その49
◇◇◇◇◇◇ その49
「健一さん、あなたのご先祖様は武田信玄なの?」
「いや、明治維新の時に名字が無い百姓だったのを信玄にあやかって武田と名乗ったと聞いているよ。」
「それ、ほんとうなの?。」
「どうしてだい。」
涼子は真剣になっている。
「もし、信玄の末裔だったらあの棺と大きな関係があるはずでしょう。私達の子供の純一だって信玄の血が流れているのよ。ご先祖様は信長や家康の追求を逃れるためにわざと隠したのかもしれないじゃない。それで明治になってようやく本当の名字に戻したんじゃないかしら。」
「それだったら涼子の本家秋山だって信玄ゆかりの名字だぞ。」
「そんな話しは聞いたことがないわ。」
「公式記録にはないけど信玄の娘が飯田の秋山へ嫁いだらしい。このころの女性、武将の娘ともなれば結婚は政略結婚しかなかったから飯田を武田の傘下に納めるために嫁がせたってちっともおかしくはない。身分をわざわざ隠して嫁がせた事だってあるんだぞ。」
「すると私達はそれぞれ先祖が信玄のゆかりということになるわね。」
「ああ。純一はかなり色濃く武田の遺伝子を受け継いだことになる。」
涼子は自分も信玄縁かもしれないと聞いてちょっと意外に思った。
「純一はなにか重要な役割を果たしたのかな。」
「こんな大きな装置じゃ部品にしてはちょっと小さすぎるわね。もしかして、キーじゃないかしら。」
「装置を始動するためのか?。」
「そうよ、きっとキーを使って初めてシステムが起動するようになっているのよ。あのビデオに写っていた光こそシステムがまだ生きている証拠だと思うわ。」
「信玄が風のように速く移動したというのは有名だろう。」
「風林火山ね。」
「きっとシステムを使ったんだよ。」
「物も送れるのかしら。」
「長距離なら信号程度が限度でも地球上なら人間が移動できたに違いない。」
「それで信長が恐れるくらい信じられない速さで神出鬼没の行動ができたのね。」




