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異世界行ってもチーム・グリフォン!  作者: 財油 雷矢
MISSION:騎士団を鍛えよう

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久しぶりに会おう

「孤独のグルメ」を見ながらですが、どうにかこうにか一時間以内に収めました(何をだ)

 また少しダラダラしてきたので、話を動かす方向にせねば……

 甘いものが食べたい、というあたしのささやかな願いは叶わなかった。

 悲しみに暮れていると、ここ数日顔を出してなかったガイザックさんと領主のジェニーさんが「雄牛の角亭」に入ってきた。


「よぉ、いない間に色々あったそうじゃねぇか。」


 駆けつけなんちゃらでビールをグビグビと喉を鳴らして飲み干したガイザックさんは、ニヤニヤと楽しそうな笑みを浮かべていた。


「騎士同士の模擬戦だってな。しかも相手は悪名名高い第三騎士団だそうだな。

 対するは騎士見習いですらない素人の集団。けどそいつらにはスゲェ奴らがついているんだろ?」

「それはともかく、向こうの様子はどうなったんですか?」

「ん? ああ、向こうな。だいたい片付いたぜ。パンサー様様さ。」


 チームグリフォン(あたしたち)が北の鉱山で暴れた巨大ムカデとか巨大ワームを退治したわけだが、こちらは破壊力専門なので、後始末という政治的な仕事には向いてない。なので現地の人に丸投げしたわけだ。心苦しいが…… あ、うん、たぶん嘘。

 ピックアップトラックであるワイルドパンサーを使うことをあの手この手で頼み込んで借り受けて、日に何度も往復していた。

 馬車でも二時間程度。とはいえ往復すれば半日は潰れる。でもパンサーなら速度を抑えても三十分もあれば移動できる。しかも御者も不要で乗り心地も悪くないし、荷物を運べる量も十二分にある。


「まぁ、おかげで後三日はかかる予定だったのが、すでに私の手を離れたよ。」


 残念ながら書類整理はこれからだけどな、と苦笑いのジェニーさん。冷やした白ワインでロックバッファローのステーキを平らげてご満悦だ。


「せっかくだから話を戻そうか。」

「ぬぅ。」


 今回の件はあんまり話題にしたくないのか、一声唸るジェル。


「そういう顔をされると少々傷つくな。どのみち私の領地の話だからな。第八騎士団のハンス団長にも色々頼まれたしな。」


 そりゃそうか。


 領地内で準貴族みたいな騎士団が動くなら領主さまの与り知らぬところ、ってわけにはいかんだろう。


「私が頼まれたのは、模擬戦の立ち合いだ。まさか弱小とはいえ貴族の見ている前で無茶なルール違反はしないだろう、というやや甘い考えだ。」

「ついでに俺も冒険者ギルドの代表として立ち会うからな。」


 この二人がいてくれるなら、後はジェルたちが暗躍すれば不正は防げるかな?


「まぁ、俺も領主様もハンスの爺さんとは知らない仲じゃ無いしな。」


 ジェニーさんはともかく、ガイザックさんの「知らない仲」ってなんか色々ありそうで怖いんだが。


「ハンスさんってどんな方で?」

「そうだなぁ…… 若いころは剣を志すものの憧れだったな。俺もその一人だったよ。」


 なんだろ? ガイザックさんの若い頃がどうも想像できん。それが顔に出たのか、ガイザックさんがガハハと笑う。


「これでもおじさん、若いころはモテモテだったんだぜ。」

「何を言っとるか。ホレた女が忘れられないからって未だに独身貫いとる奴が。」

「げぇっ!」

「一応は師匠に対して随分な態度だな。」


 ガイザックさんの後ろにいつの間にかにハンスさんが立っていた。鎧姿じゃないのでそこらへんにいるどっかの爺さんって感じのはずなのだが、背筋もピシっと伸びてただ物じゃない感じが半端ない。


「しかし旨そうなもん飲んでるじゃねぇか。すまんがわしにも同じものを頼む。」

「はーい。」


 アイラが返事をすると、奥からミスキスがなんちゃってビールを二つ持ってやってくる。


「わりぃな。」

「すまぬな。」


 二人の前に木のジョッキを置くと、空いたジョッキを下げて戻っていく。


「まぁ、色々言いたいことはあるが、まずはこいつだな。」

「ああ、まずは喉を湿らせてからだ。」

「「カンパーイ!」」


 ……酔っぱらいが増えたよ。


 揃いも揃って喉を鳴らしながら一気に飲み干すと同時にジョッキをテーブルに叩きつける。


「旨い酒だな。」

「ああ、ここは酒も料理も美味い。……離れるにはもったいないところだ。」

「そうか。じゃあ、もう何も言わん。」

「まずは飲もうぜ。おーい、アイラの嬢ちゃん! 何か適当に出してくれ!」

「はいはーい。」


 ガイザックさんとハンスさんで隅の方の席へ移動すると、なんか雰囲気を出しながら飲み始めた。色々話しているようだが、聞き耳を立てる趣味は無い。


「私にはワインのお代わりを。

 と、来がけにバモンから聞いたが、ジェラード君は大層活躍だったそうじゃないか。」

「いえいえ、私はそれほどでも。魔法を使った彼らの方が凄かったですよ。」

「相変わらず謙虚なのか、面倒を避けたいだけなのか……」


 うん、後者。今回、思いっきり勢いで動いちゃったからね。


「領主として、領民を助けてくれたことに感謝しよう。

 しかしジェラード君の知識は凄いものだな。パンサーのような乗り物を作れるかと思えば、医術にも長けているとはな。」

「いやいや、まだこの世界には私の知らないことばかりですよ。」

「でもその目は世界のすべてを見抜いてやろう、という風にも見えるな。」

「可能でしたらね。」


 ひょい、と肩を竦めるジェル。……あたしも一緒に見られるんだろうか。


「君たちが来てからなかなか目まぐるしくて、大変だが楽しませてもらっているよ。」

「そうですか。ご期待に添えるとよろしいのですが。」

「ああ、期待しているとも。」


 そう言うとジェニーさんはどこか「男前」な笑みを浮かべた。

お読みいただきありがとうございます。

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