表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
頑固な私と誠実な貴方  作者: 白石 玲
10/14

27歳と29歳のデート おまけの後日譚

   27歳と29歳のデート ―――おまけの後日譚―――


「ゆっくりでいいよ」


 今日は田部井さんからもらったチケットで結衣ちゃんとミュージカルデート。

「ううん、もう支度できてるから」

 なんて言いながら、玄関で靴を履くのだけで転びそうになる結衣ちゃんを抱きかかえる。

「結衣ちゃん、もうちょっと低いヒールないの?」

「ない。前の彼氏と別れたときに全部捨てたから」

 この潔さも大好きだよ。あ、でも、潔く俺を振るのはもうだめだからね。

「じゃあ、今日の帰りに買い物に行こう」

 13センチのヒールを履いてしゃっきりと背筋を伸ばした結衣ちゃんはとっても凛々しくて最高にきれいだ。

「行ってもいいけど、13センチのヒールの新しいの買うわよ?」

「え?それじゃあ意味ないじゃん」

「13センチのヒールじゃないと意味ないの」

 駅まで手を繋いで歩く。開演には十分間に合う時間だけど、結衣ちゃんは心配らしく早足になる。

「小さくても可愛いよ」

 電車を持ってる間に結衣ちゃんを抱きしめようとしたけど、するりとよけられた。

「そんな感想求めてない」

「冷たいなぁ」

 いつもこんな感じだからと諦めつつ苦笑すると、結衣ちゃんが何かに気づいたようにはっとして、俺をきゅっと抱きしめた。

「ゆ、結衣ちゃんっ?」

 突然の行動に俺は動揺しまくった。が、結衣ちゃんはすぐに俺から離れた。

「彰、私はちょっと彰に厳しすぎる?」

「そんなことないよ。結衣ちゃんは優しくていいこだよ」

「・・・私、彰を叱ったりしないわよ?」

「結衣ちゃんになら叱られてもいいよ」

「馬鹿!」

 早速叱られたけど、ま、いっか。


 ミュージカル会場の駅につくと、俺と結衣ちゃんは見慣れた後姿を見つけて声をかけた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ