貴族派vs新生魔王軍
これでこの章は終わり
―――時間は経過し、4/7日の午前3時
「見張りダルイな…」
「黙って歩きなさいな」
「何で隊長格だけなんですか?」
「大勢で夜歩いてたら怖いでしょ」
「多分この光景も結構怖いですよ?」
「文句言わないと歩けないの?明日からの訓練数倍にするわよ」
「「申し分御座いません」」
夜に街の見回り、そして外の魔物を討伐するというのを事前に通告しておいた。騎士団だけではなく、街の掲示板にも書いておいた。
そうすれば嫌でも目に入るだろう。誰にって…そりゃ貴族派閥の奴等よ。
「…隊長、囲まれました」
「構わないわ。歩きましょう。ただし…死なない様に気を付けなさい」
『…プレアデス、準備は?』
『裏の裏を取ってます。シード様も兵の配置は完了した模様です』
『ん、了解。それじゃ…頼むわよ』
それからしばらく歩き、中央広場と呼ばれる場所に到着。此処は少し開けた場所で、王城からメインストリートを一直線に進むと来ることが可能。
噴水が広場の中央にあり、交戦場所にとっては最高と言えよう。この時間は人も居ないしな。
『――はよきょ―――――う――い――ら?』
『え?何か言った?』
『わ、私ではないです。…というか合図を待ってるだけで何も…』
『そ、そう…』
すると敵が動き出し、屋根上から敵が次々と飛び降りて一気に攻めてきた。
だがそれと同時に私が率いる騎士団、そしてプレアデス率いる紅ノ影も動き出し、一気に混戦状態に!
「…シード!」
私が天高くに火球を放って爆発させると、様々な場所に魔法陣が出現。そこから次々と姿を見せる兵士達。
「なぜ公爵である貴女がそちらに!?」
「高貴な血とかもうどうでも良いの。元々は皆そんなの無いんだから」
手刀で首を斬り落とし、そいつから流れ出る血で刀を使って敵を次々と切断していく。
「アトラス、敵の将を討ちに行こうよ」
「分かった」
あれが紅ノ影の暗殺者か。その中でも最も有名で、最も強いとされる二人だっけ?そんなようなことをシードが言ってた気がする。
そうそう、もし彼女達がシードの言ってた子なら、プレアデスの指揮下では無く、今はもう彼の指揮下で行動してるらしい。凄く心強いよね。
『久―――に顕現す――どい――生―――弱い――楽――――そう――?』
「な、なんだ!?今のは誰の…!?」
「…さ、さっきも聞こえた気がするんだが…」
「殺れ」
「「御意」」
相手が困惑している隙にこちらが一気に勢いを増して敵を次々と殺していく。その様を眺めつつ、魔王城の方に目線を向けた。
「…一体何が起きてるの?貴方がやってるの…?」
―――その頃、玉座の間にて
「悪いな、態々此処に居てもらって」
「ううん、気にしないで!ってか強いねシード!」
貴族派に加担する暗殺者の死体の上で玉座に座るフロルを一瞥しているシードの事を、宙を漂う魔力の塊である私は見た。
「当たり前だ」
ねぇねぇシード、さっきの声って何だと思う?私的には結構強い奴だと思うんだよね!全員の脳内に語り掛けるなんて早々出来ないから!
「さっきの声って何だと思う?」
いや、それ私が聞いてるんですけど?って聞こえてないのか。
「個人的には結構やばい奴だと思うんだよね」
同感同感。流石シード、私と同じぐらいに聡明だね!まぁ私の方が賢いけども!
「………くねくね動いて煽ってくんな。ってか魔弾作ってこっちとコミュニケーション取るって…考えたなお前」
そうでしょ?いやぁ、折角自分の魔力は操れるんだし何かしようと思ってね?それなら魔力で魔弾を作ってシードを見てようかなと。
「ねぇシード、その魔弾何に使うの?」
「え?…あぁ、奇襲的な」
「なるほどね!じゃあ…誰とボソボソ喋ってるの~?怖いんだけど」
「念話で喋ると偶に声に出ちゃうんだ」
「それはちょっと分かるかもぉ。納得!ゴメンね!」
「いや、気にしないで~!……煽るな」
彼の顔の前を適当に動き回っていると、遂に貴族派閥のトップ集団が扉を破って出現。しかしそれと同時にアトラスとプレイオネも!
「ナイスタイミング」
「「でしょ!…あっ、フロルだ!」」
「やっほ~!」
人形の方に手を振ったかと思えば、敵の方を見る時に一瞬だけこちらを一瞥してウインクしてきた。
「天才なんだね。魔力をシードに似せてる」
「そりゃ彼奴だからな」
「高貴なる我等によって死を与えてもらえること、光栄に――――ぬぅ!?」
「な、なんだ?!」
「この魔法陣、まさか…!」
突如目の前に広がる巨大な赤色の魔法陣。そこに一気に集まるバカみたいな魔力、そしてこちらに掛かる悍ましい程の圧!
『あと少――、数百人でそ―――行ける。――と殺―――とダ――よ、シード君』
「…お前、自分の力でも顕現出来る筈だろ。というかサタンが言ってた面倒事ってそういう事かよ…」
「し、シード?」
「恐らく…この魔法陣は悪魔召喚の魔法陣だ。ってかお前等静かだけど怖がってるのか…?」
「「ん」」
2人はシードの袖を片手で握ったまま、直刀を片手に敵を凝視している。流石は最強暗殺者と言ったところだろうか。
まぁ私ならシードに抱きつかれる側だろうけどね!知らないだろうけど、シードって何気に怖がりなんだよ。
「大丈夫だ、怖がる必要は無い。…さっ、奴等を殺そう」
「わかった」
「任せて」
「や、殺れ!!全員殺してしまえ!!」
「皆殺しだ。生かす価値は微塵も無い」
「―――中央広場征圧完了よ」
「ナイス。それじゃシャナリア、手伝ってくれ」
「勿論」
―――そこから先は一瞬だった。貴族派閥の連中は本当に鍛錬をしていなかったらしく、どうにかする事すら出来ず全滅。
シードの死霊魔法は相変わらず恐ろしく、彼等の両親であろう存在を次々と生み出し、驚いたり泣いたりしてる隙に他の皆が殺していく。
私も手伝おうと思ったが、魔弾を維持するのに結構魔力を使ってるから辞めておいた。自らの肉体で操ってるわけでもないからか、結構何か大変。
「…それでこれ、どうなるの?」
「一つ言えるのは、いっちゃん面倒な悪魔がそろそろこの世に舞い戻るって事だけだ」




