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ケレリスの予測


 「誰も見た事無いのに魔法神の存在は信じてるんだね」


 俺の言葉にケレリスは少し考えてホチネとツラナ、ゴキムロンを見る。


 「これから話す事はエルフ以外には聞かせられ無い内容が含まれている。

 済まないがフゥ君と二人にしてくれないか?」


 「俺はそれを聞いてもいいの?」


 「これからの君の将来に関わる選択をするのに話さない訳にはいかなから仕方ない」




 俺とケレリスはジュンケンに二人になれる部屋を用意してもらって移動した。



 「これから話す事は私の研究の上で知り得た内容からの推測が含まれる。

 だから信じるか信じ無いかはフゥ君に任せる。

 ただ他の誰にも話さないでくれないか?」


 「分かった。誰にも話さないし内容を聞いてその話しを信じるか判断する」


 「ありがとう。

 それは私がエルフの森から出る事になった事とも関係がある話しだ。

 昔、私はエルフの歴史を研究する研究員だった。

 その研究の中でエルフが中立国を造った経緯を調べるといくつかの不信な点が見つかり更に詳しい文献の調査の為に長老達に許可を貰おうとした時、私の研究を止めるようにとの要請が出された」


 「要請でしょ?別に止めなくてもいいんでしょ?」


 「それはそうだが。その研究を続けると言う事はエルフの森に居られなくなると言う事なのだ。

 そしてエルフの森に居られないと言う事はエルフの文献も調べられ無いと言う事になる」


 「ああ、なるほど。それでケレリスはどうしたの?」


 「私は一旦その研究を止めて人の加護に関する研究に移った。

 歴史を調べる過程で気になっていたからな。

 だがその研究でも前と同じ壁にぶつかったのだ。

 私の研究はまた中止の要請を受けた。

 そして私には助手と言う名の監視が付けられた。

 それでエルフの森を出て冒険者になった」


 「冒険者?また思い切ったね」


 「エルフの森の外で生活する為には私が出来る事は冒険者しか無かった。

 そこで世界各地を周りそれまでの研究の続きを細々として暮らした。

 そして遂に三日月国でエルフ視点以外の古い文献を読む事が出来たのだ。

 だがそれはエルフ族と対立する竜人族の文献だった。

 そこには一人のエルフが犯してしまった『ある出来事』が書かれてあった」


 ケレリスはそこで言葉を詰まらせてしまった。




 俺は沈黙するケレリスを静かに待ち続けた。



 「ある出来事とは一人のエルフが私と同じように秘密にされた歴史を調べていてその資料がゴブリンに盗まれた。

 その結果ゴブリンの国が無くなった」


 「エッ!何か話しが飛んでない?

 ゴブリンが資料を盗んでそれでなんでゴブリンの国が無くなったの?」


 ケレリスは少し考えて、

 「そこの詳しい事は書かれていなかった。

 その後ゴブリンの国王が幽閉されてゴブリンがエルフの森に攻めて来たと歴史書には書かれている。

 だが本当のところは分からない。その歴史書を書いたのもエルフだからな」


 「その歴史っていつの事なの?」


 「約八千年前かな?」


 「八千年ってエルフも竜人も実際に見た人はいないって事だよね?

 そんな事と俺と何が関係あるの?」


 「いや、ここまでは前置きだよ。

 このからが私の推測だ。」



 『前置きが長いよ!そしてケレリスの推測?

 これは本当に信じていい話しなのか?』



 「私が思うに、エルフの長老達の狙いは消えてしまった魔法神様の復活なんだと思う」


 『思う、二回言ったし本当に想像なんだ』


 「だから魔法神様の創られた人族の混血を進めて魔法神様の力を持つ人を誕生させようとしたんだよ!」


 「結果、無護の人で溢れたけどね」


 「いや、そんな事はない。

 今でも加護を五つ以上持つ者も生まれている。

 無護と言っても本当は加護が全く無い訳では無いんだ複数の加護が互いの加護を打ち消し合って加護として現れ無いだけなんだ!

 加護とはそもそも魔法神様の力を……」


 「へー、それで俺との関係は?」


 ケレリスの話しが脱線しそうなので俺は話しを戻そうとした。



 「ああ、そうだった。エルフの長老達の目的は多分魔法神様の復活だ。

 だからフゥ君が魔法神様と同等の力があると判断されたら何をされるか分からない」


 「うーん」


 俺はケレリスの話しを聞いて信じて良いのか悩んだ。

 

 『ケレリスの話しはほとんどがケレリスの想像を元にしたモノだ。

 素直に全てを鵜呑みには出来ない。

 ただその想像が全て間違っているとも言い切れ無い』



 「ケレリス、一つ聞いていい?

 竜人はエルフの森には入れ無いんだよね?

 それだとホチネは着いてこれないって事になる。

 それなら俺がエルフの森に行く条件にホチネも一緒に行くって事にしたらどうだろう?」


 「どうかな?長老達にそんな条件なんて聞く気があるかな。

 自分達に逆らう者がいるなんて考えて無いと思うけど」


 「でも俺を力尽くで連れてくなんて出来るかな?

 俺って以外と強いよ!」


 「フゥ君、エルフの力を甘く見ない方がいいよ。

 魔法を弱める魔法道具も使って来ると思うしフゥ君は魔法以外は大した事無いしね」



 『魔法を弱める魔法道具は厄介だな。

 これは捕まらない内に逃げる方がいいのか?』



 コンコン


 そう思っていた時部屋の扉がノックされた。

 


 

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