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異世界行ってもチーム・グリフォン!  作者: 財油 雷矢
MISSION:騎士団を鍛えよう

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書いてる途中でタブレットPCのバッテリーが落ちて、充電しなおして投稿

遅くなってすみません。

「じゃあ、これつけてみますか?」


 ジェルの白衣のポケットから眼鏡が一つ出てくると、こちらに差し出される。

 まぁ眼鏡なんだからかけるんだろう。デザインはジェルと同じだが、あたし用なのか少し小さめだ。元々こいつのは伊達だてだから、たぶんデータ表示用グラスなんだろう。


 かけた。


 視界に薄い格子状の光が走ると、テーブルの上のゴワゴワした紙――羊皮紙って言葉は後でジェルに聞いた――の表面に光が薄く集まる。


 お。


 よく分からない文字の少し上に銀河共通語の翻訳が表示される。最初は単語だけズラズラ並んでいたが、ゆっくりと文字があちこち移動して文章になっていく。

 ……ん~ 裏で「誰か」が翻訳してるのかな? まぁ、その辺の原理はどうでもいいや。

 実際は数秒で翻訳が終わり、摩訶不思議な文字の上に翻訳文章がAR的に表示される。


(これがラシェルの世界の文字……)


 ルビィの呟くような声が脳裏に響いた。頭の中でブツブツ呟きながら考え込んでいるようなので、あたしは文章の方に意識を向ける。


 え~と、なになに。


 最初の方はこうゴチャゴチャと回りくどい言い回しが続いている。まぁ、すぐに話題に入らないのは多分この世界の様式美なのだろう。で、おそらく本文に入って……


 ……はぁ。


 こりゃため息しか出んわ。

 最初は自分たちと模擬戦闘とはいえ、立ち向かってくることを遠回しにけなしている。次に最大の慈愛を持って手加減するつもりだが、怪我をした場合は申し訳ない、ということをすっげー遠回しにして、最終的には「それ謝ってるの?」って表現になっている。続いて力量の差は歴然なので、戦うのは忍びないからと始まって、未来ある若者を勝負の決まっている戦いで傷つけるのは心苦しいので~ と。正直読み飽きた。

 色々読み飛ばして、最後の方に目を向ける。おそらくそこらへんに言いたいことが書いてあるんだろう。


「……はぁ?!」


 うっわー 読むだけでなかなかの破壊力だ。

 読み解くのに時間がかかったが、大雑把にまとめると、


・テオの部隊は解散

・解散後は第三騎士団の下働き

・新規の騎士団は不要と認める


 そうすれば勝負は取りやめて、騎士の名において誇りある扱いをしよう、と。さもなくば敗者として地にまみれるだろう。その屈辱に耐えられぬだろうから、戦場で散る名誉を授けることとなる――って、物騒だな、おい。

 ちなみに降伏の条件の方に後でつけ足した条件があって、それが何故かテオと一緒にいた女性――平たく言うとあたし・リーナちゃん・リリーのことらしい――を差し出せ、ということらしい。


「アホですか。」


 ジェルの声の温度がわずかに下がった。ジェルはなんかこう、女の子を「物」扱いするような行為をひどく嫌う。口では絶対否定するが、あたしが絡んだら特に本気度が上がる。更にリーナちゃんにリリーも引っかかってるので、更に倍々プッシュだ。あ~あ、彼ら(第三騎士団)の未来は闇に包まれたか。カイルがやる気になったので、微妙にいやいや付き合っていた感があったが、これでジェルも本腰を入れることになったろう。楽しみか不安かというと、微妙に後者だ。


「……で、この資源の無駄遣いだけで?」

「いや、」


 さっきよりも一回り小さい羊皮紙を取り出すハンスさん。さっきよりも随分と質素だ。

 テーブルの上に広がると、伊達眼鏡データグラスが単語から文章へと翻訳を始める。

 どうやらルールの説明らしい。じっくり読むのも面倒なので、ジェルに適当に解説してもらった。

 曰く、


・場所は町の外の平原

・人数は双方四十人以下

・それとは別に助っ人は三人まで

・武器は刃止めをしたもの

・魔法の武具・道具の使用禁止

・毒の使用禁止

・故意による殺害を禁止


「ふ~ん……」


 ジェルが口元を小さく歪めて小さくうなる。あれは悪いことを考えている顔だ。


「お二人のどちらか魔法感知みたいなことできますか?」

「私が少々できる。」


 ソフィアさんが控えめに挙手をしたので、ジェルが白衣の腰のあたりから一本のバトン――スタンブレードを抜いた。


「これは?」

「ん? 魔道具なのか?」


 疑問に思いながらも、小さく二三言呟くと、目の周りにモヤモヤ(魔力?)が集まるのが視えた。ちなみにスタンブレードの周りには視えない。


「魔力は感じられないが……」

「魔道具、って言うんでしたっけ? そういう物って使うときだけ魔力が感じられる、ってことがありますか?」


 そんな疑問にハンスさんが答える。


わしもそんなに魔法の物は見たことないが、隠密系の魔道具でない限り、基本的には常時魔力が感じられるはずだ。」

「じゃあ、これもですかね?」


 白衣のポケットからカラフルな粒を取り出す。あたしの「目」でも魔力は視えない。

 というか、これって科学の産物だよね。魔法は使ってないから…… もしかして使いたい放題?!


「いつでも盤面をひっくり返せる手段がある、というのは気が楽ですな。」


 とはいえ、あんまり科学の力に頼るのは、短期的には効果があるが、長期的にはダメだ。今回の模擬戦はやはり「テオ達が勝った」という形をとらないとマズい。


「おそらく相手は色々小細工を仕掛けてくるでしょう。

 面白いですねぇ。小細工を圧倒的な力で叩き潰して、試合でも勝負でもキッチリ勝たせていただきましょう。」

「……なぁ、儂はもしかしたら間違った選択をしてしまったのか?」


 ニヤリと笑うジェルにハンスさんが不安げな顔をソフィアさんに向ける。

 うん、間違っていないんだが、想定以上の結果になるだけよ。良いか悪いかは別にして。


 色んな意味であたしも楽しみになってきた。

お読みいただきありがとうございました

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