第六十一話 風邪の続き
真っ赤な顔で口を開けてるリキ
ボクは変なテンションのまま、スッとリキにディープなキッスをしてやり、口の中の味を存分に確かめてやる
頭がフワフワしてはいるが・・気分は悪くないのぅ・・
それにしても男子のくせになかなかフレッシュな味をしておるな・・?
口腔ケアはしっかり出来ているとみた・・
もっと男子臭いと思ったのだが・・・
くっ・・!!
このッ!今時男子めッ!!
具合の悪い女子の部屋に上がり込んだだけでなくボクに胸まで押し当てさせるとは!
ただで帰れると思うなよ・・?
まずはこの軟弱な口元をこうしてくれるわッ!!!
フワフワな脳内でリキの口腔ケアに難癖をつけてやったところで、ボクはペロンとリキの唇を一舐めしてやった
されるがまま放心状態のリキ、それを見て勝利の笑みを浮かべてやるボク
だがそれと同時にグルグル目がまわり意識が保てなくなってくるボク
リキに胸にペタンと顔を落とした記憶を最後にボクは意識を手放した
喉が・・ボクは喉が乾いたぞ・・
おちゃ・・おちゃ〜・・お茶〜・・・
旅のお供と源八朗印の・・・
「ほゎお茶やァァァっ!!!!」
バッと身を起こし伝家の宝刀、女子式机バンバンを暴発させたところでバチンッ!!と何かに当たりビクッと身を震わせるボク
「ぐっはああぁっ!?」
プスプスと後頭部から煙を出す、ように見えたリキ
布団越しにボクのお腹の上で顔を埋めて、どうやら寝ていたところを叩いてしまったらしい
「リキ君!?あ・・大丈夫??」
慌ててリキ君を起こそうとして身体を動かすと、なんだかさっきより身体が軽い、そればかりかフワフワな脳内も緩和してる気がする
何気なしにベッドから自分の机の上を見たボク、少し減ったペットボトルのお茶と薬の箱が無造作に置かれていた
「リキ君?もしかして薬飲ませてくれたの?ねぇねぇ?起きてよ?」
その問いにようやく反応するリキ、ムクッと起き上がるとコホンっと咳払いをしてボクを見る
「悪い・・一緒に寝ちまった・・千秋さんなかなか気の利いた起こし方だったよ・・よこしまな気持ちがおかけで一掃したわ・・」
後頭部を擦りながらキリッとワイルドな表情を見せるリキ
ヨダレがキラリと光る口元、ボクが指で教えてあげると慌てて拭いて話し始める
「千秋さん熱回りすぎて倒れちゃったから・・無理矢理だったけど薬飲ませたよ
効いたみたいで良かった」
リキの介抱になんだかぽわんと心が暖かくなるボク
脳内の無意識領域リキ依存値が計測不能近くまで上がったところで、ボクは聞きたかったことを聞いてみた
「そうだ!さっき夢見てたんだけど、お茶の王源八朗!リキ君のお祖父さんなの?修学旅行の時も特に何も言ってなかったよね??」
それを聞いたリキは苦笑いをボクに向けると頬をかきながら話しだす
「あ〜・・だな・・孫だよ、実はオレも祖父さんが綱島園の会長だなんて知らなかったんだよな・・聞いたかもしれないけどオレ多分一回くらいしか会ったことないし・・こないだの話し聞いて母親に聞いてみたら同一人物だってサラッと言われたわ」
ホントに孫だったか・・
疑った訳ではないが、ボクも人間・・本人から聞いてみたいという欲がな・・!
そろそろアレの決着をつけるには今日と言う日は絶好なのかもしれん
きっとお茶の王源八朗の思し召しなのだろう
ならばッ!!
脳内でお茶の王の遺言を現実の物にしようと珍しくまともに考えたところで、ボクはリキの両手を握り、目を見て話してやる
「リキ君・・今日はボクの為に看病してくれてありがとう!でね・・あのね・・その〜・・ボ・・ボ・・ボボボボボボーッ!!」
ボッと全身が紅くなり、その先が言えないボク、脳内が真っ白になって完全に迷子になる
リキを見つめた瞳も勝手にウルウルしてくる始末、気を抜いたら泣きそうになる自分になんだか腹が立った
その瞬間、ピッと人差指でボクの唇に触れるリキ、優しく微笑んで話しだした
「看るのは当然!千秋さんはオレの彼女だろ?それと・・千秋さんが言おうとしてるの、それオレの役目だから?」
ボクの両肩に手を置くリキ、真っ直ぐボクを見て実に凛々しい
くっ・・百歩譲って男前だぜ・・
元男子のこのボクもイケメンだったがリキには負けた・・
イケメンの座はリキに譲ってやろうではないかッ!
うむっ!流石ボク!実に潔い判断だ!!
脳内で仮初めの過去の栄光に別れを告げたところで、リキがモノホン男子を見せつけてきた
「千秋さん!オレは千秋さんが好きだ!ちょっと抜けたところも・・人懐っこいところも・・純粋で真面目なところも!もちろん綺麗で美人なところも全部好きだ!オレ・・ずっと大事にします!オレの正式な彼女になってください!!」
真っ向勝負開始2秒位ですでに格闘ゲーム張りに瞬殺K・Oパーフェクト!!でノックアウトされているボク
嬉しいやら楽しいやら苦しいやら・・女子なボクの脳内では色々な感情がゴチャ混ぜになってボクの瞳から涙を流させてくる
ボクは自然とリキにとびきりのほくそ笑みを向けてやって震える唇を開いてやった
「ありがとう・・!こんなボクで良かったら彼女にしてください・・!」
自然とそのままボクとリキは初めてまともな口づけを交わした
その後リキが具合が悪くなって、高熱でうなされたのは明日の話し・・




