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婚約破棄されたので、これまで王子の尻ぬぐいに費やした【請求書】を叩きつけたら国が傾きかけました  作者: ねこノにゃんたん


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第1話:婚約破棄と一通の請求書

ご覧頂きありがとうございます!

楽しんで頂けましたら幸いです!


「リリアーヌ・ヴァルハイト! 貴様のような陰険で冷酷な女との婚約など、本日限りで破棄させてもらう!」


豪華絢爛な王立学院の卒業パーティ会場。

中央で高らかに声を上げたのは、この国の第二王子であるルイス殿下だった。

彼の傍らには、守ってあげたくなるような可憐な男爵令嬢マリアが、怯えたウサギのように寄り添っている。


周囲の貴族たちがざわめき、あざ笑うような視線が私――リリアーヌに向けられた。


(ついに来た……!)


私は胸の中でガッツポーズを決めた。

表情には一切出さず、静かに深々と一礼する。


「承知いたしました、ルイス殿下。婚約破棄の件、謹んでお受けいたします」

「……は?」


予想外にあっさりと受け入れた私に、ルイス殿下は拍子抜けしたような顔をした。

泣き叫ぶか、すがりついてくるとでも思っていたのだろう。甘い。甘すぎる。私がどれほどこの日を待ち望んでいたか!


「ふ、ふん! 潔くて結構! これで私とマリアの愛は障害を失った! 早く私の視界から消えるが良い!」

「はい、喜んで消えさせていただきます。……ただ、その前に一つだけ、清算しておきたいことがございます」


私はすっと背筋を伸ばし、傍らに控えていた執事に目配せをした。

執事は恭しく、分厚い束になった羊皮紙をルイス殿下へ差し出す。


「なんだこれは?」

「『これまでの不始末に関する立替金請求書』でございます」

「は……? け、請求書……!?」


ルイス殿下が困惑しながら羊皮紙を開く。

そこには、私が過去五日……ではなく過去五年間にわたり、彼とその側近たちのために腹を括って処理してきた数字が、事細かに記載されていた。


【品目】

・ルイス殿下が独断で購入した超高級魔導馬車の代金(未払い):金貨二、〇〇〇枚

・側近(騎士団長の息子)が演習中に破壊した街の訓練場修復費用:金貨五、〇〇〇枚

・マリア様に贈られた『星くずのダイヤモンドネックレス』の購入費(※私の口座から引き落とされていました):金貨一、二〇〇枚

・その他、殿下が書類の遅延により発生させた損害賠償金および揉み消し工作費:多数


「な、ななな……何だこの金額は!? 悪ふざけもいい加減にしろ!」

「悪ふざけではありませんわ。すべて公爵家の監査を通した正式な領収書の控えがございます。合計で金貨一二〇、〇〇〇枚……当国の国家予算の約三割に相当いたします」


会場が静まり返った。

ルイス殿下の顔から、一瞬で血の気が引いていく。


「なっ……! 払えるわけがないだろう、そんな金額! 私は王子だぞ!?」

「ええ、ですから『婚約者』として私が内々にかばい、立て替えて差し上げていたのです。ですが、婚約が破棄された以上、ただの他人でございます。他人のお金を踏み倒すおつもりですか、殿下?」


私は最高の笑顔で、首を傾げてみせた。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

皆様に楽しんで頂けるよう今後も頑張ります!


評価や感想など是非いただけますと活動の励みになりますのでよろしくお願いいたします!


次回もお楽しみに!

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