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5話 パラソルンルン学園生活

オジサンに平和は似合わない。

 実技が楽しかった。普通に異能を使ったサッカーやってた。アニメの世界がここにあったよ。

 

 俺?傘使ってゴールキーパーしてたよ。楽しかったよね、もうここに骨を埋めても良いかもしれない。

 

「生徒会室には行かなくて良いのか?」

「ははは今行こうとしてたとこだよははは」

 

 現実逃避だよ。

 

 さて呼ばれた以上は逃げたら面倒だよな。面倒いごとは早目に済ませるに限る。

 

 影久と別れて3階にある生徒会室へ向かう。

 

 向かう......広すぎないか?見栄張って1人で大丈夫とか言うんじゃなかった。

 完璧に迷ったぞ。

 

 とりあえず3階ってのは間違えてないからこの階の何処かにはあるだろう精神で行くことにする。最悪はシロを呼べばどうにかなるだろう。

 

「呼んだ?」

 

 まだ呼んでません。

 

「そう 生徒会室は突き当たりにある」

 

 ありがとねシロさん、後で何か買ってあげる。

 

「ん」

 

 怖いなぁ今のひと言も話してないんだぜ?。

 

 それより場所は分かったから気楽に行くか。どんな用事だろうがなるようにしかならないしな。

 

 そして轟く爆音。

 突き当たりの部屋から吹き荒ぶ風と瞬く雷光が少し離れた位置にいる俺の鼓膜を揺らす。

 現れたのは緑髪の少年と紅みのある紫色の髪の少女。

 鬼ごっこというような朗らかな空気じゃないな、何処か人をバカにした笑みを浮かべる少年と殺意を滲ませた少女。

 

 確信する。

 

 やだもぅ絶対ヤバイ奴だよぅ。

 

「はははは! やった! あの鋼の風紀委員会長の着替え写真をゲット!」

「貴様!巫山戯るな!」

 

 よく分からないけど。

 はいギルティ、流石にそれはダメだよ少年。

 

 傘を開く、意識が後ろへ向いていた少年にとってはいきなり目の前に壁が現れたように感じただろう。

 すぐに傘を閉じて体勢を崩した少年の足を払い転倒させる。そのついでに手に持ったカメラを没収しておく。

 

 唖然とした少年と目が合ったから微笑んでおいた。特に意味はない。

 

 ついでに訪れる衝撃と感電したような痺れ。

 

 気をつけて 人は急に 止まれない。

 

 少年と一緒で急に現れたように見えた俺に驚いたのだろう。猫を思わせる目で吹き飛ぶ俺を呆然として見送っていた。

 

 すぐに傘を開いて減速する。良かった、コレがシロの飛び蹴りなら校舎を突き破ってたぞ。

 

 痛みも痺れもそこまでじゃない。なら問題無いな。

 

 オロオロとどうして良いか迷っている少女の肩を叩いて指を指し。

 少年を捕まえようと提案をしようとして気づいた。

 

「逃げられた 加減しすぎたかな?」

 

 さすが人の目を盗んで盗撮するだけはある。少なくとも俺には無理だ。度胸もないけど。

 

 とりあえず今は目の前の少女だ。先程の事があるからか少し気まずそうに視線を泳がしている。 

 流石にあの程度で気にされるのも可哀想だ。

 

「とりあえずカメラも回収したし確認してくれるかな?」

「あっああ! 感謝する」

 

 少女は差し出されたカメラを恐る恐る受け取る。

 それを確認して話を続ける。

 

「俺は灰原レン 生徒会長に呼ばれて来たんだけど......日を改めようか?」

「いやこの程度は日常茶飯だからな 問題ない それと先ほどは助かった」

 

 少女が改めてコチラに向き直る。

 

 凛とした佇まいに後ろで束ねた赤紫の長髪と鋭い双眸。思わず背筋を伸ばしてしまいそうな鋭い声が彼女の厳格さを物語っていた。

 

「私は紫藤 時雨 風紀委員の長をさせてもらっている」


 なんだろう彼女の声を聞いてると身が引き締まるね。

 

 やましい事は何もしてないけどさ?。

 

 俺は紫藤に心配されながら生徒会室へ案内された。

 お茶とお茶請けを出した紫藤は携帯使って何やら連絡を始めた。

 すぐに懐にしまうと少し眉を下げて小さく頭を下げられる。

 

「すまないなミリィは先生に呼び止められて少し時間がかかるそうだ」

「別に良いさ 用事があるわけじゃないし」

 

 それよりお茶請けが美味い。カステラなんて久しぶりに食べたよ、しっとりしていてパサつきが一切ない。丁寧な仕事振りが見てとれるほどに上品だ。

 

 帰りにでも買ってこようと思い紫藤に聞いてみると少し嬉しそうにはにかみながら。

 

「私の家で作ってるんだ もし良かったからご贔屓にしてくれ」


 よし、絶対行こう。

 紫藤に場所を教えて貰い、その延長線で軽い雑談をしていると生徒会室の扉が開き黄葉が顔を覗かせた。

 

「時雨!風紀委員室が酷いことになるってるけどどうしたの!」

「後で話す それよりレイを呼んだのなら待たせるのは感心しないな」 

「うっ ゴメンなさい灰原さん」

「気にしないでくれ 俺としては紫藤と話せて楽しかったぐらいだし」

 

 俺の知らない菓子やお茶の事を話すのは本当に楽しかった。

 正直今すぐにでもお店に行ってカステラを買って先生達に食べて貰いたいものだ。

 

 マジで美味かった。なんならもう少し食べたい。

 

「ふふふ そんな目をせずとも食べればいいさ食いしん坊だなキミは」

「......そんな目をしてたか? 恥ずかしいな」

 

 先生やシロもだけれどどうしてすぐに考えがバレるのだろうか?まぁ今はそんな事はどうでも良い。

 目の前に出されたカステラを

 

「少しだけお話良いですか?」

 

 あっはい。

 

「では私は風紀委員室の掃除をしてくる レイ食べすぎない様にな」

 

 うぃっす。

 紫藤は部屋から出るとすぐ隣から凄い物音が聞こえた。きっと倒れた扉を立てかけているのだろう。

 

 黄葉が向き直り表情を引き締める。流石にこの空気で舌鼓を打つのは場違いだろうとフォークを置いて話を聞く事にする。

 

「実は本日お呼びしたのは赤羽根博士から依頼がありましたのでそれについてお話しする為です」

 

 先生から?携帯には何も連絡が来ていないが......珍しい。

 

「今 生徒会総出でとある事を行っております」

「総出? 確かに誰も居ないのは気になってたけど……」

「冬眠から目覚め活性化した魔獣の駆除にあたっています」

 

 魔獣。先生の依頼。

 

 なるほど戦ってデータを集めろって事だな?理解した。

 

「流れは何となく分かったよ 魔獣駆除に参加しろって事ね」

「……はい 来たばかりの灰原さんに参加させるのは心苦しいですが」

「まぁ先生とシロ相手に言い返せないよねぇ それで俺はどうすれば良い?」

 

「ん 舌だけ噛まなければいい」

 

 あっシロさんどうも。さっきぶりですね。首根っこ掴んでどうするおつもりで?。

 

 急激な浮遊感、空が綺麗だなぁ。

 

「魔獣の群れの中に落とす がんばれ」

「いやいやいや!おかしい! さっきまで普通の学園生活してたのにこの落差はおかしい!」

「灰色は魔獣との戦闘経験ない つまりクソ雑魚 だから戦え」

 

 思考が蛮族なんよ。

 

 こうなった以上は逃げ道はないんだ!ちくしょう!やってやらぁ!。

 

「じゃ ガンバ」

 

 校舎ははるか後方。目の前には鬱蒼と生い茂る森の中。

 

 そして魔獣戦う3人の生徒達。

 

 とは離れた場所に目掛けて投げ飛ばされた。

 

 ......さぁ仕事の時間だ悪く思うなよ。

ご読了ありがとうございました。


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