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魔王の生き様~遠い未来で君と共に~  作者: 赤天アリス
三章 世界の命運を決める大戦
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天魔

「「―――おぉ!!」」


二人ではないにせよ、まさかあの日食を破壊じゃなくて跳ね返すとは…。これは歴史に残る快挙!流石のパルも多分致命傷を負ってる筈!


「確かに腕一本に専念すれば僅かな時間ぐらい抑える事が出来そう」


「コラプスは余裕で抑えられるでしょ」


「羽交い絞めしたら瞬間で抜けられた」


「マジか」


「流石としか言えんな。…しかしこれで終わりとは思えん」


「そう?流石にこれでタルタロスの館に行くっしょ」


「…どうだかな」


―――その頃


「っし!!」


「危なかったねシード…。ありゃ私死ぬかと思った」


「マジでそれな。…んでサクリスに連絡をしてっと」


念話しようとしたらサクリスが現世に降臨。だがそれと同時に上空の煙から黒い閃光が次々と飛び出し、ロングコートを纏ったパルパータが姿を見せた。


だがその様子は先程とは一変し、常時闇のオーラを体から放ってて、首筋や頬に緋色の模様が浮かび上がってる。あの感じだと半身、若しくは腕にもありそう。


魔力の感じも明らかに変わってる。フロルの放つ冷気なんて一瞬で消え、生気を奪うサクリスの魔力でさえ圧倒されていた。何て言うんだろうな。ジェネシスの殺傷能力が異常に高そうなのとも違う。


「…あれこそが悪魔パルパータの最強と呼ばれる所以だ。あの形態の名を彼女は『天魔』と名付けている」


「天魔…」


「君の狂化形態に似ている。…その模様、彼女のにそっくりだろう?」


「そう言えば…でも何でこの模様が…」


「…この模様は狂化スキルを持つ人なら誰しもが体の一部に持つ。ただし大半の場合は意味がなく、なにこれで終わる」


パルパータはそう言いながら地面に足を付き、大太刀を地面に突き刺して軽く息を吐いた。


「でも極僅か、一握りの人間のみが次のステップに進める。その一つが『天魔』でね。…皮肉みたいなもんだよ、欲望を嫌う私が手に入れるなんて」


「そうか?…欲望によって得る快楽を奪う存在。お前は欲望そのものを人から奪い、絶望を与える存在。…ある意味似てるぞ、ってか上位存在だ」


「フフッ…君の発想には救われるよ。…天魔以外に幾つか道があるらしいけど、そっちは聖なる神に干渉しないといけないから基本無理。そしてシード、君は…こっち側さ」


「だが俺はなれない」


「なるならないじゃない。…今なら無いと死ぬんだよ」


突然姿が消えたかと思えば、俺とフロルとサクリス以外の体が深く斬られ、血を噴き出しながら地面に倒れた。


大太刀はまだ地面に刺さってるが、パルパータはいつの間にか俺の背に寄り掛かっている。…多分手に魔力を込め、手刀で全員を切ったんだ。


「私もその剣を使ってた時あったよ。…さぁ第三、いや…最終ラウンドを始めようか!」


彼女が魔力を一気に増幅させながら跳び上がり、当たり一帯が一瞬にして更地に。サクリスが結界を張ってくれたから皆生きてるが、此奴が居なかったら今頃全員消し飛んでた。


そしてその間にフロルが倒れてる奴全員を転移で移動させてくれる。


「…無天」


何時の間にか彼女の手に収まってる大太刀。それが振るわれた刹那、今までよりも速く、そして巨大な斬撃がこっちに向かって来た。


「クソッ…!」


思いっきり飛んでそれを回避し、彼女の大太刀に刀を思いっきしぶつける。だが彼女は即座に俺を力で吹っ飛ばし、強烈な緋色の斬撃を二つ飛ばしてきた。


それをギリギリのところで態勢を立て直してから回避し、フロルが投げた氷の槍をキャッチして思いっきり投げ飛ばす。


…分かってはいた。彼女が最強って事は分かってはいた。だけどまさか…本気だと此処まで違うなんて…。


槍を投げた瞬間に舞った自分の左腕を見つつ、剣をしっかり握って取り敢えず突っ込んで振るう。だが彼女が振るった大太刀により、遂にその剣にひびが入り、そして…粉々に砕け散った。


「一旦休むと良い。…次目覚める時は私の仲間になる時だけどね」


「俺は…まだ倒れねぇぞ!」


刀を引き抜き、彼女の大太刀とぶつけ合う。それと同時に右腕から右頬に掛けて一気に激痛が走った。かと思えば腕の再生が変な所で止まり、魔力が体から一気に溢れ出す…!


「覚醒の予兆…!アハッ!シードはやっぱ素質の結晶だ!」


「???」


「その剣が所持者の力に耐えきれなくなるのが条件?…いや、諦めない心と君の信念?…何にせよ、これで君もこっち側!」


刹那、意識が遠のくと同時に聞き覚えのある声が聞こえ始めた。それでハッと思いながら辺りを見渡すと、そこは何処か分からない花園。


「ここは…」


「久しぶり、とでも言うべきかな少年」


「生きてたのか…テルミナス」


「魂を二つに分けてただけさ。君には私のせいで負担をかけてるけど…許してほしい」


「別に負担なんて無いよ。お前が俺に頼んだのは例の魔物の討伐だけ」


「まぁね、でもそれが重すぎる。…まぁそれはもうあの時に話した通り。今はどうして呼んだか話さないとね」


彼女は『終天』と呼ばれた存在で、パルパータやジェネシスとも知り合いと思われる存在。かなり強かったらしいが詳しくは不明。序でにこの姿は若い全盛期の頃。


「この能力は人によって内容が変わるけど、君の場合はその特質的な再生能力や回復系の能力を使用中は失う。その代わり大抵のデバフを無効にする身体と、強力な力を手に入れる」


「お~」


「パルの能力は半径5m以内の全ての攻撃に気付ける。例え神の隠密だろうが気付けるだろうね。代価は同じく回復系の能力」


「…俺の方が有利?」


「彼女は元々の身体能力が強すぎるからほとんど変わらないかな。デバフは彼女の抵抗力が強すぎて意味ないし」


「怖いんですけど?…まぁ良いや、理解した」


「闇のオーラは一定以下のダメージを全て無効化する。…まぁそう言う事だから気を付けてね」


「もう会えない?」


「多分?まぁ何時か会えるかもしれない。…シード、全てを君に任せてしまうけど本当にごめんね」


「お前はあの時に拒否しても良いと言った。それで引き受けたのは俺だ。だから気にすんな!」


「……フフッ、ありがとう。…それじゃ、さよなら」


「あぁ」


体がふわっと浮いたかと思えば、そのままどんどんその花園を離れて行く。彼女は俺を見ながらニコッと微笑み、それを見た瞬間にパルパータと目が合った。


どうやら先程の状況から一秒も経過してないらしい。何せ彼女と刀をぶつけ合ったままなのだから。現在も力勝負をした状態で、互いの顔の距離が近い。


「お前も再生能力、ってか回復能力を失ってるのか、この間だけ」


「そうだね。だから使う直前でパーフェクトヒールを使った」


「なるほどな。…それじゃ、正真正銘、本当の最終ラウンドを始めよう」


「フフッ…君一人じゃ私に勝てないよ」


「俺は一人じゃ無いさ」


「……そう言えばそうだった。だけど…うん、負けない」

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