第13話
ベータテストが始まった当初。
ラビィはミスも多かった。
任務の取りこぼし。報告漏れ。操作の確認不足。
「す、すいません……!」
そんな声が開発室に何度も響いた。
だが——
いざ戦闘や探索となれば話は別だった。
「え、そこもう突破したの?」
「そのボスまだ想定到達レベルじゃないッスよ!」
「そ、そのルート、だ、誰も見つけてないんだけど……」
本来ならベータテスト段階では到達困難とされる高難度クエスト。
ラビィはそこから、しっかりと戦闘ログと挙動データを持ち帰ってきた。
「さすがトッププレイヤー……」
誰かがぽつりと呟いた。
ラビィは照れくさそうに笑うだけだった。
そして——
気づけば、二ヶ月があっという間に過ぎていた。
⸻
ベータテスト最終日。
フィニスが軽く手を叩いた。
「大分システムも安定してきたわね。今日はチームみんなでテストに入ってみましょうか」
「楽しそう!」
ナナミがぱっと顔を輝かせる。
「マジですか?」
マヤのメガネがキラリと光った。
「室長も行かれるんですか?」
ショーンが腕を組んで聞く。
「もちろん」
フィニスは微笑んだ。
「私たちのプレイヤーデータも揃ってるわよね?努くん」
「も、もちろんです!」
努は少し鼻息を荒くしながら端末を抱えた。
「じゃあラビィさん。今日の任務はマルチクエストよ」
フィニスは悪戯っぽくウインクしラビィの方を見る。
「私たち全員を生存させて、クエストクリアを目指してね」
ラビィの目が燃えた。
「はい!もちろんです!」
拳を握る。
「誰一人として死なせるわけにはいきませんので!」
その言葉に、チーム全員が笑った。
⸻
午後。
チームは休憩室へ移動する。
並んだ簡易ベッド。ログイン端末。
「じゃあ順番に行きましょうか」
ナナミからログイン。
次にマヤ、ショーン、努。
ラビィも深呼吸して横になる。
「行ってきます!」
視界が暗転。
⸻
目を開けると、そこはクロノス・レジェンズのギルド内だった。
高精細な光。磨かれた床。広がるホール。
「おー……やっぱ何回見てもすご……」
周囲には、すでにログインしているメンバーたちの姿。
ナナミが手を振る。
ショーンが周囲を観察している。
マヤはメニュー画面を高速操作中。
努は挙動ログを確認している。
「ラビィさん」
声をかけられ振り向く。
光が一つ、ギルド中央に現れる。
最後のログイン反応。
その光がゆっくり人の形を取る。
長い髪。凛とした立ち姿。
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平日:7時頃、19時頃の1日2話
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です。
また、前作《月の兎、時代を駆ける~目指すはフルダイブ型MMORPG無双~》はこの作品の過去のお話となっておりますので宜しければ、そちらの方もよろしくお願いします!




