集う強者と淘汰されるゴミ
――――全員で帰還し、取り敢えず俺とシャナリアとファームで玉座の間に行く事にした。
「フロル~って……寝てるし」
玉座の間に入ると、玉座で偉そうに座って爆睡してるフロルがすぐ目に入る。昼寝癖は治ってないらしい。
「13歳だと…こういうもんかね」
「多分?」
「どうせ普通に生きてても彼奴なら寝てると思うぞ」
そう言いながらゆっくりと近づいて行き、デコピンをして起こす。すると彼女はびっくりしながらキョロキョロを周囲を見てから…俺を見た。
「あっ、お帰り!」
「…寝るな」
「だって眠かったんだも~ん!それでそれで?どうしたの~?」
「王国領は俺等のだぞ」
「何処の王国?ヴェルロイド?」
「あぁ」
「凄いじゃん!じゃあ今日はパーティーだね!旅館で!兵士の皆にも休暇とか与えないと!」
「そうだな、そうしよう」
――――夕方
「こ、これレイちゃんが作ったの?!」
「この一品だけね~。凄いでしょ!」
「凄い!」
レイちゃんが作ったのはカレーなのだが、食べただけでパラちゃんが失神する程に美味いらしい。
「さぁあ~ん」
「あ~ん」
口に入れた瞬間、一瞬だけ倒れそうになったが…マジで美味い。やっぱレイちゃんは天才なのだろう。
「…美味い!!」
「でしょ~!」
「「…??」」
「しょ、正気…?えっ、紫のカレーだよ?私一回死にかけてるんだけど…?」
「パラちゃんが変なんだよぉ」
「そうそう!」
「えぇ…?」
こんな風に人それぞれ楽しんでいると、ラストが樽を一気飲みし始めたせいで飲み大会まで始まった。
レイちゃんと共に参加する羽目になり、結局気付けば…完全に朝。
「…おっ、起きた~」
「れ、レイちゃん…」
どうやらレイちゃんに寄り掛かって寝て居た様だ。…そしてレイちゃん自身はまだ飲んでる。
「そうそう、デミがこれをって」
「ん?…なにこれ、名簿?」
「昨日王都が陥落して王国領を物にしたでしょ?それが各国の新聞で報道されててね~。んで魔族の強者が兵として志願してるってわけ」
「早くね!?」
「まぁ魔族だし?」
「あ~」
まぁちょっとよく分からなかったけど、見てる感じ有名な傭兵も居るから凄く最高かもしれない。
どうやら現在は町に居るらしいので全員闘技場に集まってもらって試験を行う事に。伝える役は勿論ボロス君。
「シードも試験を見るの?」
「うん。良さげなのは引き抜いて俺の直属部隊に加えようかなと」
「おほぉ、良いね~!」
「それじゃ行ってきます!」
「うん!行ってらっしゃい!」
「おっ、行くの~?」
「うん!あっ、おはよパラちゃん!」
「ん、おはよ~!行ってら!」
「ん!」
魔法で素早く着替え、転移で闘技場に移動。すると見事に志願兵が集まっていた。
「俺の事は気にしなくて良い。ただ試験を見るだけだ」
と言う事で試験を本当に眺めているのだが…中々逸材が居ない。確かに十分強いんだが…なんか違う。
魔法、力、筆記で筆記はまぁ後で結果だけ見る予定だが…魔法で良い奴は少なくとも10も居ない。
力があるかどうかを見てるが…現役の騎士団には誰も現状勝ててない。
「それっ!」
「うぉッ…!?」
「おぉ、って…お前かよ!」
「えへっ♪」
「こっち来い!」
「うぃ」
何か見たことがある奴いるなぁと思ってたら…まさかのワールス。取り敢えず隣に座らせ、説教はせず一緒に仲間を探すことにした。
とは言えそんな簡単に優秀な奴なんて見つかる訳もなく、今集まってる奴はダメ。だが名簿によれば1000近く居て、100人ごとにボロスは集めてくれたらしい。
だからあと9組ある。…流石に一人ぐらいは居るだろ、多分。
「試験終了。次は筆記だからそこの案内に従って移動して」
案内役はマッスル共が引き受けてくれたらしい。ボロス君があれと仲良いのが俺は驚きだよ。
「また馬鹿な平民共が兵に入って来たぞ。…全く、元傭兵もいるそうだ」
「お前等貴族様のお通りだぞ?道を開けろ」
イラっと来る声が聞こえてきたので立ち上がると、貴族共が兵を連れて闘技場の中に入って来た。
「何をしているんだ!今日は我々が使うのだぞ!退け!」
「…おいゴミカス共、死ぬかないで土下座するか選べ」
「あぁ?…っと、シード様でしたか、申し訳ございません」
「うむ、死ね」
指をひょいっとやり、奴等の真横に魔法陣を作って槍を放つ。一瞬でそのクソみたいに丸い肉体を槍は貫き、鮮血が闘技場を穢した。
「無能貴族は嫌いと言ったはずだ。媚び諂うな三下が」
「「!!?」」
「掛かって来い、全員殺してやる。ワールス、それからボロス君も手伝え」
「もっちろん!」
「私も…?」
文句を言いながらも、圧倒的なパワーで周囲の敵兵、そして逃げようとする他の貴族共を殺していくボロス。
そしてワールスは貴族だけを徹底的に狙い、殺さず足の腱と腕の腱だけを斬っていった。
仕方ないので俺は如何すれば分からなくなってる兵士をある程度鎖で拘束し、試験を受ける為に入ろうとしてた二組目の前に置く。
「殺せ」
「「おう!」」
直ぐに動き出す面々を見て満足しつつ、後ろでどうすればいいか困ってる奴を数十名ほど発見した。
「殺したくないか?今はそれでもいい、だが…戦場に出たら死ぬだけだぞ」
それだけ言って観客席に戻り、血で染まった闘技場を一瞥してから隣に戻るワールスを見つめる。
「ど~する?彼奴等だけ生きてるけど!」
「ボロス君、拘束してシャナリアの所に。好きにしろと伝えてくれ」
「へいへい。私の扱いが雑だ…」
文句を垂れながらもしっかりと仕事は熟す優秀メイドボロス君。中身は自称龍王。
「さて、試験再会と行こう」
騎士団からも手伝いの人が来てるからね、訓練はボロス君が居なくても一応出来るのだ。
――――昼
「うん、弁当美味いな」
「分かる」
エトワールが途中でやって来て、まさかの弁当を渡してくれた。どうやら彼女の手作りらしい。
彼女自身は現在パラちゃんに刀の扱い方を教わっている。一緒に食べれば良いのにと思ったが、自分の弁当は無いらしい。
「私と比べて女子力あって凄いなぁ」
「いや、お前も十分あると思うんだが。デミちゃんが褒めてたぞ」
「ホント?!シー君もそう思う?」
「あぁ勿論。料理に洗濯、何だって出来てるじゃねぇか」
「ふふ~ん、勇者だからね!」
「理由になってないが…まぁ凄いぞワールス」
「えへへ、そうでしょそうでしょ~」




