ラミネとケレリスの活躍の話し
食事に向かっていた俺達はヒラネスと会ってそれを中止にした。
ホチネが帰ってケレリスに聞く事が出来たと言い出した為である。
ホチネはゆっくり話しながら来た道を全力で走って走って宿に急いだ。
俺は魔法の靴に魔力を込めて全力で追い掛ける。
『そんなに急ぐ用事?』
俺はホチネの後を走りながらそんな事を考えていた。
宿に着いて二階の部屋へ駆け上がると共用スペースにケレリスがいないので直ぐに彼女の個室の前に行き扉をノックする。
「ケレリス!ケレリス起きてる!
話しあるからここ開けて!
ケレリス!ケレリス!
聞きたい事あるから!
ケレリス!」
ホチネは何度も扉をノックする。
「教授ならいませんよ。
急に飛び出して行きました」
ツラナが部屋から顔を出して教えてくれた。
「どこ行ったの?
ケレリスどこ行ったの!」
ホチネはツラナの肩をつかんでそう聞いた。
「分かりません。凄く急いでいたみたいで何も言わずに出掛けました。
ホチネさん、痛いです、肩」
「あぁ、ごめん。そぅ出掛けたの」
ホチネはツラナの肩から手を離して椅子に座った。
「急にどうした?
さっきのエルフに関係あるのか?」
俺は少し落ち着いたホチネの横に座って背中を擦った。
「名前、さっきのエルフの名前がラミネに魔力の使い方を教えてもらいに来たエルフと同じ名前なのよ」
「同じ名前?ヒラネスが?」
「そう、ヒラネス、ラミネが冒険者を辞める切っ掛けを作ったエルフの名前」
「たまたま同じ名前とか無い?」
「それは無いです。エルフの名前は本当はもっと長いモノです。
それをこちらの国の名前に聞こえるように省略して名乗っています。
ただこの省略された名前はエルフの森から出る為用でそれが同じ時代に複数付けない決まりがあるそうです」
ツラナが俺達の話しを聞きそう教えてくれた。
「それじゃやっぱり同じエルフって事だね。
今度のフゥとエルフ達の話し合い、あたしも出るから絶対!」
そう言うとホチネは自分の部屋に隠ってしまった。
「エルフの森から新しい人が来たのですか。
きっとそれで教授は出掛けたのですね」
「ケレリスも知り合いなんだろうなそのエルフと。
ツラナはラミネの事は知ってるの?」
「ええ直接お会いした事は無いですが昔母とパーティーを組んでいた方ですよね?」
「ツラナのお母さんとパーティーメンバーだったの?」
「そう聞いています。竜人のラミネさんですよね。
母とラミネさんとケレリス教授のパーティーは三日月国の魔物ベルトに存在したヌシと呼ばれていた魔物を倒して英雄パーティーと呼ばれた有名人達です」
「そうなの?ホチネの言ってた英雄ってそのパーティーの事なの?」
「そうですね。
その後、母が妊娠してパーティーは解散してしまいましたがラミネさんは冒険者を続けてどこのパーティーでも英雄と言われる活躍を続けたと聞いていますよ」
「ツラナのお母さんの事は分かったけど。
ケレリスは?何でパーティーを抜けたの?」
「そのパーティーは臨時に組まれたパーティーだったのです。
ずっと大人しかったヌシが急に凶暴化してしまい、その為に冒険者達が集められて討伐作戦があって一度失敗したのです。
その最初の討伐に失敗した冒険者の一人の母がその当時水の聖域から修行に出て来て槍と水魔法で冒険者の町で活躍し始めたラミネさんと研究所の町で生物の研究をしていて冒険者の資格を持つエルフのケレリス教授『その時は研究員でしたが』を誘って作られたパーティーなのです。
三人は臨時とは思えない連携でヌシの魔物と戦い倒したそうです。
その後もそのまましばらく一緒に依頼を受けていたそうですがケレリス教授と同じ研究員仲間の父と出会って母が結婚して妊娠して冒険者を辞める事になりケレリス教授もそれならと本来の研究に戻る事になったのです。
元々エルフと竜人が同じパーティーにいる事で回りからはあまり良くは思われていなかったみたいで母が抜けるとエルフと竜人の二人になっては居場所も無かったそうです」
「そんな事があったんだ。
でもエルフと竜人のパーティーだと何でダメなの?」
「エルフと竜人は寿命が違い長く生きる事で他の種族の冒険者達からは昔から特別扱いや腫れ物扱いをされて来ていたからですね。
ほとんどの冒険者は歳を取って引退して行くのにエルフと竜人はずっと活躍し続ける。
嫉妬があるのですよ」
「そうか、そうだよね。
確かに自分達は衰えて行くのにいつまでも活躍していて羨ましく思うのも分かるわ」
『俺も回りに置いて行かれると思うと嫉妬したりしたな』
ツラナにラミネとケレリスの昔話しを聞いているとゴキムロンがどこからか帰って来た。
「お帰り。今日はどこまで行って来たの?」
「今日は西にあるドワーフ料理の店まで行ったよ!
ドワーフ料理は味が濃いめでお酒が進んで良かったよ!
お酒は良いよ!食べ物も良いよ!
ドワーフ料理最高よ!
……………眠いよ」
ゴキムロンはそう言うとホチネの買って来たフカフカの椅子で寝てしまった。
「これ、マズくない?」
俺とツラナはそんなゴキムロンを眺めていた。
その時、不機嫌を体に纏ったようなケレリスが帰って来た。




