9話 私の気持ち
9話「私の気持ち」
東雲はしばらくしてから話だそうとした。
「私は……」
「なんでよ……」
「え?」
「なんで私はここにいるのよ。そりゃあ勝負を軽く引き受けたからでしょうけど、私は別にあんたの彼女になろうとかそんな気持ちはないのよ!」
「あ、雨璃先輩!?」
「私はただ退屈を紛らわせたかっただけ、友達になったのも他に友達がいなかったから!なのに今度は思ってもいないことを言えって?ふざけんじゃないわよ!咲、あんたなんかもう知らないわ。他のもっと熱心に付き合いたいと思ってる奴とつるんでなさいよ。」
東雲は立ち上がって私の口を無理矢理塞ごうとした。
その時
「バチ」
小さなビンタが私の頬を襲った。
咲だった。
「わかりました。もうあなたと縁を切ります。」
咲は席に座り直し東雲の話を聞いていた。
「ふんっ」
私は思いっきり扉を開けそのまま帰った。
あの時
東雲は唖然としていたし、
空流は当然のように睨んでいた。
空乃は覚えていない。
さ……羽場なんてもう知らない。
私は明日から誰とも関わらず生きていこうと決めた。
「努力が水の泡だ。」
私は最初から努力なんてしていない。
だからすぐ友達を失う。
それでいい。私はそれでいいと思う。
だって必要ないんだから。
友達なんて……
その後の話。
結局私は誰とも関わらず過ごした。
そういえば、東雲の気持ち聞いてなかったな。
「私の気持ちなんてわからないか……」
私は小さく呟いた。
そして忘れられない夏休みがやってくる……。
いつも読んで下さりありがとうございます。この場を借りてお礼申しあげます。
次回から第3章に入ります。
果たして咲と雨璃は仲直りできるのか……
新キャラも出てきますのでお楽しみに。
これからもよろしくおねがいします。




