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株式会社エデン、異世界対策課  作者: 虎川 悟
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閑話 新装備実験

〈聖 勇者〉

 俺がアフロディアから戻ってから数日後俺は本社に来ていました。前回壊してしまった魔導銃の新品ができたと連絡があって、チューニングをしてほしいとのこと。何やら新人が入ってから着想を得て新武器を開発したとか言ってましたね。

 本社に着くと、工房班の主任が大興奮で俺のほうに駆け寄ってきて早く来いとまくしたててきました。工房班の主任はサラリーマンのような恰好をしてはいますが、筋肉で盛り上がってパツンパツンで、腕を組むとパージしそうなくらいだ。そして顔も子供が見たら十人中十人が号泣しそうなほどだ。

 俺は主任に促されるまま、工房の会議室に行くと、アフロディアの店で見た球体関節人形がカートをゴロゴロと押してやってきた。

 カートの上に置いてあるものを見てみると、魔導銃ETOとDWTですがもう一つ円盤型の何かが乗ってありました。


「この円盤が新武器?ナニコレ?」


「これはな、お前の銃だと精々二種類しか融合できないが、こいつを使うことで三種類の弾丸を融合できる武器だ。間違ってもお前の融合した弾丸を入れるんじゃないぞ?できるが一発で壊れるからなこいつを開発するのにかなり金をかけたからな、希少な素材も大量に使っているから壊すなよ」


と主任の説明を聞きおわり、俺は魔導銃に魔力を流して調子を確かめていると、待っていた主任が


「試し撃ちをするか?」


と素晴らしい提案を上げてくれました。俺は当然受けようと強く頷き、会議室の隣にある階段を降りるとだだっ広い部屋が広がっていました。

 部屋の中心にはボウリングのピンのような的があり、端のほうには岩や鉄でできたゴーレムが座っていました。

 俺は初めに魔導銃を使い10種類の弾丸を試し、前回より使い勝手も威力も大幅に上がっていました。本当に優秀だなこの工房班は。

 次に二つを合わせた融合弾を使うことにしました。一応融合弾は弱めに設定して、子モードと午モードに変えて使うことにした。

 午モードは威力はそこそこで、長距離でも威力が変わらないので試撃ちにはもってこいだ。

 俺はボウリングのピンゴーレムが元に戻ったのを確認して、冷静にスコープを覗き撃ち込むと、弾丸が平行にいくつも分かれて、ゴーレムの頭を撃ち抜きます。

 他の弾丸はまた試せばいいですし、この部屋をぶっ壊すと主任が怖いからあとは実戦で試すことにした。

 俺は試撃ちが終わり、ふーッと一息ついて武器を確かめ終わると、主任が礼の円盤を手にやってきて、


「おう聖。何ならいつを試してくれよ。使い方は簡単だ。円盤の球体部分のダイヤルを設定して、魔力を流し放り投げて、弾丸を二発ぶっ放すだけ。なっ簡単だろ?」


というので俺は円盤を試すことにしました。円盤を手に取ってみるとサイズはフリスビーくらいの大きさで、真ん中の円盤部分にはダイヤルがあり、そこには牛やネズミの絵柄が書かれています。

 俺は円盤を辰モードに設定し、部屋の中心めがけてフリスビーの要領で投げると空中を滑るように移動し、ボウリングのピンの上でピタッと停止し、ホバリングしています。

 それを見て主任のほうを見て見ると、主任は腕を組んで頷いていましたので、俺はETOを子モードにして撃ち込み、次に派手なのが見たくなったので、亥モードを撃ち込むと、円盤がぶるぶると震えだし回転が速くなり円盤の下の部分からバアァン!という轟音が響き渡りボウリングのピンが塵になっていました。もはや笑いしか起きねえ。

 恐る恐る主任を見て見るとにっこりと笑っていて満足そう。あ、でもよく見ると我慢している。額に筋が浮き出ている。後ろでは工房班の平たちが諸手を挙げて喜んでいました。


「さすが俺たちの開発した武器だな!名前は如何しようかな。何か案があるか?」


と主任は工房班の人たちに聞くと、全員顎に手を当ててうんうんうなっていると、一人が手を上げて、


「それなら、『フュージョンディスク』でどうでしょうか」


と提案をしてきました。俺は少し考えていたアイデアを引っ込めていい名前だと同調しました。

 俺は礼を言ってから収納し、お礼に何かいらないかと聞くと仕事だとぶっきらぼうに言い立ち去りました。

 俺も部屋から帰ろうとしたら、見たことがある明るい茶髪の青年が入ってきました。その青年はすれ違う俺をチラ見して目を見開き、俺も彼をちらっと見て驚きました。


「「ああーー!「正義」「歌君」だ!久しぶり」」


とお互いにはもりました。


「何してんのこんなところで」


「俺は武器を新調してその試を終えて帰るところ。歌君は?」


「俺も似たようなものかな」


というなり歌君はスタスタと部屋の奥に歩いていきました。俺は興味があったので見て見ることにしました。

 歌君の格好は前の黒ずくめの格好とはだいぶ違っていて、水色のシャツに白い上着、赤と黒のボディバッグ、下は黒のすらっとしたズボンで靴は深い緑いろのシークレットブーツのような底の厚い靴です。

 近くにいた工房班の人に聞くと彼の装備はすべて新人であるあの時の迷い人の方々が作ったそうです。実は彼らの中には素材を糸状に変えて布を織ることができる人がいるらしく、あの服は並の防具よりも防御力がはるかに高く、魔力の伝導率も非常に高いという良品らしい。

 歌君の武器は腕に着いた金色で宝石が埋め込まれたバングルで、想像しながら魔力を流すとまるで宝剣のような武器に変形するらしいという高性能な武器です。耐久力は自動回復し元々物凄い硬度がありよく切れると精霊の力を流さなくても普通に使える武器です。

 俺は歌君を見ていると、職員が部屋の隅にあるゴーレムを起動して、戦わせようとしています。歌君は少しバングルに触れて、武器をチェーンハンマーに変えて振り回します。宝石は持ち手に組み込まれています。

 次に職員は結界を張って結界から退出し、歌君にゴーサインを出すとゴーレムは巨体と見た目に似合わず走り出して、一撃殴ります。歌君は足元に魔力を流して、風を発生させて強く地面を蹴り躱すとカウンターに、ゴーレムの首めがけて振り下ろすと鉄球は轟音を立てて深緑の光を纏い、直撃しました。

 ゴーレムに直撃した鉄球の境からは小さな枝が生えてきました。小さな枝はどんどんと広がりゴーレムはビキビキという音が響き砕けました。

 俺は気づいたら拍手をしていました。それにつられるように職員たちも拍手をして拍手喝采になっていました。

 歌君はチェーンハンマーをバングルに戻して力を抜くと、ゴーレムに絡みついていた枝が枯れて塵になり、ゴーレムは元に戻ると部屋の隅に戻り体育座りをしてから、動かなくなりました。

 恥ずかしそうにしている歌君を見ていると、横からひょっこりと長い髪が流れています。清水さんと月姫ちゃんです。

清水さんは拍手をしながら歌君を見ていて、月姫ちゃんはわかりやすくむくれていました。俺は月姫ちゃんになんでむくれているのか聞くと、


「だってあの人私よりも強そうじゃないですか。あんなに簡単にゴーレムを倒してしまって」


という可愛い嫉妬です。


 「まあまあ月姫ちゃんあなただって今回新しい力を手に入れたところじゃない。それを確かめましょう」


と清水さんがフォローを入れると、月姫ちゃんは部屋の中心に歩いていき、漆黒の簪を取り出し髪をまとめ始めました。

 まとめ終わると、職員は新しいゴーレムを起動します。そのゴーレムには角が生えており、こん棒を持っている一言でいえば鬼だ。

月姫ちゃんが入ってきたのを見た歌君は空気を呼んだのか俺のほうに小走りで走ってきて、


「正義、っと今は勇さんでいいかな?あの子って誰?めっちゃ可愛いんだけど俺タイプ」


「あの子は藤井月姫ふじいつきひめ。俺の後輩で、君の先輩」


と短く説明を終えて、月姫ちゃんを見る。

月姫ちゃんは鬼を目の前にして、大槌を取り出して、鬼に向かい、小さく小声で


「『怨鬼解放』」


と唱えるとざわざわと月姫ちゃんの髪の毛が白くなり、額に角が生えてきて、武器の大槌が紫色に変わり目が赤く光りました。

 月姫ちゃんは武器を構えて鬼に向かって振りかぶり、鬼もそれにこたえるようにこん棒を振りかぶって、お互いの武器がせり合って力が一瞬拮抗します。そしてそれを破ったのは月姫ちゃんだった。

 月姫ちゃんは一瞬拮抗した武器を押し込んで力でそのまま殴りぬけます。鬼はバランスを崩して仰向けに倒れます。月姫ちゃんは思い切り鬼に向かって槌を振り下ろし頭をつぶしました。

 月姫ちゃんは沈黙した鬼をみて、トテトテと清水さんの横に走り出して、褒められているのを見て、仲のいい姉妹みたいだと微笑ましく見ていると、月姫ちゃんが俺のほうに近づいてきた。


「先輩!私の新しい武器どうでしたか?(*'▽')」


と感想を求めてきました。俺は素直にすごいと感想を言ってから、歌君を紹介すると、月姫ちゃんはすごきいい笑顔を浮かべてから、歌君のほうを見て今気が付いたという表情を浮かべて、


「あら?私の後輩ですか?よろしくお願いいたします。藤井月姫と申します。失礼ですが先輩とはどういうお関係で?」


「初めまして藤井先輩!歌海綺星といいます。!よろしくお願いします。正義とは元の世界でずっと一緒に旅をした仲間っす!」


というと、そうですか。っと素っ気ない態度をとって部屋を去ろうとしましたが、歌君は月姫ちゃんを止めて一緒にお茶をしないかと誘いました。


「あの先輩。よければ俺たちと一緒にお茶しませんか?いいお菓子を作ったんですそちらのお姉さんもどうですか」


と聞くと喜色を上げて喜ぶ清水さんと不貞腐れたような表情を浮かべる月姫ちゃん。なんとも温度差があるコンビです。


 

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