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第200話

 13

「ううむ・・・、やはり汝だけは警戒する必要性があったという事よの・・・、せっかく手に入れた円盤が破壊されてしまったわ。

 だが、こんなことをしても、妾たちにはかすり傷ひとつつけられはせんぞ・・・。」

 マイキーとマルニーを先頭に多くの人間たちが、円盤の爆風をものともせずに、ゆっくりと地上へ降り立った。


「マイキー・・・そしてマルニー・・・・、どうして・・・。」

 ハルに続いて自国の魔術者たちの飛行術で地上へ出てきたミンティア王女が、2人の姿を見つけて目に涙を浮かべる。


「魔力は少ないが、視覚や聴覚および嗅覚に秀でた体をしており、更にどちらも知識が豊富じゃ。

 一体は妾のコピーが乗り移り、もう一体は妾のコピーのコピーに乗り移らせた。

 希少な能力なのでな・・・、十分に活用させていただく。」


 アテナクローンが乗り移った、マイキーが不敵な笑みを浮かべる。

『ヒュンッ』『ピカッ・・ガガガガッーンッ』すぐにマイキーたちの頭上から巨大な稲光が降り注いできた。

 しかし、閃光の後には倒れた人影も何も見当たらない。


「無駄だ無駄だ・・・感覚が鋭いから、攻撃に入る前に瞬時に移動可能だわ。」

 マイキーもマルニーも余裕の表情で、先ほどいた場所から十数メートル向こう側で笑みを浮かべている。


「なっ・・・なんで・・・?」

 これには会心の雷撃を放ったはずのミリンダもショックを受ける。


『ガガガガガガッ』すぐにジミーがマシンガンを連射するが、瞬時に目標が消えうせる。


「うーん・・・不意をつこうとしてもすぐに感づかれるし、マルニーさんにはパワードボディスーツがあるから、逃げる速さも超人レベルだし、捉えようもない・・・。」

 せめて一思いに楽にしてやろうと、引き金を引いたつもりのジミーもショックを受ける。


「マイキーたちはもう乗り移られてしまった敵側です、しかも乗り移ったばかりの今はまだ動きがぎこちないはずなのに、あの能力だ。

 真の力を発揮されたらとても敵わなくなってしまうでしょう。


 スターツ王子、ミンティア王女、マイティ親衛隊長、残念でしょうが倒さなければなりません。

 連携攻撃をお願いいたします。」

 仕方なくジミーは、スターツ王子たちに協力を要請する。


「分かりました、せめてマイキーは私とミンティアの手で片付けます。

 ジミーさんはマイティと2人でマルニーをお願いします。」

 スターツ王子は覚悟を決めたのか、ミンティア王女とともにサブマシンガンを構えた。


「ふん・・・妾の体に、触れることもさせぬわ・・・、彼らは先週コピーとして分裂した部隊じゃ。

 1週間も経てば体にもずいぶんと慣れて、魔法も使えるようになっておる。

 やっておしまい!」


 恐らく百人はいるだろう、アテナたちが乗り移ったマイキーたちを守るがごとく前に出てきた人間たちが、ジミーたちに襲い掛かかって来た。

『ガガガがガガガガッ』『ガガガガガガガガガッ』『キンッキンッキンッキンッキンッキンッ』ジミーもスターツもミンティアもマイティも、一斉にマシンガンを発射するが簡単に障壁ではじかれてしまう。


「浄化せよ!!!浄化せよ!!!浄化せよ!!!」

 猛然と襲い掛かってくる人間たちに対し、ハルが唱えながら鬼封じの剣を振り下ろすと、先頭の3人めがけて紅蓮の炎が地を走っていく。


「ぐっ・・・ぐぉー・・・」

 そうして3人が炎に包まれ玉に封じ込められた。


「くっ・・・」

 先頭の3人が一瞬で封じ込められ、勢いよく駆け込んできた者たちの足が止まる。


「モンブランタルトミルフィーユ・・・暴風(サンダ)雷撃(ストーム)!!!」

 一瞬あたりが暗くなり、強い横風とともに雷鳴が鳴り響き、すぐにまばゆいばかりの閃光に包まれ、『ドッガァーンッ』地響きとともに、黒焦げになった人たちが数メートルは吹き飛ぶ。


魔槍(ダークスピア)!!!」

 さらに真っ黒く巨大な槍が何本も天から降り注いできた。


「散会!一つ所に固まるな、狙い撃ちにされてしまう。

 分散して周りを取り囲め!」

 すぐにマイキーに乗り移った、アテナコピーから指示が飛ぶ。


『バリバリバリバリバリッ』『パシュッ』マイキーの国の魔術者たちが渾身の雷撃を発し、閃光とともに稲光が襲い掛かるが、すぐに魔法を無効化して対応されてしまう。

『ガガガガガッ』ハデスたちが乗り移った人たちの注意が魔法に向いた隙をついて、ミンティアがすかさず新型弾の銃弾をマシンガンで打ち込み、敵を焼失させていく。


「連携攻撃なら、効果があるようだわ。

 みんな、標的を絞って集中攻撃をかけていくことにしましょう。」

 すぐにミンティアが周りの魔術者たちに指示を出す。


「おりゃぁー・・・」

 ジミーは戦況が優勢とみると、すぐさま大跳躍をしてマイキーたちのもとへと移動し、『シュタッ・・ガガガガガッ』着地と同時にマシンガンを放った。


『フッ』しかし、着弾した先にはすでに2人の姿は見えない。

『シュタッ』『ガガガガガガガッ』『フッ』ところが、マイキーたちの動きを予測していたかのようにスターツ王子が待ち構えていて、姿を現した途端にマシンガンを発射させ、マイキーたちは陽炎のような残像を残し再度移動する。


『シュタッ』『ガガガガガッ』『キンッ』再び現れた先でも今度はマイティが待ち構えていて、マシンガンを発射したが、障壁に阻まれてしまった。


「うーん・・・、やはり分裂したばかりのコピーでは体に慣れていないから、ちょっと厳しいか・・・。

 以前人間の体を調達したときは、操っていただけだから何体やられても問題はなかったが、せっかく体を手に入れて乗り移ったというのに、封印されたり魂ごと焼き尽くされてはかなわん。


 数さえそろえばいいかと思ったが・・・無理だったか・・・、いくらコピーとはいえ、倒されて数を減らされてしまうのは面白くないからな・・・。

 それに、お前たちのような厄介者は、この機を逃さず全員始末しておいた方がよさそうだ。」


 スターツたちが辺りを見回すと、マイキーたちの後方にはミッテランたちの姿が・・・、いよいよ本体のお出ましのようだ。

 仲間の危機を精神感応で感じて瞬間移動してきたのだろう。


「みっ・・・ミライさんまで・・・。」

 ミッテランと一緒の姿を認めて、ハルが絶句する。


「ふふん・・・、恐竜人は数千年は楽に生きる体を持っているからな・・・、そのうえこの体は運動能力にも長けておると来ている・・・、アテナが悔しがっていたぞ・・・。

 まあ、だからこそ、人間たちの上級の体は、譲ってやるつもりだがな・・・。」


 ミライは不敵な笑みを浮かべながら、軍刀を抜いた。

 鬼封じの剣を携えているハルも、自然と身構える。


「ああっと・・・、ミライさんの剣術はおいらが対処するさ・・・、ハル君はアテナを頼む。」

 するとハルの前に、軍用ナイフを抜いたジミーが現れた。


「以前戦った時はハル君に剣を借りたんだが、今回は無理だね。

 でも、刃渡りの長いナイフを準備していてよかった・・・、またまた敵同士となったわけだ、決着をつけよう。」

 ジミーがミライの前で長めの軍用ナイフを構える。


「助太刀いたします。」

 すぐに軍刀を抜いたスターツとマイティもやってくる。


「お前たちの相手は、わしがしてやる・・・。」

 そこには、一際ごつい体をした巨大な恐竜人が・・・、タイガだ。

 タイガも軍刀を抜き腰を低くして、ミライ同様身構える。



「あなたの相手は・・・あたしがさせてもらうわ・・・、ホーリゥさん。」

 ホーリゥの前にはミリンダが、飛行術で体を浮かせながら立ちはだかった。


「フン・・・ミリンダか・・・、この体の前の持ち主がずいぶんとお前を評価しているようだな。

 だが・・・1年間も封印されていて、まともに歩くこともできぬのだろう?

 そんな半病人が・・・、何をほざくか・・・。」

 元の穏やかな性格のホーリゥには、似つかわしくない乱暴な言葉が発せられる。


「さっさと片付けてやるさ・・・。」

 続いてホーリゥの影からネスリーも現れた。


「幼いころから魔術の秀でた才能を持っているようだが、所詮我らが能力のごく一部を引き継いだにすぎん。

 お前の体を欲しがっている仲間たちは数知れん・・・、なるべく痛ませずに一思いに魂を剥いでやるわ。」


 ネスリーは不敵な笑みを浮かべる。

『ブンッ』『フシュッ』するとネスリーめがけて巨大な光の玉が飛んできて、彼は辛くもよけた。


「お前の相手は、僕がしてやろう。」

 いつの間に来ていたのか、ゴランがネスリーに対峙した。


「ごっ・・・ゴランさん・・・」

 その姿を見て、ミリンダもうれしそうだ。


「ミリンダちゃん・・・、時間がないから暫定的にしかできないけど、体の機能を少しだけ回復させてあげるよ。」

 ゴランはそういうと、ミリンダの両足を軽くなぜた。


「ええっ・・・、た・・・立てるわ・・・。」

 すぐにミリンダは飛行術で体を浮かせることを取りやめ、2本の足をしっかりと踏みしめた。


「国の治癒魔術士たちのおかげで一命はとりとめたけど、重症だったから回復までに1年かかってしまった。

 だけどもう大丈夫・・・。」


(本当はまだ絶対安静で、この戦いも知らせられずに病室に閉じ込められていたけど、周りの騒がしさに気づいて飛んできたんだ。)

 ゴランは心の中でつぶやきながら、元気な笑顔を見せる。



「わが妹マイキーの体を乗っ取るとは許せません、供養のためにもその体は返していただきます。」

 マイキーの前にはミンティア王女と魔術者たちが対する。


「フン・・・たかが人間風情が・・・、マシンガンを持ったところで、不意打ち程度でしか攻撃もできまい。」

 マイキーもマルニーも魔術者たちに周囲を囲まれても余裕の表情だ。


 見ると、更にその周りをハデスが乗り移った人たちに囲まれてしまっている。

『ドッガァーン』周囲を取り囲んだ人たちに、巨大なやりが襲い掛かる。


「あたしも加勢するわ。」

 するとそこへナンバーファイブが加わる。


『ボワッ・・・』さらに周囲のハデスたちに向け、巨大な火の玉が発せられる。

「うーん・・・、姉ちゃんたちの体を傷つけるのを手伝うのは忍びないんだが・・・、周りの奴らは引き付けておいてやる。」

 神田と神尾とナンバーフォーも一緒に戦う様子だ。


 ついにハデスとハルたち、人間側の最後の希望との戦いが幕を切って落とされた。


(ふうむ・・・またもや俺様の創造主たちとの戦いか・・・、まあいいだろう、罰が当たることもあるまい。

 いいか・・・奴はこちらの戦い方は熟知している・・・、恐らく俺様の具体像を構想した中心的存在だろう。


 だから、そのまままっすぐに封印をしようとしても簡単にかわされてしまう可能性が高い。

 だから、少し剣技で追い詰めて逃げ場をなくしてから封印しなければならない。

 できるな?)

 ミッテランに乗り移ったアテナと対峙しているハルの頭の中に、鬼封じの剣がささやいてくる。


「うん・・・・分かった・・・、ジミー先生にいろいろと手ほどきをしてもらっていたから、何とかやってみるよ。」

 ハルもこっくりとうなずく。


「ふん・・・この体は人間にしては少し年を取りすぎているのでためらったのだが・・・、魔法技術といい魔力といい申し分ない素材じゃ・・・、今では満足しておるわ。

 さらに上等な体・・・、お前たちを手に入れて妾のコピーの体として使ってやる。


 碌な力も持たない人間風情が、妾たち相手に臆することもなく戦う姿勢については、評価してやろう。

 だがなあ・・・、汝らがいくら際立った力を持っていたとしても、それはあくまでも人間レベルでしかない。

 しかも、道具がなければまともには戦えんのだろう?


 例えばこの剣・・・、鬼封じの剣と今では呼ばれているようだが、我らが作りし玉封じの剣じゃ・・・。

 地底からの使者を葬るために作り出したものじゃが・・・、この剣自体に意識を封じ込めてある。

 その意識は、妾たちの呼びかけに従うように設定してあるのじゃ。


 よいか玉封じの剣よ・・・数億年の時を経て我らとのきずなも薄れてきておるようじゃの・・・、なによりお主を作りしものたる我らを手にかけるとは嘆かわしい。


 しかも、そんなチンケな人間などに手を貸すなど言語道断・・・、今なら間に合う、お主を作りしものである妾に従え・・・、そうして真に倒すべき相手を自覚せよ・・・。」

 突然アテナがハルの持つ鬼封じの剣に向かって語り掛け始めた。


(う・・・うぉー・・・・・)

 すると突然ハルの持つ鬼封じの剣が、ブルブルと震えだした。


「ええっ・・・どうしちゃったの・・・?大丈夫?」

 アテナの言葉を聞いたハルが焦って剣に語り掛けるが、震えは止まらない



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