表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/537

休憩広場へ急ぐ


 捕まえた三人のゴブリンを馬車の荷台に乗せて今日の休憩広場まで急いで向かう。


 ケレリスがツラナと操縦を交代して俺は御者台で魔物を警戒。

 ツラナとホチネが捕まえたゴブリンを荷台で見張る。


 ケレリスは最初ゴブリンの尋問をしようとしていたが辺りが暗くなり始め急ぐ必要があった。

 ツラナよりケレリスの方が暗い中馬車を操縦するのが安全だと判断して尋問は広場に着いてからとなった。


 俺は今日はこれ以上何もない事を願いつつ夜の街道を走る馬車の御者台で魔物が出ないかを警戒していたが朝からの疲れてが出始め眠気に襲われていた。




 広場まで後少しとなった。


 「フゥ君起きて。そろそろ到着だよ」

 俺はケレリスの隣で寝ていたようだ。

 ケレリスは今朝の事もあり何かあるまで俺を寝かせてくれていた。


 「ごめん、寝てたね」


 「心配ない。たぶんゴブリンは私をと言うかエルフを襲っては来ないと思う。

 今朝も私の姿を見るとすぐに逃げて行ったからね。

 だから私が馬車を操縦している間は安全だよ」


 「でもゴブリン以外にも魔物は出るんじゃないの?」


 「私の予想が当たっていればもうこの辺に野生の魔物はほとんどいないと思う」


 「野生の魔物がいない?」


 「そうだ。ゴブリンが増えて魔物の生態系が変わってしまったんだと思う。

 捕まえたゴブリン達に聞いてみないと詳しくは分からないのだが食用に粗方のラトビやドウォンは狩り尽くしてしまったんだろう。

 昨日から調べているがこの辺の草原は薬草や食べられる植物も極端に少ない。

 ゴブリン達によってそうなっている可能性は高いよ。

 きっとこの近くにゴブリン達の集落が出来ている!」


 「ゴブリン達の集落?」


 「ゴブリンは一人一人の強さは大した事はないがそれでも魔物とは違う。

 それなりの知能がある。

 特に盗みや人を騙したり欺いたりする事にかけては人種の中でも段突だ。

 そう言う種族特性を持っている。

 そして短気で粗暴な性格の者が多い。

 そもそもこの国は風の魔法神様の加護が強い国だ。

 住んでいる種族もホビット、ノーム、オーク、白魔道士のどちらかと言えば温厚な種族が多い。

 だからこの国は南西の橋で入国審査をしてそこでしか他の国と行き来できないようにしている」


 「だからゴブリン達はぼろ船で密入国して来てるんだ」


 「密入国?確かにそんな噂は聞くが。

 昔からそうやって渡って来るゴブリンはいたが三日月国とゴブリンの国の間の海には魔物ベルトがあって魔物が多くて渡るのが大変だったはずなんだけどね」


 「あっ!広場が見えて来た!」





 ケレリスは馬車を広場の端に停めると俺達に外で待つように言って来た。

 

 「ゴブリン達はエルフの私には何もしないから大丈夫。

 それに私一人の方が情報を引き出せると思うから」


 「馬車の中でもそんな事言ってだけどなんで?」

 

 俺の問いにケレリスは、

 「ゴブリン達は昔、エルフの森にあるエルフの里に集団で襲撃を掛けて来た事があるんだ。

 その時の盟約で二度とエルフに逆らわないとゴブリン達に誓わせる事でゴブリンが地上から姿を消さなかったと伝わっているからだよ。

 実際はどんな事があったか解らないけれどね」



 『ゴブリンもヤバいけどエルフも更にヤバいな!』



 


 ケレリスは一人馬車に入って行った。


 俺達は夕食の準備をしてケレリスが戻るのを待つ事にした。

 


 そこにいつも俺達に話しに来るドンボノが近づいて来た。


 「ゴブリンは捕まえたのか?」


 「三人捕まえました。

 今、依頼者のケレリスが話しを聞いています。

 護衛に何か重要な事が解ったら教えますよ。

 そちらはあれから何かありましたか?」


 「こっちは魔物もゴブリンも出ずに順調にここまで来られたよ。

 やっぱり馬車が多いと儲けは多いけど襲うリスクが高くなるからかな」


 「そうですね。いつもシザトを使って注意を逸らせてから襲って来ますからね。

 少人数で行動してるのかもしれません」


 「なるほどそれじゃ何か重要な事が解ったら我々にも報告してくれ。

 今日の夜の見張りは我々でするから今日はゆっくり休んでくれ。

 ただゴブリンや魔物が襲って来た時は応戦を頼むよ!」

 そう言って俺の肩をポンポンと叩くとドンボノは見張りの焚き火の方へ歩いて行った。




 ケレリスが馬車から降りて来て俺達は遅い夕食を食べ始めた。

 食事をしながら俺達はケレリスの報告を聞く事になった。

 ケレリスの聞き出したゴブリン達の話しは俺達にとってと言うよりも三日月国やこの世界にとっての方が重要に思う内容だった。




 ゴブリンからの話しとケレリスがこれまで研究して来た事は俺がこの世界に『異世界転生』した事と大きなつながりがある話しだった。


 

 ただこの時の俺は『この世界で大きな争いが起きそうだな』と他人事に思うだけで自分のお使いが関係している事に気付きもしていなかった。

 

 それに気付くのはまだだいぶ先、ラィと再会した時の事だった。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ