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Catastrophe  作者: 架幸
-Nocturne-
8/20

-Lyuk Side

数分後、ヘルゼが戻ってきた。

傍には綺麗なグラデーションのボサボサ髪の男…

燈煉がいた。

鋭い目付き、頭には折れた角、そして口元のボディペイント。

その下には醜い傷跡が伺える。

元々こいつは過激派の一味だった。

荒れ果てて捨てられていたところを保護したのだ。

燈煉は獣のような唸り声を上げて辺りを見回す。


「ほら、そとにだしたよ」

「……」


燈煉は一切話さない。

ここに来てから心を閉ざしてしまっていた。

今に至るまでを話すと長くなる。

そして正体のことも色々と複雑だ。

特にオレが…

燈煉はよく暴れる為、普段は牢獄に軟禁している。

時々出してやらないとキレて牢屋を破壊する。

今までで脱獄者は燈煉だけだ。

怒りが爆発すると、魔力を封じる牢屋の効力を消し

てしまうらしい。

こいつは怒らせてはいけない奴だ。

オレは燈煉の気持ちが分かる。

当時のオレを見ているようで。

燈煉は不機嫌そうにそっぽを向く。

その視線の先には、お皿を持った愛世がいた。

ヘルゼの治癒のお陰で、すっかり元気になってい

る。

隣には薔薇を着飾った少年が立っている。


「皆〜華紅薇がお菓子持ってきたーっ」

「今日はブラウニーですよ」

「流石かぐらん〜!」


華紅薇は城の隣にある、薔薇園の精霊だ。

そこでお菓子を作ったり、お茶会を開いたりして

いる。

ここにもよくお菓子を持ってくるのだ。


「お、美味そうだな。燈煉も食うか?」

「……」


燈煉の目がどことなく輝いたように見えた。

今回は調子がいいみたいで良かった。

お菓子を求めて皆が集まってくる。


「わほー!美味そうッスね!!」

「ぷゃあ〜おいちちょー!!」

「おちゃもあるよ〜」


机にお菓子が置かれ、お茶会のような雰囲気にな

る。

ソファに持たれかかりつつ、ブラウニーを摘む。

うん、美味ぇ。

流石…華紅薇の作る菓子は最高だ。

心が温かくなる。

悪魔は温度を感じないが、心で感じる。

皆笑顔で、温かい。


「やっぱ美味ぇな…」

「リュークんだけ2個ずるーい」

「良いだろ…美味いし…止まんねぇ」

「ふふ…嬉しいです。まだあるので持ってきますね」

「流石かぐらん〜!」


響き渡る明るい、朗らかな笑い声。

悪魔でもそんな日常がここにある。

今は何も考えずに堪能しようか。

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