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Catastrophe  作者: 架幸
-Nocturne-
7/20

-Lyuk Side

ロビーで寛いでいると、トゥルが肩に乗ってきた。


「にゃにゃー!」

「ん?なんだ…」

「ぱぱーっ」


オレはお前のパパじゃねぇ。

トゥルはオレの周りをクルクルと回転し、そのま

まヘルゼの元へ飛んで行った。

ヘルゼはトゥルを抱きしめて撫でている。

その近くにメタファーがいるらしく、なにか動い

ている。

何してるんだ…

思わず笑ってしまう。

他の悪魔達がちらほらと帰ってくる。

自分の部屋へと向かい、エレベーターに吸い込ま

れていく。

なんだか不思議と一日の終わりを感じる。

魔界はずっと夜で、時の流れの感覚がない。

その為、悪魔達は自由気ままに生きている。

魔界を彷徨っていたり、異世界をふらふらしたり。

大体は城の中で引き篭っている奴が多い。

個室はホテルの部屋のように、家具や生活用品が

揃っていて快適だ。

遊び部屋やゲーム室、バー等もあり、いつも賑わ

っている。

ロビーでモニターの仕事をするのはオレと愛世、

ヘルゼくらいか。

他の悪魔達とはあまり関わることは無い。

モニターの管理は、数少ない穏健派に任せること

にしている。

過激派に任せるとさっきのように暴走を起こしか

ねないからだ。

穏健派は穏やかな奴らが多い。

悪魔らしくない奴ら。

そんな連中がなんか良い。

悪魔達のらしくない姿を見るのが好きだ。

たわいのない馬鹿な話をする姿、仕事を終えて個

室に向かう姿。

生活感があるというか…

なんか…平和だな。

こういう雰囲気がずっと続いたらいいのに…

なんだか体が重い。

特に何もしてないけどな。

時計があるわけないが、少し時間が気になる。

愛世が遅い。

心配だな…

まぁ愛世はあいつに…負けはしねぇ…

あいつ…過激派を率いるクズの奴。

悲劇の神、パンドラ。

オレを魔王に仕立てあげた…張本人だ。

魔界を創った張本人でもある…元魔王。

見た目は幼い少女だが、その中身は狂気に満ち溢

れている。

あの笑顔を見る度…全てを見透かされている様に

感じる。

あいつは全部知っている。

オレのことを…オレの過去を…

全部知っている。

厄介だ。


「ふぅ……」

「リュークん…だいじょうぶ…?」

「あ…あぁ…」

「あんまりかんがえすぎちゃだめだよ。リューク

んのわるいくせ」

「そうだな…」


オレは昔から塞ぎ込む癖がある。

全部抱え込む…悪い癖だ。


「ただいま〜…」

「おかえりあいせ…!?」

「結構…やられちゃった…でも勝ったよ…」


愛世が帰ってきた。

その姿はボロボロで、所々傷が目立っている。

ふらふらとオレに近づく。

そして倒れ込んでしまった。

と、身体中に痛みが走った。

突然のことで、思わずふらつく。


「くぅっ…」

「あ…リュークん…そうだ…ごめん…」


忘れていた。

愛世とオレは感覚が繋がっているのだ。

近くにいる程その共有が強くなる。

さっきから体の調子が悪かったのはそのせいか…

痛みに鈍感な為に気付かなかった。


「はやくてあてしなきゃ…」

「よろしく…」

「クズの奴はどうなった?」

「とりあえず牢獄に緊急送還しといたよ」

「よくやったな…しばらく監禁させとけ…」


この地下には、荒れた悪魔を閉じ込める牢獄があ

る。

そこに入れられると魔力を封じ込まれ、出ること

は不可能。

クズの奴は力こそあるが、忍耐弱い為にそこが弱

点だ。

ずっと閉じ込めておきたいが、反乱を招くわけに

も行かない。

あいつには他にツレがいる。

そいつらも抑えなければ…


バチンッ


「ウァアァッッ」

「!?」


大きな音が響き、叫び声が上がった。


「あぁまた燈煉か…」

「こんどはどうしたかなぁ」


ヘルゼが牢獄のある地下室に降りていく。

オレは頭を抱えてため息をつく。

苦悩はこれだけじゃすまない。

厄介な奴は過激派以外にも…まだいたんだった。

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