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023 強襲(1)


「戻って来た、ようだな」


 冷たい石の上でリークは起き上がる。

 左手に鎖で繋がった剣を鞘から抜き、その先端で床に素早く円を描いた。


『偽りし形骸(けいがい)の面(めん)』


 全身を襲う痛みと同時に、白い青年の身体は普段の姿に戻ってゆく。

 月術の中でも使えるものが少ない高位術・『偽型(ぎけい)』だ。


 戻った体で無言のまま秒速で剣を振り、鞘に戻す。


「よし」


 手を握ったり開いたりして体が異常なく動くことに頷いて、隣に目を向けると片膝をついた宵闇がいた。


「戻るぞ。さっさと立て。

おそらく遺跡の防護結界が解けている。このままここに留っていても良いことはない」

「あ、ああ」


 リークの声に応えた青年の周りには、半透明の黒い揺らぎが生まれていた。立ち上がると同時に薄れて消える。


「…………」


 それを見た二人の間で数瞬の間沈黙が流れたが、どちらともなく足を帰る方向へと向けた。


 早足で通路を引き返すにつれ、嫌な音が響いて来る。爆音と刃物の音だ。


「この音……ラグが闘ってんのか!?」

「予想はしていたが早いな。入れるようになるのを待っていたか」

「なっ、お前分かってたんなら言えよ!」

「言えばお前は付いて来なかっただろう。

あの青毛もそれなりに腕が立つと思ったから、言う必要もないと判断したんだ。

だが気配からしてかなり沢山いるようだ。急ぐぞ」

「お前に言われるまでもねぇよ!」


 走ること数分。宵闇の視界に見慣れた姿が入る。

肩を揺らす友人のその奥には、数え切れない数の赤がひしめいていた。

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― 新着の感想 ―
大量の敵。次話では戦闘回かな? 楽しみです。 (*´ω`*)
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