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海の町に滞在する事になる


 ツラナの言う通りゴキムロンは屋台の一つで食事を満喫していた。


 「爺さん、あんた命狙われてるの忘れて無い?

 一人で出掛けるのは止めてよ!」


 「わしはこう見えても以外と逃げ足は早い方だから大丈夫じゃよ。

 それよりわしの奢りなのになぜみんな付いてこないのよ!

 だからわしの奢りの時間は終わったのよ!

 これから先はみんながわしに奢る時間なのじゃよ!」


 「イヤイヤ、奢りの時間とか意味分からないから」


 俺にそう言われてゴキムロンは、 

 「仕方ないよ。奢ってくれないならわしは先に宿に帰るよ」


 ゴキムロンは一人走り出す。


 「何急いでるんだ?

 追っ手を警戒してるのかな?

 俺、宿まで送って来るよ!

 みんな先に食べてて」


 俺はゴキムロンの後を走って追いかけた。



 

 『ゴキムロン、以外と足早いな。

 全力出すか』



 俺は久しぶりの全力疾走でゴキムロンに追い付く。


 

 「爺さん、足早いよ!」


 「バレたのよ?」


 ゴキムロンに追い付くと俺に何か変な返事をして来た。


 「バレたって何?」


 「いや、何でもないよ。

 晴れたって言いたかったのよ。」


 ゴキムロンは走るのを止めて歩き出す。

 俺もゴキムロンの隣に並んで歩き空を見上げる。


 「ああ、本当だ。晴れてる。朝は曇ってたよね。

 あっそうだ!確か後十日もすると赤月になるのか!夏も近いし、晴れたら暑くなるのかな?」


 「なんで?赤月が近いと暑くなるのよ?」


 ゴキムロンは不思議そうに俺を見る。


 「赤月になったら夏で暑くなるんじゃないの?

 俺、ずっと聖域に居たから季節を感じた事無かったんだよね。

 だからこの世界の季節の事よく分からないんだよ」


 「ああそうなのよ。赤月は暑くなるよ」


 「やっぱりそうなんだ。

 それならそろそろ暑くなって来るよね」


 「そろそろ暑くなる?

 よく分からないよ後十日は暑くならないよ。

 赤月にはまだ十日あるよ」


 俺は混乱していた。


 「それって赤月になったら暑くなってそれまでは暑く無いって事?」


 「当たり前だよ。青月に暑くなる訳無いよ。

 青月は寒さが緩み、赤月は暑くなり、白月は暑さが緩み、黒月は寒くなる。

 これ常識なのよ」


 「ああ、そうなんだ」



 『この世界の常識なんて分からないよ!』






 ゴキムロンを部屋まで送ると俺は三人の待つさっきの屋台に向かって歩く。


 町並みを見ながら歩くとこの町が漁村っぽい事がよく分かる。

 店に売っている物も生の魚介類を中心に『旅用に』と書かれた看板の下に魚やタコとイカ、貝類の干物や海草を乾かした物など他の町ではあまり見掛け無い物が沢山ある。

 


 『後で干物を買おう!』


 俺は心に決めて屋台に向けて早足になる。


 『お腹空いた!早くこの町の魚料理が食べたい!

 ケレリスは期待するなとか言っていたけどどんな料理なんだろう』


 俺はわくわくしながら屋台に着いた。



 屋台ではなぜか不満そうな三人が待っていた。


 「どうしたの?料理、期待外れだったの?」


 三人の前には美味しそうな料理が並んでいる。


 「料理は濃い味付けで好みは分かれると思うけどあたしは好きかな」


 「そう、それならなんで?そんなに不満顔なの?」


 「ゴキムロンよ!あの爺さんお会計しないで帰ったの!」


 「エッ!また。」 


 俺は頭を抱え、

 『あの爺さん!やっぱり、さっきのバレたって晴れたの言い間違いじゃなくて「食い逃げがバレた」のバレただったんだな!』



 俺達は魚の臭みを消す為に香辛料を利かせた少しスパイシーな料理を食べゴキムロンの食事代を一緒に払いなんとなくモヤッとした気持ちで屋台を後にした。



 『ゴキムロンの食事代はゴキムロンから取るのは無理そうだからまとめて後でギルドに請求しよう!』


 俺は秘かに心に刻み込んだ。




 宿に帰ってホチネがゴキムロンの部屋に怒鳴り込みに行ったが部屋の扉がその日開く事は無かった。

 中からはゴキムロンのイビキだけが聞こえ本当に寝ているのか寝たふりなのかも分からずその日イライラしたホチネが壁を殴り修理代を弁償する事になった。





 翌日。

 壁の修理代を払った俺達はこの町で魔物退治の仕事をする事にした。


 旅の資金が無くなったからである。



 早速、この町の冒険者ギルドに手続きをして討伐依頼の出ている魔物を魔法石で検索する。


 土地柄か海の魔物の討伐依頼が多い。



 『犬の魔物 ドウォン

  虎の魔物 ガードラ

  イルカの魔物 ドエール

  タコとイカの魔物 クオーパ

  カニの魔物 シキーン

  貝の魔物 シエート


 店に並んでいるのもいるのかな?

 魚を取って食べたいけど、魔物以外は取るの禁止か』



 冒険者は基本的に魔物以外を狩ってはいけない。

 それがこの世界のギルドのルールらしい。

 魔物以外の生き物の取引は商業ギルドの管轄だからなのだ。




 その日、俺とホチネは漁船に乗せてもらい海に出た。

 漁師が魚などを取っている時に襲って来る魔物を倒すのが俺達の仕事だ。

 五日間の漁船の護衛と魔物の狩りを兼ねた依頼なのだ。




 『初めての海の狩り上手くいくかな?

 ホチネは槍を構えているのか俺も短槍で倒すか?

 やっぱり魔法かな?』



 俺が短槍と魔法で迷っているのと関係無く船は沖へと進んで行った。



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