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異世界行ってもチーム・グリフォン!  作者: 財油 雷矢
MISSION:お姫様を助けよう

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荒野を駆け抜けよう

地震の影響はだいぶなくなりました。それでもスーパーやコンビニはやや品薄っぽいですし、未だに不自由な生活を送っている方もいらっしゃいます。

また忘れたころに余震もあり、まだまだ先は長そうです。雪が降る前にどうにかなって欲しいものです。

 最初に議論を呼んだのは「誰が行くか」であった。ピックアップトラックのワイルドパンサーは前三人後三人の六人乗りである。あたしとジェルは決まっていて、ルビィことルビリア姫の近しい人ということで第八騎士団副団長のソフィアさん。そして、


「いやぁ、楽しみだ。」

「おいこらバカ王子。その『楽しみ』ってなんだ? 分かってると思うが遊びじゃないんだぞ。」

「ん? ギルは楽しみじゃないのか? あの乗り物。」

「む……」

「それこそギルが先に帰って、根回しをしてくれてもいいんだぜ。」


 きっと今ギルさんの中には色んな考えが渦巻いているのだろう。

 ギルさん言うところのバカ王子、ゴルド王子はどこか勝利を確信しているような顔をしている。


「……バカ王子一人放置は出来んか。」


 深いため息をつくと、ギルさんが疲れたように首を振る。


「なんていうけど、ホントはギルも乗ってみたいんだぜ。」

「くっ……」


 図星なのか、言葉に詰まるギルさん。


 ……まぁ、しょうがないよね。


「では、私たち以外はソフィアさんと、そちらのお二人でよろしいですか?」


 ジェルの問いかけに三人が頷く。


「それでは外にパンサーがいますので、荷物は後ろに積んでください。」


 と、あたしが用意したトランクも一緒に持って出ようとしたジェルだが、ふと思い出したようにソフィアさんの方を向く。


「多分ですが、鎧は不要と思いますよ。」

「そ、そうか……」


 朝からキッチリ鎧を着こんでいたソフィアさんが困惑した表情を浮かべるのを、後ろでハンスさんが笑っていた。



 さっきも説明した通り、ワイルドパンサーは六人乗りであるが、前は真ん中の席が補助席みたいになっていて、普段は使っていない。

 とはいえ、元々ワイルドなサイズなので、小柄――あたしやリリーくらい――な人なら十分くらいの大きさがある。

 なんでそんな話をするかといえば、運転はしないが誰にも触らせたくないので運転席がジェル。あたしは普通に助手席。ソフィアさんともう二人は後部座席の予定だった。

 が、ソフィアさんが後ろに乗るのを嫌がった。マッチョに対する生理的嫌悪、という訳ではなく、アレでも一国の王子なわけで、その下の騎士団の所属としては恐れ多いというわけだ。


 ……正直あたしには分からない感覚だが。


 で、そうなるとあたしがそのマッチョ二人と一緒に座るのも嫌で、補助席の出番となったわけだ。

 一応、今の想定だと夕方くらいまでには着く予定なので、用意はしているが野営の予定は無し。リーナちゃんがお弁当を用意してくれたので、お昼の心配も無し。

 顔なじみになった門番たちに見送られて、パンサーが出発した。

 街道は言うまでもなく舗装はされてないが、それでも数多くの人や馬車が通ったため、そこまでデコボコはしていない。そんな道をパンサーの自動運転で駆け抜けていく。六十キロくらいは出ているかな?

 それでも途中で他の旅行者や馬車が見えたら、速度を落として大きく迂回して避けているので、そこまで高速で走れるわけではない。

 ハイウェイみたいなものがあってノンストップで行けるなら、それこそ昼過ぎには着くんだろうなぁ。

 あたしたちはすっかり慣れているが、この速度はこちらの世界の人たちには未知だろうな。もしかしたら魔法とか魔獣とかで実現できるのかも知れないが。


「…………」


 あたしの隣、助手席に座ったソフィアさんが窓にへばりつくようにして流れる風景に目を輝かせている。

 背も高いし、クールだし、スタイルもその、凄いが、もしかして思ったよりも若い、というか、あたしと同じくらいの年の


「凄いな。これほど速く、しかも安定して走る乗り物を俺は知らない。」


 ギルさんが真剣な目で車内を見回している。


「魔力の動きは全く感じられない。無論生物でもない。……何なのだ、これは。」

「聞いてるかと思いますが、私たちはとても遠いところか来ました。」


 運転はパンサー任せなので運転はジェルが振り返っても問題はない。


「我々の住んでいる場所には魔法が一切ありません。そのため、長い年月をかけて技術を発展させました。」


 まぁ、後は簡単な歴史の話だ。人は「技術」や「科学」を発展させ、宇宙へも行けるようになった。

 ただ、発達した「技術」は誰にでも使える物で、それこそ子供でも銃を持てば人を殺すことができる。それが良いのか悪いのかは分からないが、あたし達の世界は「そう」だからしょうがない。


「この世界の歴史がどれくらいあるか分かりませんが、たぶんこの世界は魔法が便利すぎて、おそらく文明はさほど発達してないのでしょう。」

「耳が痛いな。」


 ちらっと後ろに目を向けると、ジェルとギルさんが色々議論を始めた。なかなか難しいい話になったので、さっさと王子が飽きて窓の外に目を向けた。馬車とかなら外は見づらいだろうし、そもそも揺れがひどいはずだ。こんな風に高速で流れる光景はさぞ珍しいかろう。

 あたしも折角だから、ソフィアさんに声をかけてみた。


「えっとぉ……」


 なんか適当な話題無いだろうか。あ、そうだ。


「ねぇ、ルビ……リア姫、ってどんな人?」


 あたしの声にソフィアさんがゆっくり振り返る。愛おしさとどこか寂しげな表情を浮かべながら口を開く。


「ラシェル殿はしばらく姫と一緒におられたそうですね。ラシェル殿の知ってる姫とは違うかもしれませんが、聞いてください。」


 そう、ソフィアさんは語り始めた。

ちょっと展開に悩みつつも、どうにかこうにか。

お読みいただきありがとうございます。

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