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私、スライム娘になります!  作者: 日高 うみどり
第6章 1015年

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6-23話 名も無き獣たちの哀歌(2)

「だ~~っ、クッソ!!」


「ハーッハァ、これで10連敗だな!」


 元ドゥーンズ達のアジト、ミンスリー砦の寝室。3人の男がカードゲームに興じている部屋に、盗賊の若き男、モノが入ってくる。


「おうモノ、いい所に来たな! これ片づけとけ!」


 負け続けてイライラしていた男は、カードや酒瓶、ツマミの皿の片づけをモノに押し付ける。


「あの、俺も見張りが終わったばかりなんですが……」


「うるせえ! とっととやっとけ!」


 男は、怒鳴るだけ怒鳴り、そのまま寝袋でふて寝してしまった。


「チッ……」


 モノは、外の警備のシフトが終わったばかり。しかも交代要員は予定より1時間も遅く現れ、その分余計に働いたばかりだ。

 文句の1つや2つ言いたいところだが、ドゥーンズの掟は上下関係に厳しく、例え無茶苦茶な指示でも逆らおうものなら、先輩方の暴力が待っている。


 仕方なくモノは、空になった皿と酒瓶を片づけるために手に取る。

 どこかで大きな音がしたような気がしたが、どうせ誰かが喧嘩でも始めたんだろう。首を突っ込むと碌なことが無い……そう思ったモノは、そのまま炊事場へと向かった……。




 砦の正面広場付近にいたドゥーンズの盗賊たちは、大きな物音の正体を確かめるために、正面広場へと顔を出す。

 砦の入口の大きな扉を見て、その異変に驚く。


「な、なんだ、ありゃあ……」


 砦の防衛力を支えていた、強固な鉄製の大扉。その扉に、細長い何かが突き刺さっている。

 それは、鉄製の長い棒のようではあったが、見ようによっては、巨大な矢のようにも見えた。


 さらにもう1発、轟音と共に、巨大な矢が扉から突き抜ける。


 慌てた1人が高い位置へと登り、砦の外の様子を伺う。

 すると、橋の向こうに何かが見えた。


「ありゃあ……なんだ、牛か?

 い、いやあれは……まさかあの時、南南西の森にいた……ミノタウロス……?」


 暗がりの向こう、その牛の魔物らしき生き物は、扉に向けて大きな大きな弓のようなものを引き絞る。

 そしてそこから放たれた細長い大きな何か……3発目の巨大な矢は、内側から扉を押さえていた閂を貫き壊した。


「と、扉が開くぞ!?」


「敵襲! 敵襲だ~~~!!」


 盗賊たちが大声でわめくのと同時に、橋の向こうから異形の集団が、こちらのほうに渡ってくる……。




 *********************************



「いょっしゃあ!」


 ロランは、思わずガッツポーズを取る。


「おお~、やるじゃん!」


 牛の姿をしたロランに向けて、草の影からコルネットが声をかける。


「ありがとうございます。コルネット先輩の指導のおかげです」


「いやいや、それほどでもぉ~」


 まんざらでもなさそうに、嬉しそうにコルネットは答えた。



 去年の年末、『ミノタウロスのジョブマニュアル』の力により、ミノタウロスの姿へとなる事が出来たロラン。

 しかし、本来ならミノタウロスが得意とするはずの大斧や大剣と言った重武器は、ロランにはいまひとつ適さなかった。

 ロランは本来、弓使いやシーフなどに適性があり、近接型重武器は不得手だった。


 そのため、弓の腕と、ミノタウロスの体躯を共に生かせる武器を模索する事となった。


 結果たどり着いたのは、大型の弓矢。

 『バリスタ』と呼ばれる、本来ならば据え置き型で使う大型弩砲のようなサイズをした、巨大な弓と矢だった。そんなサイズでも、ミノタウロスの体躯なら、普通の弓のように持って使う事が出来た。

 

 大型弓矢の指導は、弓による長距離射程を得意とするコルネットを頼る事となった。


 結果、命中精度はまだコルネットには遠く及ばないが、強力な破壊力を持つ『携帯型攻城兵器』とでも呼べるものに仕上がった。



「じゃあ、俺は救出部隊のほうへ行きます。後はよろしくお願いします」


「あいよ~」


 橋を渡るフロム・エデンの面子を見守った後、ロランはその場を離れ、裏手へと移動した。





 ミンスリー砦の扉の向こうには、少し開けた広場が存在する。

 扉から入ってきた侵入者と砦の防衛軍が、その広場で戦闘を繰り広げるためのものだ。


「ぐあああっ!?」


 応戦に出た盗賊が一人、また一人倒れる。

 広間の真ん中で、ヒョウの獣人の女性、ジュネが、その手に持つ槍を振り回す。


 片手で槍を持ち、もう片方の手で発光魔法を放ち、目を眩ませながら薙ぎ払う。



 

「く、クソッ!」


 砦の中から増援のために出てきた盗賊たちは、その入り口で盛大に転ぶ。


「へっへ~んだ!」


 ミンクの獣人の少年、キュイが、あかんべーをしながら盗賊たちを笑う。

 手にはロープが握られていた。そのロープで、出入口から出てきた盗賊を引っかけ転ばせていた。


「てめえっ!」

 怒りに任せた盗賊がキュイの前に近づくと、突如足元に激痛が走る。

 その足にはいつの間にか、トラバサミのようなものが食い付いていた。




「何しているんだ! 早く弓で攻撃しろ!」


「へ、へい、ですが……ああっ!」


 広場の上方から弓矢を放って攻撃するはずの弓持ちの盗賊たちだったが、全く矢を放つことが出来ない。

 弓を引き絞ると、必ず弦がプツリと切れてしまうのだ。


 事前に潜入していたメルティには、情報収集以外にももうひとつ役目があった。

 それは、戦闘になる前に、できるだけ盗賊の武器に細工しておくことだった。


 武器置き場に置いてある弓の弦を切り、自身のスライムの粘着液でくっつけ直す。

 見た目はちゃんと弦がくっついているように見えるが、実際には粘着液でかろうじて保っているだけのため、ちょっと力を入れるだけで弦が切れてしまう。


 他の武器にもいろいろ細工していた。

 剣があれば、鞘に粘着液を入れて抜けないように。

 槍や斧があれば、手に持つ柄の部分に溶液を仕込んで、持った時にぬるぬるして力を入れて握れないように。

 

 細工の結果は抜群で、武器を普段その辺に置きっぱなしの盗賊のほとんどが、まともに武器を取って戦う事が出来なくなるか、戦闘の場に大幅に遅刻する事となった。

 まともに戦えたのは、予め真面目に武器を携帯していた盗賊だけだが、それも十数人のみで、一人また一人と地上の亜人達に倒されて行っている。


「あったぜ、まともな弓!」

 

「は、早く援護……を……」


 下の広場めがけて弓を構えた盗賊たちは、安全な位置にいるはずの自分達に向かって、何か大きな塊が近づいてくるのを感じた。


 それは大きな獣だった。

 広いはずの広場の壁を、三角飛びの要領で跳ね登って近寄ってくる。

 ……そしていつの間にか、大きな獣は自分達の背後にいた。


「あ……あ……あ……」


 大きな獣にギロっと睨まれ、震えて固まってしまう弓持ち盗賊たち。


「姉ちゃん、やっちゃえー!」


 何故か、獣の背中から少年のような声が聞こえた。獣の背に乗っている子供のような何か……それを確認する前に、獣が大きく口を開け、その口の周りに火の玉のようなものが出てくる。


「うわあああああっ!?」


 獣に背を向けて逃げ出した盗賊は、自分の背中に熱いものを感じた瞬間、その熱風によって吹き飛ばされてしまった……。




「やっぱりテメエ等の仕業か、チビ」


 騒ぎが収まらない広場から少し外れた馬小屋のあたりで、2人の盗賊が、1人の小柄な少女の両側に立ち対峙していた。

 パティと2人の盗賊……南南西の森で出会い、そして3日前のフロム・エデンのギルドで対峙していた、あの2人だった。


「乗り込んで来るとはいい度胸だけどよ、お前みたいなチビが戦力になんのか? あ?」


「そんなデカい剣、ふりまわせるんでちゅか~?」


「…………」


 あの森の中での事を再現するかのように、盗賊たちはパティの事を揶揄う。

 パティの手には大きな大剣が握られていた。小柄な体躯にはどうしても似つかわしくなく、どう見ても振り回せそうにない。


「……今回は、邪魔、入らない。隠す必要も、ない」


「おうやるか? やってみろよ、チ……ビ……?」


 身長の低いパティの顔を見下ろす様にしていた盗賊は、次第にその視線が上へ上へと移動する。

 舐め腐っていた目が、だんだんと怯えてような目に変っていく。


エビアン、バトゥヌ(じゃあ、戦うよ)

 

 先程までは小柄な体に似つかわしくはなかった大きな大剣は、今は非常に小さく見える。まるで小さく短いショートソード……いやそれより小さなナイフ……いや果物ナイフ……。

 実際にはパティの今の身長は3メートル程度で、大剣はそこまで小さなサイズ比になっている筈はないのだが、それは盗賊たちの恐怖心から見える幻覚か。


ウィッ(えいっ)


 小さなステーキナイフの刃のない側部で、盗賊は頬をぺちっとはたかれる。とてもそうとは思えないほどの威力で盗賊は遠くへ吹っ飛び、ぎゅるぎゅる回転しながら藁の束に頭からぶっ刺さる。



「わ、わあああああああ~~~~っ!?」


 残されたもう1人の盗賊は、腰を抜かしながら逃げ出す。

 転がるように這うように逃げに逃げ、かなり遠くまで逃げた、と思っていたが……背後から、ぬっと大きな手が伸びる。

 背後にいる20メートルもある巨人にとっては、腕の届く範囲でしかなかったのだ。

 そして男は、巨人の指につままれ、そのままぷちっと頭を潰されてしまった……。



「|オ、ジビャドュ ディエクニソス?《あれ、気絶しちゃった?》」


 逃げているように見えて全然進んでいない盗賊の首をつかんだだけなのにな。

 パティは不思議そうに、泡を吹いて白目を剥いている男を眺めていた……。




 *********************************




「すみません、遅くなりました!」


「ロキ君、おっそ~い」


「あ、ごめん、マリナ……ちゃん」


 砦の裏口の人質救出チームと、ロランは合流する。

 ロランの姿を見て、ロランの事を本名のロキと呼び、マリナはにししと笑う。

 20代の受付嬢のはずのマリナの姿は、14歳ごろの少女の姿へと若返っていた。

 

「もうすぐ修理が終わるよ!」


 妖精のエアリスが、状況をロランに報告する。

 その傍らでは、木の樹人パインが、木を操っていた。



 ミンスリー砦には1か所、裏口があった。

 炊事場に直通する外階段で、かつてここに駐在していた兵士が食料の搬入に使っていた場所だ。

 外部露出の屋根なしの外階段になっていて、材質は木製だった。

 しかし砦の放棄の後は老朽化が進み、現在はとても人が登れる状態では無かった。盗賊たちは老朽化したまま放置していた。


 しかしパインなら、その木を操る事が出来る。

 朽ちた木を魔力で一時的に若返らせ、元の強度を復旧させる。最も一時的に生命力を与えただけで、2~3時間で元の状態に戻ってはしまうが。

 足りない部品は、救出部隊のエボシとシャドウ、それにシェットが協力して薪や丸太を集め、復旧の足しにした。

 救出する人質の人数が予定よりも多くなりそうだという事で、少し時間をかけて強固に修理する事となり、その分時間がかかってしまったが、結果としてロランの合流に丁度いい頃合いとなった。


「よし、行くぞ」


 カメレオンの獣人エボシの合図で、救出部隊は復旧したばかりの通路を通って潜入する。

 非戦闘員のパインと、戦闘には加わらない契約のシェットは、そのまま残り、森の中で待機する。

 

 中に入るための炊事場の勝手口の扉は、鍵がかかっていた。

 炊事場の松明の影で木箱のあたりに影が出来ている事を確認すると、シャドーマンのシャドウは、エボシの影の中に入り、室内の木箱の影からゆらっと出る。

 そのまま勝手口の鍵のつまみをひねり、鍵を開け、エボシ、エアリス、ロラン、マリナを中に招き入れる。



「……ったく、何で俺がこんな事……」


 炊事場では、若い盗賊が1人、何やらぶつぶつ文句を言いながら洗い物をしていた。入口付近の騒音は、ここまでは聞こえていないらしい。

 こちらには背中を向けていて、エボシ達には気づいていない。


 妖精のエアリスは、若い盗賊の背後にこっそり忍び寄り、頭の上に浮かび、羽根の鱗粉を静かに振り撒く。

 若い盗賊は、鱗粉の魔力により、そのまま眠ってしまった。



 戸棚に隠されたレバーを動かし、隠し通路への扉を開ける。

 その裏の階段を下りた先に、牢屋に入る手前の前室があり、そこにも見張りの男がいた。机の上に足を乗せて、退屈そうに椅子に座っていた。

 背後からは忍び寄れない角度で椅子に座っているため、先程のようにエアリスが近づくことが出来なかった。

 がしかし、エボシが自分の体の色を変える。カメレオンの獣人である彼の能力で、皮膚の色や模様を壁と同じに変化させた。


「ん? ……気のせいか」


 エボシが壁を伝って移動する際、壁の模様との整合性に多少の違和感は出るが、小さく揺らめくカンテラの明かりでは、そこまではっきりとは分からない。

 エボシは堂々と見張りの男に近づき、後手に隠していたエアリスの鱗粉付きのハンカチを男の口にあてがう。

 何が起こったのか認識できないまま、見張りの男は眠りについた。


「……よし、あったぞ、鍵だ」


 見張りの男の腰から牢屋の鍵を奪い、牢へと続く扉を解錠し、牢屋の中に踏み込んだ。


 

 

「エボシ兄ちゃん!」


 犬の獣人のティムが、皮膚の色を戻し入ってきたエボシの姿に気付く。

 その声で、猫の獣人のノルとシュシュもエボシに笑い顔を見せるが、喜びの声を上げないよう、エボシがジェスチャーで『静かに』と伝えながら鍵を開ける。


 エボシ、エアリス、そしてシャドウと再会した子供達は、静かに抱き合いながら再会を喜んだ。



 その光景を少し離れて見ていたマリナとロランに、少し遠慮がちな声が掛けられる。


「あ、あの~。できればボクも助けて貰えると嬉しいんだけど……」


 向かいの鉄格子を握りながら、猫耳族の女性がこちらに声をかけてきた。


「アンタ、何で捕まったんだ?」


 ロランが彼女に問う。


「いや~、ちょっと盗みに入ったら、アイツ等に捕まっちゃってさあ」


 ロランとマリナは顔を見合わせる。

 どうやら善人ではないようだが……。


 マリナは彼女に話しかける。


「えっと、リオレ……さんですよね。

 何度か盗みで指名手配されたり取り下げられたりを繰り返している、街のフリーの盗賊の……」


「お、ちっちゃい子なのによく知ってるね~」


 マリナは今は14歳程度の姿に『変身』してはいるが、元々は冒険者ギルドの受付嬢。

 この手の指名手配の情報は逐一頭に入れていた。

 


「なんでこんな砦に?」


「ドゥーンズの連中、いっつもボクの事を目のカタキにしてたんだよね。だからちょっと仕返ししようと思ったらさ、運悪く取っ捕まっちゃって」


 ロランとマリナは顔を見合わせる。

 リオレが最後に指名手配されていたのは去年の夏頃までで、今現在は取り下げられている。

 裏ギルド界隈では未だに追われているらしいが、とりあえず今現在は冒険者ギルドや憲兵隊とは対立していない。

 それに確か……盗賊と言っても、一応義賊だったはず。


「……という感じで、問題は無いと思うんだけど……」


「そっか……」


 鍵を手に取り、ロランは牢屋の鍵を開ける。


「……この子達が安全な場所に行くまでの間、協力してくれるというのなら」


「へっへっへ。了解。おまかせあれ、牛のダンナ」


 妙に芝居がかった台詞と共に、リオレは出てきた。


「さて……えっと、あと1組よね」


 さらに奥の牢屋を見る。

 メルティの情報では、そこにもとらわれた人がいたはずだ。

 ヒト族の大人の女性が1人、子供が2人……。


 3人は一連の騒ぎにも気づかず、すやすや眠り続けていた。


「薬か何かで眠らされているようね」


「マリナちゃん、なんとかできる?」


「まかせて!」


 マリナは赤魔導士のバインダーを取り出す。マリナが受付嬢になる前、冒険者時代に使っていたものだ。

 そのバインダーから『睡眠解除』のページを開き、呪文を発動させ、ひとまず手前にいた子供2人を目覚めさせた。


「…………ん、あれ……?」


「あ、気が付いた?」


 共に10歳くらいの男の子と女の子は、寝ぼけた目をこすりながらマリナのほうを見る。


「……あれ、マリナ、ちゃん……?」


「……へっ?」


 マリナは虚を突かれたような声を上げる。


 マリナはこの2人の子供とは面識がない。当然、名前を知られているとは思えない。

 マリナは本来なら20代。この『14歳の姿』は、ほぼ10年程度前の姿のはずだ。

 だからこの姿のマリナがマリナだと気付く人はいないはず。だからこそ、この少女の姿に変身したはずなのだ。

 10年以上前、少女だった頃に会っていたのならまだ面識があるのは分かるはずなのだが……この子供達はどう見ても10歳前後の子供だ。10年前に会っていても、覚えているとは思えないのだが……。

 しかし……そういえばメルティもそう言ってはいたが、マリナもその子達の事を知ってはいるような……そんな不思議な感覚があった。


「えっと……誰、だったっけ?」


 マリナは子供達に聞いてみたが、子供達はその問いに気付かず、傍で寝ていた女性を揺さぶる。


「ね、ね、お姉ちゃん。マリナちゃんだよ。牛のお兄ちゃんもいるよ」

 

 マリナはしばし放心していたが、まだ眠り続けている女性の事に気付き、その女性にも魔法を唱える。

 寝ている時は気付かなかったが、長い髪、そして胸の大きい女性だった。

 

 彼女は子供達と同じように眠い目をこすった後、マリナの、そしてロランの顔をぼーっと見る。

 そして、牛の姿のロランを見て……怖がるどころか、喜んだような顔になり……


「ロキさん!」


 ロランの本名を叫びながら立ち上がろうとする女性。しかし睡眠薬の影響が残っているのか、上手く立ち上がれずよろめいて、ロランの胸元に飛び込むようにして倒れる。


「えっ? えっ? えっ……?」


 女性のその大きな胸を押しあてられながら喜び抱きつく彼女を見て……ロランもまた、何が何だかと言った表情で固まってしまうのだった……。






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