申します。私は鉱石や薬草などを最高の状態で採取できるポイントを見つける能力でございます」


「わたくしは、五十嵐遥香と申します。能力は乗り物を初見で乗りこなすことができますわ」


「僕は水田健太と申します。俺の能力は動物に好かれる能力です。使役ではないのでよろしくです」


「最後に私ですね。私は千々里由美子と申します。能力は千里眼と自動マッピングです。よろしくお願いいたします」


と全員のあいさつが終わり、ご飯を食べながら談笑をしていると、社長が、


「そろそろいい時間だからお開きに『バリィ~ン!!!!!』しよ。なんだ?!!!」


慌てて扉を開いて走ってきた人が、社長に耳打ちをするとみるみる社長の顔つきが驚愕から険しくなり、


「戦闘班!準備をしておけ!聖!清水!藤井、歌海お前らは少し待機しておいてくれ」


と素早く命令をすると、幹部たちが走って出ていきました。正直年配とは思えないアスリート走りで、おどろいています。

 俺たちは本社に戻り、地球仕様の装備の準備をして待機をしていると部屋の大きなモニターが浮かび上がり、そこにはいくつかに分割された映像が映っていました。

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