自害と目的の達成
「!、」
「やひやは」
意味不明な声が頭にひびいた。すでにぼくにはなにもわからない。でも、やっと終わるんだ。自分をせめて、影で自害し続けた日々も…。オヤジには感謝しよう。あの投剣のお陰で死ぬことができる。姉は、ぼくのせいで死んだんだ。あのとき、ぼくはあの状況を楽しんでいた。…すぐに、終わらせることもできたのに、余計なパフォーマンスをしすぎた。そのせいで、姉の魂は消えたんだ!
ぼくのせいでぼくのせいでぼくのせいでぼくのせいで…ぼなはやだ。
スルメ、改めショリン・ソウェイル・メルスの魂はこのよからきえた世らきえた。
リーオンとケイイトは、スルメを揺さぶり続けていた。
「おきろぉ、独りだけ死んでもどうしょうもねえだろォ?」
ケイイトは裏返った声でスルメの頬を平手打ちしまくった。
「ラインが…ラインが…」
泣きじゃくりながらスルメの肩に捕まって、叫びまくるリーオン。
宿の外には雨が降っていた。
ここは? どこ? 咳き込みながら真っ暗をなぐった。手応えがあり、光が見える。
「「がはっ!」」
どうやら、土のなかに埋まっていたらしい。清々しい木々の匂いが鼻腔をくすぐる。こけむしった地面は、所々ライトグリーンの輝きを放っており何とても幻想的だ。先ほどのセリフは、誰かと一緒に言葉をハモったようなので、ソの相手を探して周囲を見渡す。
「久しぶり」
すっと通った慎ましい鼻。銀色の光をたたえた目は透き通っていて、銀色の髪は痛みがない。ただ、その肌は土に汚れて顔は真っ黒だった。
「また、会えたね♪」
すぐに自分の腰から下を抜いたスルメは、金色の瞳をイタズラっぽく光らせた。潤んでいる眼を隠すため、仕切りにしばしばとさせていた。口元にニヒルな笑みを浮かべて、癖っ毛な黒髪をわさわさとかきむしる。すぐに姉の手を引っ張って、土からだしてやった。
「[創作]」
すぐに、姉とぼくの普段着を作って、片方を渡す。
ぼくたちの話をしよう。これからのことを考えよう。ぼくはおどけた表情を作って大声でいった。
「いくよ、遅れちゃうよ?」
姉はにっと笑って、ぼくを後ろから追いかけてくる。
姉弟の楽しそうな声が、人気のない森にひびいた。




