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覚悟

 結局、あのあと私はすぐ寝てしまった。思ったより疲れていたらしい。夢の中で寝ていいのか心配になったが、私は食事とシャワーを済ませた後のまどろみに勝てるほど、できた人間じゃない。


 エデンの言語も、神様とか天啓も、魔法がどうたら適性者がどうたらというのも、そもそもなんでタイピングで魔法が出るのかも、口承とか筆記ってなんだよとか、「こっちの世界」への違和感とか……そういえば「英単語」って言ったけどなんで通じたんだろう、とか。聞くべきことはいっぱいあった。けど……。


 ……そういうの全部聞き損ねたまま私は寝た。そして起きた。起きたら全てが終わって、私はキーボードを枕に、ほっぺたにキーのあとをつけながら寝ていたことに気がつき、画面いっぱいにffffffffffみたいな意味のない文字列が並んでいて、面白い夢だったなぁと呟く……はずだった。


「おはようございます、ソメヤ様」


 ですから、夢オチではありません──チェレーゼの言葉を思い出す。起き上がって、天を仰いだ。キーボードが魔道具で、タイピングで詠唱し、1ヶ月待たないと帰りにいくらお金がかかるのかもわからない……荒唐無稽すぎる設定の異世界が、ここは本物なのだと、荒々しく私に主張している。


「洗面所はあっちですよ、覚えてますか? お顔を洗って歯磨きしてきてください。あと着替えはそこに……」


 まるで母親かのように、私の世話を焼いてくれるチェレーゼ。私は彼女から借りた寝巻き姿のまま、とりあえず、一度頬をつねった。普通に痛い。


 こうなればしかたない……やるしかない。ジムで研鑽を積み、大会で賞金を稼ぎ、名前を売り、クエストを受注し……"最強タイピスト"になって、元の世界へ帰らねば!

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