第7話 2人のユナ
どこまでも続く静寂な荒野。月光が照らすその地に、歴史から忘れ去られたはずの遺産が眠っていた。
記憶を失った少年、カイ・タチバナ。彼が目覚めたとき、目の前にいたのは銃口を向ける一人の少女、リングだった。
「人機」と呼ぶ彼女と、「メモリア」と呼ぶ彼。
二人の出会いは、偶然か、それとも遥か昔に仕組まれた運命か。
高鳴る機体の鼓動とともに、止まっていた時間は今、激しく動き出す。
失われた記憶の断片を巡る、ボーイ・ミーツ・ガールの幕開け。
バルジーナの重厚なハッチが開き、ブシャー!!
白い霧が噴き出す。
中から女がワイヤーロープにぶら下がりながら、降りてきた。細身のボディスーツが月に照らされ、ヘルメットを取ると、金髪の少女が、銃を構えながらカイに歩み寄る。
リング: 「貴方、名前と所属を言いなさい。」
カイ: 「俺は、カイ・タチバナだ。所属は分からないけど……多分連合ぽいかな?記憶を無くしてて、正直、どうしていいか分からないんだ。」
リング: 「あんた、記憶喪失?面倒ね……。」
ドクン……ドクン……メモリアのコアの鼓動が180 bpm以上を超える心音が僅かに聴こる
リング((……この人機何?変…。))
「ねえ、この人機何?」
「え?人機?…メモリアっ言うよ。」
「メモリア?聞いたことない?ちょっと、人機の前から退いてくれる?」
少女はスキャナーでの個体識別信号(ID)をスキャンする。
ピッピッー
リング: 「……出たわ。識別信号、XR―0099MY。……連合の機密実験機ね。あんた、本当に何者?」
カイ: 「……俺、コールドスリープしてたって事は覚えてるんだけど……。」
リング: 「(絶句)……コールドスリープ? なるほど…冗談でしょ?……わかったわ、お手上げのリング、記憶ないんでしょ!それなら、私と一緒に来てくれない?私の名前は、リング・ユナ・アーティス!フリーの傭兵よ!」
その瞬間、カイが何かに、引っ掛かる。
「えっ?君、ユナって言うのか?」
「そうよ!おかしい?」
「いや、別に、かわいい名前だな?と思って!」
(………俺の記憶の奥底に…
ユナって言う子の記憶が有る一緒の名前だ……。)
「はぁ?それより一緒に来てほしい、力を貸して、地球を救うために!」
(この子良く分からないど……確実に強い人機だわ。これは戦力として使えるわ……。)
(……この子は、この人形と何かありそうな……?)
「分かった…行くよ。俺は、記憶無いけど、君についていけば記憶戻るきっかけになる、何するんだ?」
「私は、依頼を…」
夜の静かな荒野に鳴り響く爆発音。
ドーン!!
カイ「えっ、何回闘うんだぁ?」
リング「来たな、追手っ!!そんなの数えないで、戦場では、殺るか殺られるか!急いで乗って!?」
再び2人は、機体に乗り込んだ!
こうして、2人は再び戦場へ向かって飛んで行った。
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本作のキーワードは「鼓動」と「記憶」です。
ただの機械であるはずの巨大兵器から聞こえる 180 \text{ bpm} を超える心音。それは、主人公カイの失われた過去とどう繋がっているのか? そして、彼が反応した「ユナ」という名前に隠された真実とは……。
勝気な傭兵リングと、謎多き少年カイ。
性格も立場もバラバラな二人が、迫りくる追手を前にどう手を取り合って戦っていくのか。これからの活躍を、ぜひ見守っていただければ幸いです。




