第14話
ギルド中央に現れた光を、ラビィはわくわくしながら見つめていた。
「室長どんなキャラメイクしてるんだろ……」
光が形を取る。
長い髪。見覚えのある装備。凛とした立ち姿。
ラビィの思考が止まった。
「……え?」
そこに立っていたのは——
ラストだった。
「えっ? ラ、ラスト……さん?」
思わず声が裏返る。
「……あれ? フィニス室長は?」
ラビィは周囲をきょろきょろ見回す。
ナナミは口元を押さえて震えている。
ショーンは顔を背けて肩を揺らしている。
マヤは完全に笑いをこらえるモード。
努は必死に真顔を保とうとして失敗している。
「え、え? え?」
ラビィ、完全混乱。
目の前のラストが、くすっと笑った。
「ラビィさん、驚きましたか?」
聞き慣れた声。
でも姿はラスト。
「私はフィニス・アルヴェイン。プレイヤー名はラスト……と名乗っています」
「えっ……と……」
数秒フリーズ。
「えええええええええええっ!!??」
ギルドに絶叫が響いた。
メンバーたち、ついに吹き出す。
「やっと言えたー!」ナナミ
「反応100点っス」マヤ
「ず、ずっと黙ってるの大変だったんですからね…」努
「ラビィが気づかなすぎなんだよ」ショーン
ラビィはラストと記憶のフィニスを交互に見比べるように何度も瞬きした。
「え、でも、え、あの、レガリアで会った時はNPCって……」
「隠していた訳では無いのですが……レガリアのラストは私であって私で無い存在……まあ、モデルとして勝手に使われたって思って頂ければ……」
ラストの姿のまま、困ったように微笑む。
「何だか言い出せずに今日まで来ちゃいました」
口調は完全にフィニス。
見た目は完全にラスト。
情報が渋滞している。
ラビィはぷるぷる震えながら言った。
「なんか……見た目ラストさんなのに、中身室長なのややこしいです……」
メンバーたちがまた笑う。
フィニス(ラスト姿)が咳払いをした。
「まあ、驚かせるのはここまでで」
すっと表情が仕事モードに変わる。
「ではみんな、準備はいい?」
「は、はい!」
ラビィは慌てて姿勢を正す。
でも口元がまだ緩んでいる。
フィニスの視線が向く。
「ラビィさん」
「ひゃ、ひゃい!」
「怒りますよ」
「すいません!!」
また笑いが起きた。
フィニスは端末を操作する。
「今日の目標は、人数制限無しマルチクエストのクリア」
空中にクエストウィンドウが展開される。
「ラビィさんには追加任務」
視線がラビィに向く。
「パーティメンバー全員の生存」
ラビィは力強く頷いた。
「はい!任せてください!」
クエスト名が表示される。
《マルチクエスト:荒ぶる戦神》
《受注完了》
六人は、ギルドを後にする。
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平日:7時頃、19時頃の1日2話
土、日、祝:12時頃、20時頃の1日2話
です。
また、前作《月の兎、時代を駆ける~目指すはフルダイブ型MMORPG無双~》はこの作品の過去のお話となっておりますので宜しければ、そちらの方もよろしくお願いします!




