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異世界行ってもチーム・グリフォン!  作者: 財油 雷矢
MISSION:騎士団を鍛えよう

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一人になってみよう

30分!(だからどうした)

取り急ぎ更新します。

 さて、あれから特に変わったこともなく、テオ達の訓練が続いている。ジェルはジェルでモスたち魔法使いと新しい魔法の使い方を研究している、ということで微妙に仲間外れにされてしまった。

「雄牛の角亭」の仕事の手伝いをできるわけでもなく、外をブラブラや部屋でゴロゴロも何か違う。……ああ、うん。手伝いくらいできた方がいいのは分かってる。

 とりあえずジェルには敷地内にいることを伝えて、この前リリーがホバーボードの練習をした裏庭に向かった。

 そこには凄い光景が広がっていた。



「はっ!」


 まさに裂帛れっぱくの気合の声が上がると、空気を分子ごと断つような斬撃が走る。それだけでは止まらず、速度を変えぬまま流れるように漆黒の刃が走り続ける。

 とにかく速い。剣筋も、足運びも、身のこなしも速い。

 足は確か草を編んだような履物だったはずだが、そんなことをまるで感じさせないし、そもそも足音すらほとんど聞こえない。服も結構ヒラヒラした感じで髪も長いので動きづらそうにも見えたが、全然そんなことはない。

 まるで黒い竜巻だ。巻き込まれたら木っ端微塵(みじん)じゃなくて微塵切りにされてしまうだろう。



 危険な風がいだ。


「おお、済まぬな。

 気付いてはおったが、手を止めたらラシェル殿の気遣いを無にすると思ってな。」


 汗一つかいていないサクさんが鞘に僅かに沿った剣を納める。


「拙者に何用か?」

「あ、いや、そうじゃないんだけど。というか、サクさんがこんなことやってるの知らなかったから。」

「おお、そうであったか。」


 あたし達の知ってる「キモノ」に似た服を着た妙齢の美女のサクさんだが、その正体は力の大半を失った黒竜である。その身体も服も、腰に差した剣も魔力で出来ているらしいが、触っても全く分からない。

 ただまぁ、仮の姿だと思えば、鍛錬なんて意味があるだろうか? 気になったので聞いてみた。


「うむ。確かに拙者の身体は魔力で作ったからくり人形のような物と言っても過言ではない。とはいえ、操り人形だとするならば、そのり方を練習することは必要であろう?」


 なるほどなるほど。


 ゲームのキャラに例えるのもアレだけど、操り方を練習すればその分上手くなる、ってことか。

 それにしても力の大半を失っているとはいえ、竜というのは凄いものだ。おそらくヒューイやカイルでも敵わないだろう。装甲服を着たらどうなるかはちと分からんが。


「えっと、サクさんって魔法とか魔術、みたいなものは使えるの?」

「拙者はちと考えることが苦手であってな。あんまり人間の使う魔法は知らぬのだよ。それに竜の魔法と言うのは根本的に違う。

 そもそも竜にとっては空を飛ぶこともすでに魔法だからな。」


 え~と、ちょっと待てよ。


 単純に考えると、巨大なドラゴンが空を飛ぶのは空力的に無理があるだろうし、エンジンが着いてて推力を得ているわけでもないだろう。そうなると、何らかの魔法的手段で飛んでいる、ってことだ。そもそも、ロックバッファロー程度でも巨大な生物が重力に逆らって存在するのも難しいはずだ。


「でも魔力は見えるんだよね?」

「うむ、確かに。拙者ら竜は身体が魔力で出来ているので、程度はあるが魔力を見たり触ったりできる。」


 ジェルが無理に魔法を使って、身体を壊しかけた時にサクさんが(無理やり)治してくれた時に見たっけ。


「ラシェル殿は右目に不思議な力が宿っているようだな。」


 あ、うん。ルビィがあたしの中に入って心が繋がってからだと思うが、あたしの右目はいつもの碧眼から赤く変化している。そのせいだろうか、なぜか魔力というものが何となく見えるようになっていた。

 もしかしたらそれを利用して魔法的な物が使えないか、と考えたわけだ。大体、良くある話だと、魔力を感じることが魔法の第一歩みたいなのが多いから、あたしも自分の中に魔力を感じ取れたらもしかして、思ってたのだが、どうなんだろ?

 ちなみにサクさんを右目で「視」てみると、全身がほんのりと発光していて、今まで見たことないパターンだった。これがおそらく「魔力を帯びている」か「魔力で作られている物」の「視」え方なのだろう。サクさんの身体も服も腰の剣もすべて均一な光の強さだ。おそらく「人の姿」をしていて、本質は全く違うのだろう。そういえばジェルも最初に出会ったときに生物としての熱分布がおかしい、と言ってたっけ。


 今度は自分の手を「視」てみる。

 うっすらとではあるが、身体の内部に赤い光がうっすらと走っているような気がする。

 おそらくはジェルの予想通り、身体の隅々まで流れる液体――血液に沿って魔力が循環しているようだ。

 これが魔力か……


「さて拙者は店に戻るとしよう。

 老婆心での忠告だが、臆病すぎるくらいがちょうど良い。臆病者は考えて考えて考えるから怖い、とな。」


 では失礼、と足音も衣擦れの音もたてずにサクさんが裏庭から出ていった。

 こうして一人になると、頭の中のルビィに呼びかける。


 ねぇ、魔法の使い方、教えて。

お読みいただきありがとうございます。


次回は説明会になりそう?

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