M5K0 アフロディア 33
港町の前に着くと、あれだけきれいな石畳が荒らされて、砕かれています。近くにいた門番によると少し前に魔物の大群が押し寄せてきて街を蹂躙していったようですが、それほど被害はないのは、冒険者ギルドの連中が避難誘導して、魔物を刺激しないようにしてくれていたかららしい。
ただし、兵領主の命令でちょっかいを出した領主の軍たちは多大な被害が出ているらしい。そして領主はその責任を取らされて現在この国の王都にいるとのこと。
ですので復興もとても楽で、もう原状復帰していました。ですが、まだ流通はしっかりしていないらしく、しなびた野菜や肉が細々と売られているという、店の景観と人の生活水準が全くあっていない不思議な光景を見ながら、俺たちはさっそく町に入り真っすぐに渡航ギルドに向かうことにしました。
渡航ギルドは前とほぼ同じように営業していますがただ一転、以前俺に絡んできた連中は軒並みいなくなっていました。
傲慢な態度をとっていた受付も、俺に襲い掛かってきたおっさんたちも俺の船を分解しようとした、兄ちゃんも全員いなくなっていました。
俺は疑問に思いながらも真面目そうな受付に行き、俺のギルド章を取り出して受付に見せると、彼は顔を引き締めて、
「申し訳ありませんマサヨシ様、当所のギルドマスターが話があるとに事です。お手数ですがついてきてはいただけませんか。お時間は取らせません」
と深々と頭を下げていたので、俺は仕方がなく近藤達に待っているように言ってから受付について行きギルドの二階奥に行く。
二階の奥にある二枚扉の上にはギルドマスター室と書かれていました。受付がノックをすると、中から野太い声で、
「入れ」
と短い一言が響き、俺は受付に促されるまま中に入ると、書類に埋もれた机の向こうにギルドマスターの頭が見えて、俺が中に入っても俺をちらっと見てゆっくりと立ち上がり、
「忙しいのにすまんな。まず座ってくれ。」
と言われたので俺はソファに腰を下ろすとギルマスは俺のほうに紅茶を出してきました。
俺はそれを一口飲み、ギルドマスターをちらりと見やると、ギルマスは自信満々に笑顔を浮かべて、話を始めました。ギルドマスターははっきり言って悪人面ですのでめちゃくちゃ怖いです。夜道に出たら間違いなく子供は泣きだしそうなくらいです。
「それでな、さっそく本題に入るが前来た時に受付が暴走した船を少し見せてもらいたい。もちろん報酬を支払う。そうだな永続渡航許可証でどうだ?これがあれば君の持っている船は渡航ギルドがある場所なら税を払わなくて済むし、ついでに入港禁止の場所でも強制的に入れるようになる券だ。これを無視する馬鹿はいないと断言してもいい」
というので、理由を聞くと、これを破るということは全世界のギルド組合を敵に回し、ギルドが置かれている国々も敵に回るということ。まあこのことは子供でも知っている内容だということらしい。
そういうことならと俺は許可を出してどこに出せばいいか聞くと、ギルドマスターは地下核の本棚に行き本を引くとカチッという音がして、本棚がズズズズズと動き、中には小型の船野置き場らしいものがありました。
俺はその中にボートを取り出して船置きにおく。するとギルドマスターが子供みたいに目をキラキラして俺のボートの周りをまじまじと観察していました。
ボートの中に入り、駆動部を眺め、船体をじっくりと見て、全体を舐め回すように見て、時々よだれを拭き、と奇行を繰り返すこと一時間くらい経ちました。
「いやぁー堪能した。ありがとうな!兄ちゃん。じゃあこれ報酬だ受け取ってくれ」
とギルドマスターは机のほうに歩いていき、何かをつぶやいて一枚の紙を取り出した。
俺は一言礼を言ってギルドマスターの部屋を出ていき、近藤達のほうに向かって歩いていく。幸いなことに近藤達は誰にも絡まれることもなく安心しました。
「おうお待たせ。じゃあ早速船に乗るか!」
と俺たちは港の船着き場に行き、いつものボートより少し大きめのボートを取り出して、全員に乗るように促した。
そのボートはちょっとした漁船くらいの大きさがあり、周りは騒然としそうな感じだったので、急いで乗り出発する。
俺の大きいサイズのボートは前の小さいボートよりは少し遅いですが、それでもほかの船に比べるとだいぶ早いため、追いかける船を突き放して、俺たちは大海原に旅経ちました。
しばらく進んで、記憶ではそろそろ精霊島が見えてくるはずでしたが、結界が張ってあるため、見えませんでしたので、俺は魔力探知を使い俺の魔力反応を探ります。俺が設置したコテージは、俺の魔力が少し入っているため探知魔法で俺の魔力を探ると場所がわかるという親切設計です。
俺は探知魔法を頼りに精霊島に着き全員を降ろすため岩場に船を接岸し、彼らを降ろします。
「ごめんだけれど今日ここで一泊してから帰るから少し待ってて、今入れるようにするから」
と言ってコテージに入るとキーピングブラウニーがわらわらと近寄ってきて俺のほうを見上げています。
「よ!ただいま。お疲れ様これお礼ね」
と俺は歌君からもらったバタークッキーを取り出して、キーピングブラウニーに渡します。
そして、キーピングブラウニーが座った後俺は静かにキーピングブラウニーを暖炉の上に座らせて、コテージを出てから、近藤達を呼び、この部屋は好きに使ってといい、俺は暖炉のソファに座り、本社に連絡を入れます。
『明日帰還します。ただ、こちら時間で22年ほど前にバスごと転移した迷い人たちを保護しました。本社に直接連れていきます。人数は十名、能力は生産系能力保持者が数名、ほかはまだ未確認。それとなくなられた迷い人たちの遺骸や遺品を回収完了しました。それと、俺たちの仲間候補が現れましたので、清水さんに歌海綺星という人物が訪ねてきたら対応してほしいです。以上報告は終わりです』
という報告を終えて立ち上がり、彼らの遺品の整理を始めました。
俺は近藤を呼び遺品整理を手伝ってもらいました。遺品をすべて個人に分けて収納して、遺骨も個人に分けて、すべて終えた時にはもう夕方でした。
俺は夕食の用意をしようとしましたが、近藤達が自分が作ると言って率先してキッチンに立ち、料理をし始めました。。どうやら彼らは地球にいた時のように思う存分食材を調味料を使えることがうれしかったらしく、嬉々として食材を出して調理を始めました。
できた夕食はオムライスとコーンポタージュにサラダといたって普通の料理でしたが、彼らはケチャップの味が恋しかったのか一口一口噛みしめるようにたべて、更にコテージに併設してあるお風呂に入り感動し、ふかふかのベッドに入って感動しました。
俺は翌日少し早く起きて、和食を作ることにしました。かつおだしをしっかりと取り、昆布だしの素を使い、豆腐とわかめの味噌汁にだし巻き卵、それから白米にお漬物に焼き魚にお浸しを作っていると、周囲に近藤達がよだれを垂らしてこちらを見ていました。
俺は全員に朝ご飯を振舞うと、また感動して滝のような涙を流して、彼らはここ二日で一生分の涙を流したのではないかと思うほどでした。
おれはさらに驚かしたくなったので、お茶を淹れてお茶うけにかりんとうを振舞い、休憩をしてから俺は地下室に行き転移扉を取り出して、設置して、『M5K0アフロディア』と登録を終えて、一階に戻り未だに放心状態の彼らに、変える準備が整ったというと我先にと地下室に入っていきましたので慌てて引き止め、俺が先に入るからちょっと待っててと言って、転移扉を起動して中に入ります。
〈M0K5地球〉
俺が中に入ると清水さんを始め複数のじいさんとおばあさんが並んでいました。俺は本社に入ったことを確認して、近藤達に手招きをして扉をくぐらせる。
彼らは全員地球に戻りましたが、正直言って本社の地下室はスチームパンクと中世を合わせたような見た目をしているので、地球に帰ってきたとは感じられません。
彼ら周囲の状況を確かめようときょろきょろしていると、おじいさんたちの中から一人の若い人が入ってきました。
「やあやあお帰りなさい。苦労したね。でももう大丈夫だよ今君たちの家には後程連絡を入れるからね」
と言っていたこの人はこの会社の代表。つまり株式会社エデンの社長であり、伝説の帰還者の男『園田 理』さんでした。
それにほかのおじいさんたちを見ると全員創設者の幹部の人たちです。




