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さよならするのは辛いけど

おじいさんのありがた~い おはなし。

場内が暗くなると、会場を式神たちが走り回り、飛び回る。

スモークがたかれ、七色のライトがが、場内を照らす。

キーンと、博雅の玄象ギターが、うなりをあげる。

式神たちの激しいビートと、重低音のベースが響く。


ぱっと、舞台が明るくなる。

そこには、小式部内侍ー!!!



冷たい大人たちの視線

囁く、うるせー言葉

なめんなよ なめんなよ なめんなよ

おやじの胸倉 つかんで言ってやるのさ


大江山(おおえやま!)生野の道の遠ければああ(おう!)

まだふみもみず(いぇい!)天橋立ぇ(いぇい!)

大江山(おおえやま!)生野の道の遠ければああ(おう!)

まだふみもみず(いぇい!) 天橋立ぇええ!

これでおやじも いちころさ。


「盛り上がっていくぞー、」

「おーっ」

場内はオールスタンディング状態。



みんながママを知ってるからって

私の何を知ってるの

なめんなよ なめんなよ なめんなよ

ばばあの袖口 つかんで言ってやるのさ


大江山(おおえやま!)生野の道の遠ければああ(おう!)

まだふみもみず(いぇい!)天橋立ぇ(いぇい!)

大江山(おおえやま!)生野の道の遠ければああ(おう!)

まだふみもみず(いぇい!) 天橋立ぇええ!

これでばばあも いちころさ。


小式部のシャウトと、博雅の神業ギタープレー。

ミスターコブーも飛び跳ねている。公任じいさんも跳ねてる。


「ありがとー、来月のライヴも よろしく!」

それに合わせて、式神ライトがすーっと消えた。

「ないし!、ないし!、ないし!」

場内は興奮状態が続いているようだ。



「晴明さん、ありがと」

「ああ。気づきましたか。」

「道満、動きが変だった。」

「まあ、道満の式神、全部消しましたからね。」 



「さあ、もうこれは結果がでましたか?」

「今回の優勝は、『小式部and博雅』!」

場内に大歓声があがる。




場内が暗くなる。スポットライトに中央が照らされる。

ドラムの音が響き渡る。

「おいらは、ドラマー……。」

突然、酒呑童子の声が入る。

「次、いってみよう!」


「ばばんば、ばんばんばん♪」

あの、国民的温泉ソングが……。

場内は、一気にヒートアップ。みんなが踊り出す。


「それでは、また来週~!」

って、「おにふたーず」のメンバーが、一人増えてる。



「温泉って、言われたからつい。」

「貞、何やってるんだ。突然駆け出して」

「貞兄、踊ってる場合じゃないですよ。」

「頭、ここに鬼がいますぜ」

「切るよ、切るよ、切っていいですよね。」

やっと、ここに頼光と、四天王がやってきた。


「『四天王』って、ユニット?」

「遅刻ですよ、もうフィナーレです。」

「って、あいつ、おれの手を切った つなさんど」

「綱だ!もう一本も切るぞ!」

ということで、頼光と、四天王は、鬼たちに切りかかった。


「頼光殿、ここには一般人もいますから」

「おお、保昌殿も来ておったのか。鬼退治じゃ。」

「いや、だから、事件とは関係ないって」

「『酒呑童子』はどいつだ。鬼退治じゃ。」

場内は、5人の乱入で、騒然となった。


「関白殿、お止めください。」

「紫は、どこじゃ。無事か?」

「だから、頼光殿を止められるのは関白殿だけですぞ。」

「むらさき~。」

保昌の説得も、関白殿は聞いていない。


そのとき、博雅が

「保昌殿、あれです。」

「あれ? ……あっ!」

保昌は、心を澄まして「葉二」を吹きはじめた。

「葉二」の響きは、深く心にしみわたり、この場にいるものの荒れた心を鎮め、武器を持っているものの動きを止めてしまった。


「ん?頼光よ。刀をおさめよ。」

関白殿も落ち着いて、頼光に声をかけた。

頼光と四天王、そして鬼たちは、戦いをやめた。


保昌が報告する。

「関白殿、紫式部殿以外の帰ってこなくなった娘は『ほすとくらぶ』が原因です。」

「うむ、それで」

「『ほすとくらぶ』は、娘の小式部と、晴明殿が、破壊しました。」

「破壊?」

「ええ、式神で、どかーんと」

「完全に?」

「ええ、跡形もありません。これで娘たちは都に帰れます。」

「それは褒美を出さねばのう。あとは紫が帰れば…解決じゃな。」


「でも、鬼退治は必要ですぞ。人の血を酒にして飲んでるんですから」

頼光が、くってかかる。

「血?そんなもん俺たち飲まねえぞ。」

「血を飲むのは、吸血鬼っていう別の鬼だよ。」

「じゃあ、その赤いのは何なんだ?これは血だろ?」

「赤ワインって知らないの?この山でとれるぶどうで作るんだぞ。」

「ぶどう?」

「ああ。なかなかいいぶどうじゃ。飲んでみなされ。」


頼光は、おそるおそる飲んでみた。

「うまい!なんだこのフルーティな味わいと香りは」

しばらく、頼光はぼーっとしていた。


「で、わたくし都に帰るにあたって、一つ条件があるんですけど」

紫式部が、関白殿のところにやってきた。

「おう、紫や、何が望みかな。」

「いや、この会場何ですか。せっかくのライブハウスを壊しておいて、これではわたしたちの後輩アイドルが育ちませんよ。」

小式部も口を出す。

「せっかくのいいはこだったのにライヴできなくなるじゃない。なおしてね。」

「そうじゃのう。修理させないとなぁ。」

小式部は、さらに追い打ちをかけるように

「まあ、壊したのは、頼光さんたちだから、働いてくれるでしょうし……。」


それまで、ぼーっとしていた頼光は、周りの視線に気がついて

「え? おれが? おれ、おれ……。」



 どこからか軽快なサンバのリズムが流れはじめた。

 そして、金ぴかの衣装を着て、白い馬にのった男が現れて、歌いはじめた。

 そして……。



 この場にいた人たちも鬼たちも みんな一緒に踊りはじめた。

 気づいたら、大江山にいた人も鬼もみんなが踊っている。

 頼光も四天王も、楽しそうに踊っている。

 元こぶとりじいさんこと、ミスターコブーは、いつのまにか先頭に立って踊っていた。


 最後まで歌い終わると、将軍様は満足そうに帰っていった。



「これじゃの。みんな仲良く、楽しくじゃな。」

関白どのは、満足そうにうなずいたそうな。


めでたし、めでたし。




【ごきょうくん】

おじいさんとの約束だよ。

踊るあほうに、見るあほう。

同じあほなら、躍らにゃ損損じゃ。

また来章


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