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初心者女子  作者: nim
モデル女子編
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第四十四話  新女帝

鏡越しに紗良の下ろしたロングヘアをアンナさんとガン見しているボク


マジか・・本気と書いてマジなのか・・?

紗良のやつ・・

このボクを惑わしやがったな?

めちゃめちゃ可愛いじゃねぇか!?

女帝は何処へ行った!?ツンツンお目々の女帝紗良は!?

これではまるでクールプリンセス紗良ではないか!!

髪を下ろしただけだぞ?まだ何もしてないんだぞ?

そんなクールな目で・・お淑やかそうなヘアスタイルでボク見つめられたら・・


「ボク紗良に似合うヘアスタイルわかっちゃった・・」


当初の目論みなどどこ吹く風、プリンセスな紗良を見てモデルの目線になってしまっているボク

ボクの放った言葉にアンナさんが反応した


「千秋さんもわかっちゃった?流石モデル!紗良さん素材がいいからあのヘアスタイルがいいと思うんだよね!」


その言葉の後に続く言葉を、ボクは自信満々に言ってやる


「前下がりのアシンメトリーショート!」

「アシンメトリー前下がりショートボブ」


アンナさんと完全に一致したボクの選球眼言い方は違えど、ハモリにハモってボクとアンナさんのテンションが天井を突き抜けるぐらい上がっていく

それを焦り顔で鏡越しに見てる紗良が話しだす


「あの〜盛り上がってるとこすみませんけど、その・・アシン・・下がり?ってどんなヘアスタイル?」


そう言って少し不安そうな表情をする紗良

モデルなボクは雑誌を片手に紗良の前に回り込んで説明をしてやった


「簡単に言うと左右非対称なショートヘアかな、紗良は顔立ちも良くて瞳もクールだからボブスタイルにしたほうが角が取れてワンランク上の大人女子になるかな!ほら!」


そう言って持ってる雑誌のアシメヘアを紗良に見せてやる

それを見ていたアンナさんも紗良の横まで来て顔を覗き込むと語りだす


「千秋さんの言った通り!全体的に丸みを帯びたシルエットにして前髪は左右に分けてアシンメトリーかな!ゾクゾクするわ!千秋さんに続きスタイリングがいのある素材・・良いものには良いものが寄ってくるのね・・?千秋さん様々だわ!」


ほとんど神の域の職業病のアンナさん、いつもならボクも少し引いてしまうが、今はボクも高めのテンションでアンナさんの言葉に共感して息遣いも荒くなってしまう


ボクとアンナさんの異様な光景にドン引きな紗良

暫く目を瞑り、カッと目を開くとアンナさんに話しだした


「アンナさん、このヘアスタイルでお願いします!」


なかなかの冒険なのか冷や汗が頬をつたっている

ボクはスッとハンカチを出して汗を拭いてやると優しい笑顔で紗良に言ってやった


「大丈夫だよ、絶対似合うから!ボクとアンナさんがシンクロしたんだよ?間違いないから!」


その言葉で紗良も笑顔になり、それを合図としてアンナさんの華麗なるカットショーが始まった








隅にある硬めの椅子に腰掛け1時間半


紗良のアシメヘアに似合うメイク・・

素材を活かすならあれかな?

紗良の持ってる道具でも出来るし・・


紗良の変身の待ち時間に、ボクは持ち前の妄想力で紗良に似合うメイク術をイメージしていると、アンナさんに呼ばれていることに気付き視線を上げるとアンナさんが手招きをしている


カット終わったかな?

あの紗良がどんな変貌を遂げたかとくと拝見しようではないか


静かに立ち上がり、近づき鏡越しに紗良を見てやる

その瞬間、ボクは目を見開いて鏡の中の紗良に釘付けになった


何という・・何というクールな美女・・!

似合うとは思っていたがこれほどまでとは・・!

女帝の面影など微塵も感じさせない、大人なクールビューティー!

これはもう女帝とは呼べない!

鬼神(きしん)だ・・

人の力を超越して美しさまでも手に入れた鬼神・・

ボクの考えをも先読みし、ピンポイントで弱いところを攻めてくるクールな美鬼神・・


ボクが驚いてるところに、紗良がニコッとしてボクに話す


「すご・・これ私だって!短くしたの初めてで自分に似合うだなんて思わなかったよ!千秋もありがとね」


なにかにつけてツンツンすぐ怒る紗良がボクに笑顔でありがとだって・・

まぁ紗良にはいつもお世話になってるからな・・

これくらいしてあげないと祟られるかもしれないしな・・

ボクの作戦は失敗したが・・喜んでもらえればいっか!

これをきっかけにボクに従順な鬼神になればいいのだが・・

いや・・人だった女帝を人の手でクールな鬼神にしてしまった・・

神の怒りに触れてもしかして祟が・・

今日の夜は嵐かも・・いや、噴火でも起こるんじゃないか・・?

もしそうなったら地球の神に紗良を生贄として捧げよう・・


脳内で神々の怒りの鎮め方を思いついたところで、ボクはニコッと笑顔を紗良に向けてやって話す


「モデルもビックリな変身ぶりだね、めちゃ似合ってるよ紗良?女帝は卒業かぁ・・例えるなら誰もが振り向くクールな鬼神って感じ?」


余計な一言も交えながら、面と向かってハッキリと言ってやったボク

紗良は一瞬怒りの鬼神になりかけたが、直ぐに微笑みの女神の表情を見せてボクに言った


「今日は大目に見てあげるわ、次は貴人(きじん)ね・・悪くないわね」


んっ?なんかちょっと違うような・・

鬼神と貴人・・

まぁ位が高いってとこは似てるし良しとしよう・・

聞き間違いしてくれたみたいだし、言い直したら絶対怒りに触れそうだし・・

そう言う事にしておこう・・


このあとボクは一応紗良のご機嫌を確かめるために、オススメのメイク術を教えて徳を積んでやった








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