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異世界行ってもチーム・グリフォン!  作者: 財油 雷矢
MISSION:騎士団を鍛えよう

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みんなで食べよう

なかなか一回の更新で2000文字程度だと展開が遅い。

……それにしてももう少し早く書けないもんだろうか。シックスパットとかそーゆーので?(ダメだろ)

 いつものメンツ+四十人分の食事はある意味戦争である。それも身体が資本の戦士たちである。どれくらい食べるのか想像もつかない。さすがにカイルくらい食べるとは思えないが、リリーくらいは覚悟しておいた方がいいかもしれない。

 そんなわけで、今日の昼のメニューはいつぞやも登場したカレーライスだ。コメをたくさん炊いて、ルーは贅沢にもロックバッファローをふんだんに入れたビーフカレーだ。


「わはー! リーぇ、大好き!」

「ありがとうございます。でもちゃんと並んでくださいね。」

「はーい!」


 午前中ずっとマラソンし続けてへとへとだったはずだが、体験したことない香りに好奇心と食欲が刺激されるが、それでも我先に、とはならずに全員がキッチリ整列する。


「さ、どうぞ。」

「へ?」


 先頭に並んでいたテオがリリーに場所を譲る。


「それが正しいかどうか分かりませんが、騎士、いや男は女性を優先させるものだと聞きました。」

「あ、うん……」


 急にそんなこと言われて、嬉しそうにしながらもちょっと困ったような顔をする。


「でもあたし、最後くらいの方がいいの。」

「そ、そうでしたか。」

「でも女性と見てくれてちょっと嬉しかったかも。」


 にっこり微笑むと、その様子を見ていた皆が思いっきりぶん殴られたかのように顔を背けて、何かを堪えるように身体を震わす。

 まぁ、この部隊には女性がいないので、半日一緒に汗を流した美少女の笑みは辛かろう。


「おい、早く並べよ。俺も早く喰いたい。」

「「「サー、イエッサー!」」」

「いえっさー!」


 カイルのささやかな願いに、全員がずらりと鍋の前に並ぶ。あたしとジェルも手伝って、全員の配膳が終わる。


「冷める前に簡単に説明する。」


 カイルがソワソワとしながらも早口で喋りだす。


「俺たちの所の風習だから、真似する必要も無いが、俺たちがメシを喰うときには『いただきます』という言葉を使う。

 人は物を喰うときは何かの命を必ず喰らっている。その命、そしてそれを料理としてくれた人への感謝の言葉だ。」

「「「サー、イエッサー!」」」


 返ってきた声にはどこか焦りというか、端的に言うと早く食わせろ、って言ってるよな気がする。


「それともう一つ。本当に信頼できる相手が作ったのじゃなければ、集団でメシを喰うときは最初の一口は舌が敏感か、毒に強い奴にさせろ。何かあったらすぐに止めろ。

 以上だ。」


 バシンとカイルが手を叩き「いただきます」と大声を出すと、同じ「いただきます」の唱和が返ってきた。


「よぉし、喰うぞ!」


 そんなカイルの魂の叫びが、昼食という名の戦いの始まりであった。



 まぁ、こんなこともあろうかと、という訳じゃないが、多めに用意したはずだ。時間差でライスを炊いて補充する予定で、そのつもりだったが、若者四十人の食欲を過小評価していた。あのジェルですら、だ。


「まさか万が一と用意したものですらギリギリだったとは……」

「博士! ライスが足りません!」

「ジェル! ルーもヤバい!」


 二、三度そんな修羅しゅら場を潜り抜け、やっと休戦協定が結ばれ、戦士たちに休息の時が訪れた。

 具体的には食休みだ。元々想定していたものなので、別に問題は無かったのだが、やはり少し食べさせ過ぎの感はある。


「まぁ、できたばかりの仮の騎士団だからな。予算に余裕があるわけでもなく、な。」


 更に新参者だとすると、待遇もそんなに良くないのかも知れない。ご飯をお腹いっぱい食べるという、普通の幸せも難しいのかも。


「それにしてもこれはうめぇな。」


 なんか用があったらしく遅れてやってきた、老騎士のハンスさんと女騎士ソフィアさんが残っていたカレーを食していた。……気づくとあたし達の分が無くなっていたわけだが。

 なんかこう、このハンスさん。どこぞのアイパッチのおっさんを思わせる。二人同時に見てないけど、意外と知り合いじゃね? そうなると飲んべぇブラザーズが三人になるんだろうか。なんだかなぁ。


「で、見た感じどうなんだ?」

「そうですなぁ。あれだけ食べるとは思いませんでした。次からは食事の方法を改善すべきですな。」

「一応言っておくか。

 ……そこじゃねぇぞ。」

「専門家の意見は?」


 小ネタを挟んだジェルがカイルに振る。

 腕を組んで黙っていたカイルが慌てて顔を上げる。


「お? うぇ? お、俺?」


 寝てたか。


「まぁ、そうだな。やる気だけはある。ただそれ以外は体力も技術もまだまだだ。」

「そうか……」


 ハンスさんがあからさまに、ソフィアさんもあまり表情には出さないが落胆する。

 ……うん、その前に二人ともスプーンから手を離そうな。


「お、なんだなんだ?」


 逆にカイルが不思議そうな顔をする。いやいや、お前の発言が原因だよ。

 ジトッとした目でそう訴えると、やっと理解できたのか、カイルがポンと手を叩いた。


「ああ、そういうことかい。

 まだまだってことは鍛えがいも伸びしろもあるってことだろ?」


 ニヤリとカイルが笑みを浮かべる。


「楽しめそうだぜ、全く。」


 ……食休みが終わった後、どんな地獄のトレーニングが待ってることやら。


 他人事ながら、彼らの未来に幸福を待っていることを祈るばかりである。

お読みいただきありがとうございます

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