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ギルドランクアップ?


 「へー、そうなんだ」


 ホチネから魔法の靴の正しい使い方を教えてもらい、実際に試してみる。


 俺は魔力を込めて浮き上がるとバランスを取るのに足に力を入れる。

 俺の足はプルプル震えてなかなか真っ直ぐに立てない。


 「難しいよ?」


 前に進む処では無く立っているのもやっとだ。


 「わー!凄い!これは移動に便利ですね!

 走るより全然速いし疲れない!」


 ツラナはスイスイ靴を乗り熟して楽しそうに木々の間をジグザグと飛び回っていた。


 『嘘でしょ!ツラナって意外と運動神経良かったんだ。

 俺はまだまだ練習が必要だ!』


 俺は短槍を杖のように使いなんとか浮いてバランスを取っているのが精一杯で飛び回るなんて出来そうに無い。


 「ハハハハハ」


 後ろでホチネの笑い声が聞こえる。


 『また俺の事笑ってるな!』


 俺は後ろをゆっくりとバランスを崩さないように振り返った。


 そこではツラナとホチネが空中で追いかけっこをして遊んでいた。


 『なんか楽しそうだな?』


 俺は二人の追いかけっこを見ているとホチネが近寄って来て、

 「フゥ、なかなか上手くならないね?

 もっとお腹に力を入れるんだよ」


 ホチネが俺のお腹をポンと叩く。

 俺は短槍を持つ腕に力を入れなんとか耐えた。


 「フゥはまだ飛べそうに無いね。

 足が微妙にプルプルしてるし。

 こんな時に魔物が来たら戦え無いよね!」



 『ホチネ!それ!フラグ?』



 ホチネの言葉のすぐ後に魔物は現れた。


 「魔物だ!フゥ!狙われてるよ!」


 俺は魔物の方にゆっくりと顔を向けるがビースの針がもう目の前まで迫っていた。

 俺は咄嗟に右上の腕を上げて顔を守る。

 その瞬間、魔法石が光り盾が体の前に出てビースを跳ね返した。


 盾にぶつかり針が折れて俺から離れたところをホチネの槍がトドメを刺す。


 『危なかった!ナイス魔法石!』


 『私は常に最高の仕事をしています!』


 頭の中に魔法石の自信満々の声が響いた。



 俺は靴の魔力を止めて地面に着地する。



 「フラグ?

 これ!フゥが言ってたフラグ!」


 「フラグじゃ無い!只の偶然!」


 「そうかな?もう一回浮いて?

 フゥの練習にもなるから、ね?」


 「いいや、もう帰る」


 「エー!フゥ君だけ狡いですよ!

 ボクの時はもっと長時間やらせたじゃ無いですか!」


 ホチネも「うん、うん」と頷いている。


 「違うよ。もうすぐ暗くなるから。

 帰る時間。

 ツラナは今日が本格的な魔物狩り初日なんだから魔力や体力に余裕がある内に帰る。

 これが今後の依頼や狩りでの生存率に関わって来るから。

 無理は良くないし怪我の元だよ?」


 「へー、フゥって意外とそんな事も考えてるんだね。

 見直したわ」


 ツラナもホチネの言葉に頷く。



 俺達はその日はそれで帰る事にして町の門へと向かって移動を開始した。

 

 ただ二人は靴で飛んで帰るのに対し俺だけ走っているのでどんどん離されて行く。


 「二人とも待って!」


 「フゥも飛べばいいのに!」


 ホチネがこっちを振り返りそう言った。



 「そうじゃ無くて!このまま飛んで帰ったら竜人族の靴が飛べる事広まらない?」


 「うーん?別に知ってる人は知ってるからいいんじゃ無いかな?」


 「そうだったの?

 それなら何でホチネは今までこの靴で飛ばなかったの?」


 「それは地面に足着いてないと攻撃に力入らないでしょ。

 それに一応は使ってたよ。

 この前の漁業の町での依頼で船に乗った時、魔物と水中で戦ったでしょ?

 あの時この靴の飛ぶ力を応用して推進力にしてたでしょ?」


 「ああ、そうだったね」



 『あれ水魔法を使って泳いでたんじゃ無かったんだ』



 「それでもこの靴の事は一般にはあまり知られて無いから注目されると思うよ」


 


 ホチネとツラナは俺の提案に乗り、

 「これ以上騒がれる事の方が困った事になるから」と走って門に向かった。




 町に入り冒険者ギルドの換金所に来ていた。


 「ビース二匹、ボア一匹ね。

 素材は全部換金するの?

 この処理の仕方なら高く買わせて貰うよ!」


 換金所の受付は綺麗に素材ごとに分けられた魔物を見て感心している。


 ホチネの方を見ると首を横に振り、

 「肉、肉、肉、肉、食べたい!」

 小さな声で訴えている。


 俺は受付に、

 「ボアの肉だけこっちで引き取ります。

 後は換金してください」


 「ハイよ。そしたら小サイズの魔石三個、ビースの針二個と肉二匹分、羽四枚、ボアの皮一枚で……状態が良いからな……全部で金貨五枚で買うよ!」


 「はい、それで良いです」


 「おぅ!それじゃギルドカード出して」


 俺達は三人のカードを渡す。


 「ハイ、お金はリーダーのカードに纏めて入れたぞ。

 そして今日のギルドポイントは二十一だ。

 ツラナ、君はランクアップで今からEランクだ」


 ツラナはランクEになったカードを返してもらい嬉しそうに微笑む。


 「ネェ?あたし達のランクアップは?

 だいぶ前から疑問だったんだけどあたしとフゥのポイント一万超えてるよね?

 Bランクは一万ポイントで成れるはずでしょ?」


 「そうですね。もう一度カードを見せてください?」


 ホチネは自分のカードをもう一度受付に渡した。


 受付の男はカードを魔法道具にかざして、

 「えーと……ポイントが12702ポイント。ランクがC。

 ……………ああ、そう言う事か。

 解りました。

 あなたはまだ五歳だからですよ」


 「五歳だから?」


 「そうです。Bランクになれるのは十歳からです」


 ホチネは受付からカードを返されプルプル震えながら受け取る。




 『十歳までいくらポイント貯めてもランクは上がらないんだね。

 そんな事知らなかったよ。

 ホチネも知らなかったみたいだね。

 ショック受けてるみたいだから』


 

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