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No. 9 仲良くしてください

「それでは初めまして。リオンだ。まぁ、よろしく頼むよ緑」



「よ、よろしく……」



スピカが落ち着いてから、スピカに軽く事情を説明し(その間リオンはスピカが持っていたカロリーメ○トのような携帯食を貪り食っていた)、リオンとスピカがお互いに自己紹介をした。

した、のだが……。



「お前、何でそんな攻撃的なんだよ」



自己紹介の間、リオンの口調は変わってない。

……口調はな。



「いや、何。この緑が君に好意を抱くことが無いようにな」



リオンは、オレの腕に抱きつきながらそう言った。

腕に柔らかいモノが当たって、健全な青少年としては、役得なのだが、全然嬉しくない。

こいつはさっきからスピカにガン付けしたり、露骨にオレにくっついたりしている。

オマケに変なプレッシャーを放って威嚇している。

ハッキリ言って、かなり怖い。



「え、えっと、まず、わたしのことはスピカって呼んで欲しいな」



「君に危険が無いと判断したらそう呼ぶこともやぶさかではないな」



遠慮無くストレートに言い放つリオンに、スピカが頬を引きつらせる。

リオン……。

薄々思っていたが、こいつには空気を読む機能が無いらしい。



「……お前、少しは愛想良くしろよ」



「無理だ」



即☆答。

仲良くしろよ……いや、マジで!



「……それにしても、二人ってちょっと似てるね」



あ、スピカが話しを逸らした。

まぁ、わざわざ続ける理由は無いし、乗っておくか。



「似てるか?」



「うん、顔立ちとか、目元なんかソックリだよ!もしかして、兄妹とか?」



似てるのか?

しかし、女に似てるって……。

確かにオレは妹と一緒にいるとよく姉妹に間違えられる程度には女顔だが……。

ん?



「どうかしたかね?」



改めてリオンの顔をマジマジと見る。

……なるほど、誰かに似ているとは思ったが、こいつまさか……。



「お前ーー」



「一応言っておくが」



まさかと思って聞こうとしたオレの言葉をリオンが途中で遮る。



「私は真冬(・・)ではないぞ」



「マフユ?」



唐突に出てきた人名に、スピカが首を傾げる。

真冬というのは、オレの双子の妹のことだ。

なんでリオンが真冬を知っているのかは知らんが、改めて見ると、リオンと真冬はソックリである。

目の色と身体のサイズを除けば瓜二つと言ってもいい。(ちなみに、オレと真冬はハーフである。オレは黒髪だが、真冬はリオンと同じ髪の色をしている)

逆に、何故今まで疑問に思わなかったか不思議なレベルだ。



「付け加えれば、私は未来の真冬とか平行世界の真冬とかでもなく、完全な別人だからな」



リオンが、オレが一瞬考えたことを即座に否定する。

う〜ん、リオン=真冬なら、今までの言動に一応の納得が得られたんだが。

まぁ、真冬はオレのことを秋矢とは呼ばないが。

口調も違うし。



「こういうことを聞くのもどうかとは思うが、お前、リオンって本名か?」



「本名だと言えるし、そうではないとも言えるな」



リオンは曖昧な返答をする。



「うーん、何か複雑そうだね」



スピカが頭に手を当てて唸る。



「まぁ、それもこれも秋矢が全て思い出せばわかる話しさ」



リオンが肩を竦める。

オレが全て思い出せば、か。



「頑張らないとな」



何とか記憶をサルベージ出来るようにな。



「ああ、頑張れ。それで、早く森を出ないか?」



投げやりっぽく聞こえるエールを贈られる。

リオンとしては早く森から出たいからだろう。

まぁ、森を早く出たいのはオレも同じだが。



「そうだね!と、言っても、もうほとんど出てるけどね!」



その後、スピカの案内で街に向かったのだった。














・指揮

スキルの一つ。かなりザックリ言えば、簡単な命令権を得られるスキル。集団を統一するのには便利。ただし、相手に従う気が無いと効果が弱まる。


・絶対音感

スキルの一つ。そのまんまだとしか言いようが無い。手抜きとか言うなよ。



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