解説
おじいさんのありがた~い おはなし。
第3章解説
・大江山、酒吞童子の伝説をベースにしています。
大江山は丹波の国にあって。京から進むと大江山を越えて、丹後の国に入ります。
「酒呑童子」は、山城の国と丹波の国の大枝にすんでいたとの伝説もあり、本話ではいいようにあいまいにすることで、話を作っています。
・「こぶとりじいさん」今回の表題ですが、こぶとりなじいさんが、鬼の前で踊って、こぶをとられる話を、だんすで痩せる設定にしたところから、この創作のきっかけです。
1 おおえやま
・酒呑童子
「酒呑童子」をひらがなにして、「しゅてんどう寺」と、わざと変えています。
赤ワインは、酒呑童子が血の酒を飲んでいたという伝説を仕込んでいます
また、「酒呑童子」は「酒呑み」とよみますので、酒飲み設定です。
リーダーですから、あの人のイメージです。
・鬼たち
誰が誰とは特定しづらいですが、「おにふたーず」ドリフですね。
・温泉ぽい曲
もちろんあの温泉ソングです。今回は温泉もふっくですね。
2 保昌一家
・関白殿(藤原道長)
藤原道長は実際には関白になったことはありませんが、「御堂関白」と呼ばれるためこの呼称にしました。
・安倍晴明
占いを行ったのは、原作準拠です。ただし、史実では、晴明と小式部内侍には接点はありません。
・源頼光
「酒呑童子」のお話の主役。摂津源氏の祖。道長の側近「童子切」という刀を使うが、今回は矛盾するので、採用していません。
・藤原保昌
道長の側近で道長四天王の一人。頼光とともに、鬼退治を命じられているが、「酒呑童子」伝説では頼光の脇役になっている。「保昌と袴垂」という説話があり、笛の音色と、その堂々とした態度に盗賊の袴垂が心服した話から転用。また、和泉式部の再婚相手であり、その際にあった「花盗人」の話も有名、小式部内侍の歌会のときは、妻の和泉式部と任国の丹後にいた。
・和泉式部
「和泉式部日記」の作者であり、小式部内侍の母。道長の娘である中宮彰子に仕える。
恋多き女性として有名で、小式部内侍は初婚の相手との娘。保昌とは、道長の紹介で再婚。
・小式部内侍
和泉式部の最初の夫との間の娘、ずっと母と一緒だったが、保昌と結婚した母が、丹後の国に行ったところで、起こったのが、「大江山~」と詠んだ歌会事件で、このとき、和歌の代作を疑った藤原定頼を撃退した。まだ10代前半だったと思われる。若くして天才の名が高く、20代の半ばで夭逝した。それを嘆いた母の哀歌も有名。平安時代編のヒロイン。
・あさぼらけおじさん(藤原定頼)
上記の事件の当事者。詠みかけられた歌を返さず、逃げたことで世間の評価を下げ、父の大歌人、藤原公任を大いに嘆かせる(父の評価を変えさせた話も残る)。百人一首にある「あさぼらけ宇治の川霧絶え絶えに~」の歌から、「あさぼらけおじさん」。
・鼻ますくの男
某有名ユーチューバーがモデル。まあセリフで誰かわかると思います。再登場です。
大久保公園あたりの立ちんぼ女子をベースにしています。
3 頼光四天王
〇頼光四天王
・渡辺綱
四天王筆頭で、「髭切りの太刀」で茨木童子の腕を切り落とした、伝説がある。
戦闘バカ設定。まあ一番の武闘派。
・坂田金時(金太郎)
頼光四天王 熊と相撲を取った伝説から、熊メインのケモナー設定。
・碓井貞光(貞さん)
頼光四天王 関東を旅し、金太郎を足柄山でスカウトした人物。またお経を読んで、温泉を見つけた伝説があり、兄貴分、温泉マニアと今回一番使えた人物。
・卜部季武
頼光四天王 弓の名人。夜中に川を渡っている途中で、赤子を渡される伝説がある。
・天王寺
大阪にある天王寺動物園のことです。実際に白熊の飼育がおこなわれています。
・四天王寺
大阪にある聖徳太子が創建したといわれる歴史ある寺。線香が有名。
・小野小町温泉
大江山にある温泉。京丹後市大宮町に平成7年に、小野小町に縁の深い地ということで「小野小町温泉」と名付けられた温泉。当然当時は存在しません。
・ふうきの湯
湯布院温泉に「ふうき(冨季)の里(舎)」という名のついた旅館がある。もちろん季武は「富貴」と混同している。
4 安倍晴明宅
・晴明の家
入口の門や、小僧は説話通り。
・式神
晴明が使役した十二神将のこと。
・博雅三位(源博雅)
笛をはじめ、筝、篳篥、琵琶、和琴、大篳篥など様々な楽器をこなす、平安時代のスーパーミュージシャン。鬼と笛を交換した話(葉二)、逢坂山の蝉丸から琵琶の神曲を教わった話、羅城門から琵琶の名器(玄象)を探し出した話など、多くの説話が残る。晴明、博雅、小式部に接点はない。特に晴明、博雅は某有名小説での創作。
・たんごでおどっている
小式部内侍が「大江山~」の歌を詠んだ歌会の時、保昌と和泉式部は、保昌の任国の丹後にいた。もちろん「タンゴ」とかけています。
5 博雅三位、吠える
・蝉丸とのセッション
逢坂山の蝉丸(百人一首の『知るも知らぬも逢坂の関』の人)から琵琶の神曲を教わった説話があります。
・朱雀門の鬼
朱雀門付近で、笛を吹き合い、交換したという説話があります。そのとき手に入れたものが、葉二
・玄象ギター
博雅が羅城門付近を探して、発見した琵琶の名器「玄象」の転用。
この話も説話にあります。
・ぶーというウクレレの達人
もちろん、ドリフがモデルですから。本編中では名前しか出ませんがw
・嵐を呼ぶ、やくざなドラマー、ボス、ほえる、しょうじやぶり、ブランデーグラス
これだけ書けば、誰のことかわかりますよね。
ちなみに障子は破ってません。デビュー作です。
・かおのおおきな じめんをたたく ドラマー
まあ、クレジーなあの人です。今でもYotubeで見ることができますが、見事ですね。
事務所的に同じなので、出してみました。
6 GENJI
・「GENJI」バンタナ、ローラースケート
まあ、バブルとともにいなくなった、あの人たちですよね。あまりいい設定ではありませんので、誰が誰と特定はしていません。名前も「バンタナ組」としています。
・髪の毛2色、ひかる
まあ、あのカタカナのユーチューバーですかね。
・光源氏
もちろん、源氏物語の主人公だが、あのグループとユーチューバーとおもいきりMIX
・六条さん(六条御息所)
源氏物語の登場人物 夕顔を呪い殺したり、前半の悪役ですね。
・葵
源氏の最初の妻、自身が年上だったのと、源氏がマザコンだったため、不遇なうえ、六条さんにもたたられたかわいそうな人
・きつねの子、葛葉
葛葉は晴明の母という伝説ですが、創作上では狐耳の美少女という設定が多く、今回はこちらを使いました。
・甘茶
信濃産が有名
・あぶらげ
狐、あぶらあげ好きというところから。栃尾では「あぶらげ」という厚手のもの。
・シャンパンタワー
大体相場は50万~100万、段数で値段が変わるということです。ちなみにネット上では、総額1億円というものが紹介されていました。まあ10万単位ですから、売上一発逆転ですね。
・コサックダンス
ロシアの踊り。Yotubeででも見てください。ローラースケートはいては無理です。あの曲調が、どうしてもロシア民謡に聞こえるんですよ。
・十二神将
晴明が使役する式神たち、とりあえず超強力。
7 小町の湯
・小野川温泉
小野小町が入ったといわれる米沢にある歴史ある温泉。「おののこまちの湯」
・足柄山
金太郎伝説のあるところですよね。ここで金時をスカウトしたのが碓井貞光。
8 普通の女の子
・ミスターフルムーン(藤原道長)
紫式部に懸想している設定は、大河ドラマなどの創作で、史実の道長が紫式部に手紙を送ったことの拡大解釈です。「フルムーン」は満月の和歌の引用です。
・蘆屋道満
何度も晴明に勝負を挑んだ陰陽師。術に敗れ、式神を隠されて晴明の門下に入る。
後段の式神を隠された話は、説話にあります。
・ミスターきんとー(藤原公任)
この時代の和歌、漢籍の第一人者。実はあさぼらけおじさん定頼の実父。
・茨木童子
渡辺綱に「髭切りの太刀」で切り落とされた話をベースにしています。
まあ、ドリフのドラマーですからあの人ですね。
・五人囃子
もっている楽器は正しいものです。
・三人官女
中央は、結婚しているおはぐろの女性、左右は未婚という設定です。
ひな人形にモデルはありませんが、某人形メーカーではこの構成だったようです。
・紫式部
言わずと知れた「源氏物語」の作者、紫式部日記の中で、清少納言に対してかなりの悪口を行ってます。某大河ドラマのような道長とのロマンスはありません。娘は百人一首にも選ばれている大弐少位。
・清少納言
これまた有名な「枕草子」の作者。一条天皇を巡る二人の中宮のそれぞれに仕えていたため、対立構造で描かれることがありますが、時代的にずれがあります。清少納言の父は、清原元輔という勅撰集の選者にもなった歌人。実際コンプレックスだったらしい。
・ふつうの女の子にもどります。
これはキャンディーズ解散時の言葉。親衛隊はもこの件に準拠
ファンのコールは、最近の坂道、AKBグループに準拠しています。
9 さよならするのは辛いけど
・保昌の笛
これは「保昌と袴垂」で、笛を吹いている保昌を袴垂が襲えなくなったことと、清澄な音色で悪心が改まる多くの説話からの引用。
第3章の長い解説