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暇なので魔法石と話そう


 朝。

 ゴブリン達の乗る檻を付けて馬車を走らせようとしたが馬が可哀想なくらい重そうだ。


 「馬が一頭では限界だな。

 ゴブリン達を荷台に戻して檻は夜だけ使う事にしないか?」

 ケレリスの提案でゴブリン達を荷台に乗せ俺は檻を魔力に戻した。


 「よくそんな檻を魔法で作ろうと思ったよね。

 考えた事もなかった。

 フゥはいつそんな魔法覚えたの?」

 ホチネの質問に俺はどう答えればいいか悩んだ。



 『いつ覚えたと言われても前世の漫画で読んで使えるかもと思ったとは言えないし。

 そうだ!メチザに土竜人は魔法で建物を創るって聞いたから檻くらいなら俺でも創れると思った事にしよう!』



 「メチザに建物を創る土魔法があるって聞いたから創れると思っただけだよ」


 「メチザって火竜人だったっけ?

 その土魔法って土竜人の魔法の事じゃないよね」

 ホチネは小声で俺だけに聞こえるように言って来た。


 「そうだよ?」


 「それ竜人族以外に話したらダメなヤツ!」


 「そうなの?疑似聖域を創るのは秘密って聞いたけど建物もダメだった?」


 ホチネは呆れながら、

 「竜人の魔法は秘密なの!

 これから変な魔法を使う事があっても竜人の名前は絶対に出さない事!」


 『変な魔法って!』


 俺は素直に

 「分かった」とだけ言った。





 午前中ケレリスと俺は荷台でゴブリン達を見張りながら時間を過ごす。

 

 ケレリスはゴブリン達に昨日聞いた話しの続きや更に詳しい話しを質問して自分の研究をまとめていた。


 俺は一人、ゴブリンの見張りをしつつ荷台の一番後ろに座り外を眺めていた。

 時折早馬に乗った冒険者がすれ違ったりするが特に変わらない風景が流れる。

 ぼーっと暇を持て余し俺は久しぶりに魔法石に質問をしてみる事にした。



 『後、どのくらいで首都の町に到着する?』


 『順調に進むと三日後の昼過ぎから夕方に着きます』


 『前にゴブリンと戦った時に盾を出したのは魔法石?』


 『そうです』


 『なんで助けてくれたの?』


 『体に傷が残る怪我を為れるとイヤだからです』


 『ありがとう。助かったよ』


 『自分の為なのでお礼は要りません』


 『自分ってどういう事?』


 『秘密です』


 『秘密ね。たまに俺の事バカにして笑ってるでしょ!』


 『秘密です。フフフ』


 俺はため息を吐いた。

 『ふぅー。それも秘密なんだ。

 そうだ!ラィのお使いの内容は知ってる?』

 

 『知っています』


 『本当!

 なんだよ最初から魔法石に聞いておけば良かったんだよ。

 魔法石、ラィのお使いは何?』

 

 『秘密です。フフフ』


 『そうですか。予想はしてたけどね。

 じゃ魔法石は何だったら答えられるの?』


 『あなた自身が聞いたり読んだり調べたりした事です』


 『使えねぇー!』

 『使えます!』


 『答えがちょっと食い気味だな。

 前にも同じやり取りをしてたし。

 俺の知らない事は何も答えないって事?』


 『いいえ。あなたの知ってる情報を補完する情報であれば教えられます。私の気が向けばね』


 『そこは気分しだいなんだ。

 何を聞けばいいかな………

 そうだ!ゴブリンについて教えてよ!』


 『ゴブリンは魔法神によって創られた種族で加護は盗賊と旅人。特性は速さです』


 『特性って何?他の種族にもあるの?』


 『特性とはその種族の得意分野です。

 速さの特性を持つのはゴブリンとホビット。

 精神の特性を持つのはドワーフとノーム。

 知恵の特性を持つのは白魔道士と黒魔道士。

 体力の特性を持つのはオーガとオークです。』

 

 『へー、竜人とエルフは?』


 『竜人とエルフは魔法神によって創られた種族ではないので特性はありません。』


 『竜人族は龍神にエルフ族は妖精神に創られたからって事?』


 『そうです』


 『やっぱりエルフ族は妖精神に創られたんだ。

 俺は?水龍神の卵からか生まれたから龍神に創られた事になるのか?

 魔法石、俺の特性もなしって事?』

 

 『あなたの特性は……秘密です』


 『出たよ!秘密!少し間があったし。

 でも秘密って事は特性はあるって事だよね!

 俺の特性って何かな?魔法かな?盾があるから守りとかかな?』




 俺が自分の特性はついてあれこれ考えているとゴブリンの一人が話し掛けて来た。


 「なあ、あんた。なあ、そこの小さいのよ?」


 小さいのと言われ一応キョロキョロとしてみる。


 『俺の事だよね!』


 「何!」

 俺は少しムッとしたように答えた。


 「ちょっと聞きたい事があるしよ。

 おら達はこの後どうなるしよ?」


 俺は首を傾け、

 「さあ?分かんない。  

 首都の冒険者ギルドに引き渡して取り調べ?裁判?

 『この世界に裁判なんてあるのか?』

 何かしらの罰かなにかあるんじゃないかな?」


 そのゴブリンは俺の方に少し近寄って来ると小声で、

 「なあ、おらだけでも逃がしてくれしよ。

 おらにはまだ生まれたばかりの小さい子供が四人もいるしよ。

 おらがいなくてもまだ二人もいるしよ。

 おら、頭が悪いから国の事はよく分からないしよ。

 一人くらい逃げても大丈夫しよ。

 逃がしてくれたらいい事教えるしよ?」


 「フゥ君、騙されないでくださいよ。

 ゴブリンは基本的に嘘つきですからね」

 ケレリスは自分の研究をしつつ顔も上げずに忠告した来る。


 「大丈夫、こんな話しに騙されたりしないから」


 「そしてゴブリン達!逃げようなんて考え無い事ですよ。

 逃げようとしたらそこのフゥ君に風魔法で首を切られますよ!」


 「ケレリス!いやな事思い出させるなよ!」


 

 俺は近寄って来たゴブリンを他のゴブリン達のところに戻しまた一番後ろに座り直す。




 『ゴブリンの特性で油断したら逃げられるのかな?

 無駄な人殺しは為たくないから逃げるなよ。


 加護と特性かぁ。

 そうだ!俺の加護は何?魔法石』


 『秘密です。フフフ』


 『ですよね!』


 

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