そして日常へ
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商業ギルドから使者がきた。物凄く立派な装飾のついた羊皮紙を持って・・・
「論功行賞ですね」
立派なマトンチョップのドワーフの商業ギルドのギルドマスターであるトーマスさんがにっこり笑う。
うわ。偉い人が直接店に来ちゃったよ・・・
「確かにお渡ししましたよ?」
物凄い圧を感じる。
指定された日。街の中心部にあるマッカランでのマッカランさまの屋敷にきた。
マッカランさまの屋敷と言うより政務室を切り取った感じの家だった。
「失礼します」
執事らしい人に導かれるように恐る恐る部屋に入る。当然だがマッカランさまが黒檀の机の向こうに座っている。
「よくぞ参られた。ヒローネ嬢」
マッカランさまは凄い笑顔で出迎えてくれる。
「はははい」
取りあえず頭を下げる。
「はっは。この街の救世主殿は謙虚なようだ」
「偶然です・・・」
「髭面男が白状したよ。ヒローネ嬢が予想した通りだったよ・・・隠蔽の腕輪も複数押収した。ジャイアントマッドボアを誘導した手段もだ」
おぉ・・・それはそれは。
「捕虜を生かしてくれたと聞いた。よって一連の事件の論功行賞の一位とした。おめでとう。準男爵」
は?
「まぁ、人頭税の支払い免除ぐらいの恩恵しかないがな」
聞くと冒険者の中にも功あって準男爵の地位を得ている者がいるらしい。
もっとも貴族位と言ってもマッカラン領内だけの名誉職らしいが。
「爵位を表す割り符だ」
そう言ってメダルを渡してくれる。
「マッカラン領は全部で5つあるのだが、どの街でも宿は無料だ」
マッカランさまは思い出したように言う。
宿が無料?それは結構凄いのでは?
「冒険者でもない限り早々街を移動したりせんよ」
マッカランさまは笑う。それもそうか・・・
いや目分は冒険者だぞ?
「それともうひとつ・・・いや、これが本命だが、ヒローネ嬢。私に仕えないか?」
ヘ?
「それは兵士として?」
「家臣として・・・だ」
兵士のもうひとつ上?
「つ、務まるとも思えないのですが・・・」
「全属性に適性のある魔法使いと聞いている」
あ・・・そこは把握してるのね・・・
「というか、そんな規格外の人物を在野にしておく支配層はいないぞ?」
ですよね?
「取りあえず魔法士小隊の隊長・・・辺りで月に金貨10枚。仕事は・・・月1回ここに顔を出す・・・でどうだ?」
いざというとき戦力として抱える・・・というより敵になるなってことかな?
「承ります・・・」
「そうか・・・では早速仕事を頼もう。北の壁を仕上げて欲しい。人が侵入したという事態は深刻だ」
ですよね。
「壁の高さは3メートそなたが住んでいる家の近くの壁と同じ高さ。出来れば兵士が一人は壁の上を歩いて移動出来るように。あと、10メート毎にバリスタが配置出来るようにして欲しい。期限は早ければ早いほど。報酬は・・・まぁこれは後日相談で」
メートはメートルだね。安直かなと思うけど同じなのはありがたい。
「壁の湿地側ですが、この際、空掘りを2メートほど作りませんか?」
私の提案をマッカランさまは考え込む。
「恐らく湿地帯の水が流れ込んで水掘りになるかもしれませが・・・」
「そうか・・・まぁ好きにしたまえ」
よし。言質は取った。
「あと、北の湿地滞を開墾してもよろしいでしょうか?」
「北の?あぁ構わんよ。と言うか開墾出来るのか?」
まぁ、採れる作物はこの辺りじゃないよね・・・
「我が里に米という穀物がありまして、かの湿地帯はその穀物が育成する環境なのです」
マッカランさまは暫し考えていた。
「3年は非課税に・・・以降話し合いで許可しよう」
言質を取ったパート2。
なお、準男爵位を貰ったという噂はあまり広がらなかった。
というのも、準男爵というのが一代限りのもので、人頭税とマッカラン領の宿が免除という特典しかない名誉職。
マッカランを拠点とするA級冒険者ならほとんど持っているらしい。(まぁA級冒険者自体あまりいないが・・・)
まぁ人頭税が免除というのは大きいか・・・
ともあれ、この異世界に確かな足あとを記せたのは確かなことである。
「なろうファンタジーフェス!2026」に参加すんべと始めた毎日投稿。5万字の物語これにて一部完結でございます。
二部は・・・反響次第?




