M5K0 アフロディア 30
魔王は困惑しているようでしたが、下に落ちたナイフはパキーンという音がしてナイフが砕け散りました。やっぱり砕けたかと考えながら特に気にした風もなく次のナイフを取り出して、おどろく魔王に向かって投擲する。
ナイフは先程と同じように分裂し魔王に向かって飛んでいきました。さすがに魔王の対応は早いようで、手に持っている剣で打ち払い、掴み砕き捌きます。ですが魔王に向かわなかったナイフは大理石の壁に跳ね返って魔王の足元に命中して、接着剤のように魔王が地面にくっつき、魔王の背中に命中したナイフは衝撃が飛び、魔王がエビ反りになり正面の残ったナイフが命中してさらに魔王がくの字に折れ曲がりました。
「こんな奴にやられるかぁぁぁぁぁ!こんな、こんなこんな勇者のおまけみたいなやつにぃぃ!」
と激昂し全身に魔王の魔力が迸り、地面の粘着ナイフが炎で燃えて消えました。
魔王は俺を見て、眉間にしわを寄せて青筋を立てて、魔力が噴出して静かに剣を構えていますので、俺も臨戦態勢をとると、魔王はぼやけて消えたかと思うと、俺の後ろに殺気がしました。
俺は咄嗟に後ろを向きながら剣を抜き魔王の剣を受け止めるが止めきれずに吹き飛び、壁にぶつかり壁にひびが入りました。
「コフッ!」
壁からずり落ちますが、その瞬間俺の懐から一本のガラス瓶が割れて出てきて、俺は何事もなかったように立ち上がり、剣を魔王に向けます。
当然吹き飛んだので魔王と俺には距離がありますので、魔王は魔法で攻撃しようとして、魔法陣を構築します。
俺はそれに対して剣を空に振るうと剣先にビームが出てきて、魔王の腕に当たりましたが、魔王は何事もなかったように腕に意識を集中しましたが、当然回復することはありません。なぜならさっき放った剣のビームには巳モードと丑モードの時の技の合わせ技で、傷が回復しない毒が含まれています。
魔王は舌打ちをして俺に向かっていろいろな属性の魔法をかなりの密度で放ってきました。俺は砕けたミスリルの剣を捨てて、走りながらそれナイフを投擲して逃げながら迎撃していく。ナイフは俺が投げた瞬間にいくつもの数に分裂しナイフには冷気が纏わりつき、魔法にぶつかると砕けていきます。
同じようなことを数回繰り返し、俺の見た目では武器がなくなってしまいました。俺は少し笑い懐から剣を取り出しました。
取り出した剣はさっきまでとは違いアダマンタイトやヒヒイロカネなどのいくつもの神話級の魔法金属の合金で作っていますので、一度や二度使ったくらいでは壊れることがない代物で、俺の魔力に耐えられます。
俺がこの武器を使うのは本当に本気で戦う時しか使わず、普段はアイテムボックスの肥やしの一部になっています。
俺はブーツに魔力を込めて、グググと力を籠めて魔王に向かって走り出しました。魔王は突然俺が目の前に来たことに驚き反応が遅れ、俺の攻撃を辛うじて受け止めました。
俺は魔王の武器にめがけて、聖属性の魔力を込めて何度も武器を打ち付け魔王の禍々しい武器を浄化していきます。俺の武器の一撃は子モードの影響で一撃が何発の衝撃になります。それに未モードの力も合わさり劇的に衝撃が強くなり、魔王の剣がついに砕けました。
魔王はその壊れた武器を見つめて少し考えてから、笑い出しましたが、俺絵はその笑い声を無視して、魔王を切り刻みます。
「グファ!や、やるな。勇者の腰巾着よ、俺をここまで追い詰めたことは誉めてやろう。だが、そもそも人間と我々では生命力が違うわぁ!」
と魔王はさっきの比じゃないくらいの魔力が出てきました。そして、魔王の体がbぶブクブクと膨らみ、謁見の間が崩壊しました。
俺は全力で城を脱出して、近くにいた歌君もすでに脱出していたらしく、城の前で見ていました。
「よ!正義お疲れ様♪でこれってどういう状況?」
「とどめをさ刺そうとしたら魔力のせいで膨れ上がった。全くなんでこう魔王という存在は魔力を暴走させたら巨大化するんだろうなあ」
と歌君に簡潔に説明をして軽く愚痴交じりの疑問を溢して、
「歌君行けるか?できればこいつは歌君が相手をしてもらえると助かるんだけど」
「お、おうじゃあ俺がやるよ」
と俺は膨らんだ魔王の相手を歌君にバトンタッチして、俺は周りに被害が被らないように警戒することにしました。そういえば木島君たちは如何したでしょうか。あとで歌君に聞いてみようかな。
〈歌海 綺星〉
俺は正義からバトンタッチして、魔王に向き直ると、かなり隙だらけに見えますが、図体がでかい分攻撃が効きにくいですが、何とかしてみますか。
と俺はまず弓を取り出して矢筒にダイヤモンドの光とモルガナイトの光が纏い、矢を放ちます。魔王の見た目から光属性とか聖属性とかが効きそうだと考えたからです。
矢は光を発しながら魔王の腹の部分に中り、魔王が苦しみだしました。ですが、魔王にダメージはそれほどなく、嫌がっているような様子でした。
魔王城は浮島にあるため魔王の直接攻撃は俺たちには届きません。魔王は辛うじてこ攻撃が届かないとわかる程度の理性はあるらしく数回腕をぶんぶん振った後、頭上に魔法陣を構築して、
「グオアァァアァアァ!」
という咆哮と共に魔法が周囲にばらまかれました。
魔法の威力は物凄く高く、地面がえぐれて爆発します。
俺は魔法が止むまで躱し続け、上に下に時には跳び時にはスライディングし、数分経っても魔法が一向に止む気配がないことに疑問を浮かべていると、
「歌君。そいつは無意識の本能で魔法を使っているから尽きないぞ」
という正義の助言が飛んできました。
俺はそれを聞き、次々に矢を放ち足場を作り、百本くらい放ち、用意ができました。俺は体にグリーンベリルの光を纏わせて、魔王に向かって走り出し、刺さっている矢を踏み跳躍をします。膨らんだ魔王の体積は普通に天を貫くという言葉が合うくらいの大きさです。
俺は、魔王の口に到着して魔力で作った瓶を複数取り出して、魔王の口の中に放り込み、魔王城の前に飛んで逃げる。
しばらく待つと、魔王は魔法が使えなくなっていました。あの瓶に入っているものは俺にもわかりませんが、こ効果は本物です。
しかし俺のこ攻撃は魔王にはあまり効果がありませんし、魔王も俺に対して一撃を加えることができません。完全に膠着状態ですと考えていると、ふと目の前に精霊の気配がしました。俺は精霊の気配に近づくと、小さな芽が生えていました。この魔王城のある土地の付近は不毛の大地で、草木は一本も生えていなくて、まるで、この場所だけ緑色というものが無いような場所です。それなのに芽が生えているのはおかしいです。十もっっていましたが、その疑問はすぐに解決しました。なんと、芽の間から人の顔くらいの大きさのものが生えてきて、凹凸と髪の毛のようなものが生えてきて、顔になりました。
その顔をまじまじと見つめると、グウィネスさんでした。グウィネスさんは芽の間から顔を生やすという奇妙な真似をしながら、
「おう!精霊獣の保護者よ。苦労しているようだな。そんな貴様に聖獣たちから力を貸してやると伝言と力を貸し与えられておる。ほれ、こいつを食え。ああ、これは戦いが終わったら自然に消えてしまうし、精霊獣たちにもいい刺激になるからの。じゃあ達者でな頑張れよ」
と言って、草が枯れて朽ち果てるように消えていきました。
俺はグウィネスから受け取ったものを見ると、それは小さな握り飯でした。俺はなぜ握り飯?と疑問を浮かべますが、今は藁にも縋る思いで、握り飯を食べました。
握り飯が胃に落ちて、胃液できれいに解け体中に巡るような感触がありました。そして、首元に光があふれていましたので、俺はネックレスを見ると原石だったのが、きれいにカットされて装飾もされているネックレスになり、各ほ宝石の中にはそれぞれの動物のシルエットが彫られています。
俺は自然と力の使い方がわかり、確かめるようにネックレスに魔力を流して、手始めにモルガナイトとトパーズに魔力を流して矢と弓に光を纏わせます。光はいつもとは比べ物にならないほど明るく、透明感もある、気品に満ちた光を纏った矢を、魔王に向かって放ちました。
すると、命中した部分が大きくえぐれて、大きな穴が開きました。これならいけると考えた俺は、本格的に攻撃を開始することにしました。
魔王は俺が使った呪いを自己解除したらしく、再び魔法を使おうとして、魔力を練ります。
俺は足を崩そうと両手斧を取り出して、シトリンの光を纏わせ浮遊島に向かって振り下ろすと、なぞの力で浮かんでいた浮遊島がゴゴゴゴゴゴゴという音が響き、浮遊島が深い谷を埋めるように沈み込みました。
魔王の顔が俺の目の前に来たことから谷ががどれだけ深いのかがよくわかります。魔王は腕を振るうと、今度は攻撃がきちんと通ることに喜び、俺を殺そうとしてきます。
俺は腕を躱してよけ続け、刀を取り出して、ダイヤモンドとアクアマリンの光を纏わせると、投信が何倍にも伸びて、太い魔王の腕を一刀両断できるようになったので、魔王の振りかぶりを跳躍して躱して、魔王の腕を半ばで切り取ると、スパッと切れてましたが、切られた腕が霧散して魔王に吸収されてしまいました。
本当に光って何に使えるんでしょうね。




