表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
前世を思い出した我儘王女は心を入れ替える。人は見た目だけではありませんわよ(おまいう)  作者: 多賀はるみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/13

1


「いいから、さっさと私にその魔法石を渡しなさい」


「でもね、ミリー。ミリーが魔法石を使うのはまだ早いと思うんだ」


「お兄様の分際で、私にさからうの!? それに、あなたなんかに愛称で呼ばれたくないわ」


 わーお。なんだか、めちゃくちゃヤバい女の子がいるなぁ……

 それが私のこの夢を見た、一番の感想。


 何やら女の子と男の子が言い争ってるこの場は、どこかの中庭みたい。


「ごめんね、ミリー……いや、ミリアリア。でも、僕もやっと魔法石で魔法を使うことを習い始めたばかりだから、ミリアリアにはまだ早いんだよ」


「そんなの知らないわよ。それにその魔法石も私に使ってもらったほうが嬉しいと思うわ。そんなに素敵な魔法石なんですもの。ねぇ、貴方がたもそう思うでしょ」


 我儘な女の子もとい、ミリアリアちゃんが背後に引き連れていた女の子たちに同意を求める。


「そ、そうですわね。きっと、ミリアリア様に使っていただいたら光栄だと思います……」

 

 お、この緑色のドレスの子はイエスマンか……


「あ……でも、アガルト様の仰ることも……」


 この黄色のドレスの子は、ダメなことはダメって言える子かな~。


「なによ、私が間違ってるって言いたいの」


「いえ、そういうわけでは……」

 

 あ、黄色のドレスの子折れてしまった……というより、権力に負けた感じ……? この中で一番発言権が強いのって、ミリアリアちゃんなのかな。


「ミリアリア様。恐れながら、魔法石を使えるのは魔力が安定した10才の誕生日を迎えてからという決まりがあります」

 

 え、なにこの褐色イケメンくん。まだ、幼さは見えるけど将来、絶対みんなが振り返るワイルドイケメンになること間違いなしだよ?!


 というか、このお兄様と呼ばれてるアガルトくんも、めっちゃ顔整ってない!? 天から舞い降りた天使様ですか? 褐色イケメンくんとは違った、正統派王子様イケメンになること間違いなしだよ?!


 それに比べて……言っちゃ悪いが、ふわふわピンクのドレスを着たミリアリアちゃん。その、なんていうか……どこもかしこも主張しないお顔立ち。可愛いか可愛くないかと言われたら、ぶっちゃけ可愛いとは言えない。

 後ろにいる他の女の子達も、ミリアリアちゃんよりはまだマシだけど、あまり主張しないお顔立ちね。


「ふん。お兄様といい、エドワルド様といい。その外見でよく私に意見ができますわね」


 あの褐色イケメンくんはエドワルドくんというのね。いや、それは置いといて。おい。そこで何で外見の話しが出てくんのよ。あなた、この中で一番見た目の偏差値が低……ゴニョゴニョ。なのに。


 エドワルドくんはぐっと歯を食いしばる表情で黙ってしまったし、アガルトくんは「うん……その、でも決まりは決まりだし……」と、うつむきながら弱気な発言。


 なんで? なんで、そこでエドワルドくんとアガルトくんは黙っちゃうの? むしろ、そのご尊顔をドヤるとこだよ?!


 アガルトくんがうつむいて、おそらく魔法石と思われる綺麗な空色の石を手でいじっていると、ミリアリアちゃんがさっとその魔法石を取り上げてしまった。


「ミリアリア! 魔法石の扱いを習っていないのに、危険だよ!」


「うるさいわね、こんなの簡単よ。【(ウィンド)】」


 ミリアリアちゃんが魔法石を握って、言葉を唱えると凄い勢いで風が吹いた。


「いけません!!」


 お、今まで気づかなかったけど、ローブを着た大人が慌て始めた。

 勢いよく吹いた風は、スパンスパンと廻りの木や花を切っていく。かまいたちのようだ。しかも、威力強っ。


「ほらね、簡単…… キャーーーーーー」


 風は方向転換してミリアリアちゃんに向かっていく。危ないっ。

 ちっと舌打ちが聞こえたかと思ったら、エドワルドくんがミリアリアちゃんの腕を引っ張り、アガルトくんと一緒にミリアリアちゃんに覆いかぶさる。


「【消えろ(ディサピア)】」


 ローブの大人が慌てて手をかざして唱えると、風はぱっと消えてなくなったが、それでもエドワルドくんとアガルトくんの体や衣服は切り傷だらけになって、血も見える。


 ちょっとちょっと、ミリアリアちゃーん。ほんとに何がしたかったの? マジ迷惑。二人に怪我を負わせてさー。あのご尊顔に消えない傷でもついたら、どうしてくれるの?この世界の損失だよ? あ、でもエドワルドくんなら傷跡が残っていても、よりワイルドさが増したかもしれない。


 周りの人達が大丈夫か、とか、大変だわ、とか、言いながら3人の下へ駆け寄る。幸い二人がかばってくれたおかげで、ミリアリアちゃんに怪我はなく、エドワルドくんとアガルトくんは、血は出ているが大きな怪我ではないみたい。傷は腕や背中だけで、顔にはなかった。そんなミリアリアちゃんは驚いたせいか気を失っている。と、同時に私の意識もそこでプツンと切れてしまった。




 なんか夢を見ていた気がする……


 エドワルドくんとアガルトくんは、その後怪我はちゃんと治ったのだろうか……


 まじ、ミリアリアちゃん、意味不明。あんな我儘でどうしようもない子いる? 性格だって悪いに決まってる。

 あれじゃあ、友達できないよ?

 ん? 緑色のドレスと黄色のドレスを着た子は友達だったのかな? なら、一応は友達はいるのかな。でも、あのままじゃきっと、離れていくぞあの二人。むしろ、既に嫌われてたりして。このままいくと、周りに誰もいなくなっちゃうんじゃないかなぁ。




 いいえ、そんなことないわ。だって私は王女だし、みんなからは可愛い可愛いと言われてるんですもの。

 嫌われるはずがありませんわ。




 ん??

 なんだ、この違和感…… 





 あのミリアリアって……





 もしかして、もしかしなくても……





「私じゃーーーーーーーん!」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ