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 最後の1頭を仕止めると、カティはふう・・・と大きく肺から息を吐き出した。


 風切り刀を腰に吊るした柄にしまうと、緊張していた身体を伸ばしてほぐす。

 周囲ではすでにフラウがナイフを手に魔物の解体を始めている。

 物覚えがいいというのかフラウはカティが行っているのを見ただけですぐ解体のスキルを覚えてしまった。

 手際よく皮を剥ぎ内蔵を取り出し、肉を切り分けている。


「お疲れ様。だいぶ慣れてきたみたいね」

「なんとか」


 今日はこれまで遭遇した魔物全てをカティが一人で討伐している。先ほどのベビーパンサーで3回目。

 ゴブリン2体にベビーパンサーの小さな群れが2回。


「ベビーパンサーが増えてきたかな」


 どこからか聞こえてくるベビーパンサーらしい遠吠えに、カティはまだ遠い山の麓を見下ろした。

 半日もあれば踏破できる低い山の麓にある集落の近くに魔物の群れが住み着いた、その討伐が本日のクエスト依頼だ。

 魔物の数は推定で50程度。

 パンサーと呼ばれる種族で、カティが討伐したベビーパンサーの他に2体のキラーパンサーと呼ばれる上位種が確認されている。

 クエストとしてはベビーパンサーの単体ならD。

 少数の群れならCに、ベビーパンサーのみの群れならBに、今回のようにキラーパンサーを含めた大規模な群れならAランクのクエストに該当される。


「それだけ群れの中心に近づいてきたってことよ」


 なるほど。と首肯して、フラウが解体した魔物の素材をアイテムボックスに閉まっていく。


「ここからは今みたいな小さい群れが増えてくるから、気をつけて」


 リリスが皆を見渡して言うのにカティたちは頷いて歩き出した。

 申し訳程度に木を切り開いてできた道は狭く歩きづらい。

 緩やかに下る道を一列になって下っていく。

 ベビーパンサーを見かけたら早急に少しでも開けた場所に誘導しなくては戦いづらいため、常に周りに開けた場所を目で探しておく。


「段取りは大丈夫よね?」

「頭のキラーパンサーのいる群れを見つけたら俺とテディが周りのベビーパンサーを誘き寄せる。フラウがキラーパンサー2匹を討伐。1頭はリリスがテイムする、だっけ?」

「そう。二人は出来るだけ声を上げて決めた場所に走る。それでほとんどのベビーパンサーは追いかけてくるはずよ。残るのはキラーパンサー3匹と数匹のベビーパンサーってところね」

「ボスは動かないってわけか」

「人間だってそうでしょ?」

「フラウは残った分を狩るですー」

「よろしくね。でも出来るだけ1頭は残しておいて」

「はいです」


 一時間ほども山道を下り、2度ほどベビーパンサーの小さな群れを討伐した頃。


「ご主人さま水ですー」


 フラウが細長い沢を見つけた。


「情報では川下の方に集落があるはず。そこから少し歩けば巣があるはずよ」

「もう少しなのですー!」


 嬉しそうにはしゃぐフラウは前に出て走り出した。


「おい、足下気をつけっ・・・て」

「自分がこけそうになってどうするのよ」


 木の根に足を捕られたカティの腕をリリスが掴む。


「悪い。・・・フラウ!一人で先に行くんじゃないって!」

「・・・まったく」


 呆れた様子でフラウを追いかけるカティを眺めるリリスの視線の耳元に『ホホホ』とガルーダの笑い声がした。


「そろそろ着くはずよね?」

『そうじゃの。あと10分も歩けばお主らにも集落が見えてくるじゃろう』


 バサリ、という羽音とともにリリスの肩にガルーダが現れる。

 [投影]のスキルによってリリスの前に小さな集落と魔物の群れの映像がそれぞれ浮かんだ。

 群れから右手に離れたあたりに少し開けた砂地がある。


「あそこに誘き寄せればよさそうね」


 映像を確認しながら、リリスはフラウを叱り付けていたカティに声をかけた。


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