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異世界行ってもチーム・グリフォン!  作者: 財油 雷矢
INTERMISSON-03

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疑問を解決しておこう

更新が遅れてしまいました。すみません。


ところで健康診断を受けてきましたが、すでに悲しいことを言われてしまいました。血液検査とかの結果でもっと酷いことを言われる予定です。

ヒトには運動が必要なようです(涙)


……シックスパットとかって効くのかなぁ?(他力本願時)

 前々から気になっていることがある。


 この「雄牛の角亭」に見知らぬ常連がいる。いや、見知らぬってわけじゃないんだけど、何というか、ハッキリ見たことが無い。

 時折、店内で目の端で見えることがあるんだけど、しっかり見ようとすると何故かいなくなる、ような気がする。

 それでも要所要所でいたような気がする。あたしの記憶が正しければ、クズ貴族が来た時にもいたし、たまに黒竜のサクさんと飲んでいたような気がしたし、鉱山に向かった時の留守番にもいたような気がする。


 ……ホントにいるの?


 いやいや、いるはずだ。

 ジェルが何も言わないから、ちょっとばかり不安があるのだが。

 聞いた方がいいんだろうか? でも鼻で笑われる可能性もあるので、最後の手段だ。というか、なんか頼りたくない。



 が、今日は勝算がある!

 さっき大浴場に行った人いるんだよね。とりあえず知ってる範囲で、このタイミングで大浴場に行ける人はいない、はずだ。

 ……あたしも知らない客がいたらビックリだけど。いやいや、失礼な言い方だが、他に客なんかいないでしょ。

 そんなわけで、こんな午後の中途半端に風呂に入っているのが、あの謎の人だろう、と思い込んでみる。

 逃げる方法も無いだろうが、できるだけ静かに更衣室に入り、コッソリ服を脱ぎ、タオルを手にスススと浴室に忍び込む。


 ……いたぁっ!!


「!」


 心の中で叫んだつもりだったが、思いっきり声が出ていたらしい。

 湯船の中にいた彼女が驚いて立ち上がり、自分の格好を思い出して、鼻の下くらいまでお湯に浸かりなおす。

 褐色の肌にアスリートを思わせる無駄な肉が無いスレンダーな肢体。紫がかったショートカットの髪。あたしと同じか、少し年下くらいの女の子がお湯の中でブクブクさせていた。


「ラ、ラ、ラ、ラシェル……?!」


 どこか諦めたのか、お湯から顔を出してどこか焦点に合わないように見える瞳をこちらに向けてくる。


「あたしは初めまして、かな?」


 身体を流してから湯船の隣に入る。


「うん……」


 無口な人っぽい。


「前からずっと雄牛の角亭(ここ)にいたよね? あんまり見かけなかったけど。」

「目立ちたくなくて……」


 そうなんだ、ってそんな理由?!


「名前は?」

「……ミスキス。」


 彼女の話が途切れ途切れなので、湯あたりしない程度に出たり入ったりしながら色々話を聞いた。

 自分でも言った通り、彼女の名前はミスキス。……え~と、色々ビックリ話を聞くのは誰かさん(ジェル)のせいで慣れてはいるが、なかなかの衝撃話だった。


 彼女は実はこの「雄牛の角亭」に火付けをしようとしていた(おい!)でもジェルに止められて(それはよくある)その後、ジェルが何故か指示を出した犯罪ギルドに現れて(うん、あるある)物理的に壊滅させてきた、と(……まぁ、分からないでもないし、珍しくもない)。

 ああ、あの夜の爆発音的なものはそれか。

 そして、自分が所属していた犯罪ギルドが無くなったため、することが無くなってしまったらしい。

 しばらくはジェルに対しての恩とか、この店に対する後ろめたさという訳でもないが、何となく「雄牛の角亭」に入り浸る様になったそうだ。


 ……何となくわかるかも。


 勝手な想像だが、本当にすることが無くなったんだろう。その犯罪ギルドがどんなものかは知らないが、彼女の世界はそこにしかなかったに違いない。


「じゃあ、ミスキスもここで働けばいいじゃない。って『客』のあたしが言うことでもないけどさ。」

「え……?」


 きょとん、と心底不思議そうな顔をされた。

 お、かわいい。……そうじゃなくて。


「誰かさんの受け売りなんだけど、人は立ち止まってるとロクなことをしない、って。

 だからさ、何もすることが無いなら、何でもいいから何かしたらいいんだよ。」

「…………」


 ガラッ。


「あ、ラシェル。」


 噂をすれば、という訳じゃないが、店主のアイラが汗を流しに入ってきた。お風呂が相当気に入ったのか、日に何度も入りに来ている。たまに忘れそうになるが、こんな大浴場なんて相当贅沢な品物で、それこそ湯水のようにお金を使わないと維持できないものだ。

 人は贅沢になれると堕落だらくするが、女の子としてはこの堕落は許してほしい。


「あれ? 彼女は……?」

「…………」


 何も答えられないミスキスに変わって、一から十まで説明した。色々思うことがあるんだろうけど(未遂とはいえ店に火付けをしようとしたわけだし)、拒絶するような雰囲気ではなさそうなので一安心。


「ところで、ジェラードさんはあなたのこと知ってるの?」

「うん…… あの人には私の隠形おんぎょう効かない…… たまに見られてる。」


 魔法か何か分からないが、人から認識されづらくなる何かがあるらしい。で、ジェルにはバレバレらしい。……まぁ、ジェルだし。


「……それならいいわ。ただしうちも言うほど儲かってないから、あんまり給金は出せないわ。その代わり寝るところとご飯は出せると思う。」

「……いいの?」

「いいも悪いも…… ねぇ、ラシェルは知ってる?」


 おっといきなりこっちに振られた。何?


「自分でも何言ってるかって思うんだけどさ、一階の部屋が増えてるのよね。」


 ……は?


「昨日まで壁だったところが廊下になって、その奥に二部屋増えたのよ。」


 はぁ……


「最初はサクさんの部屋かな? と思ったけど、二部屋だったし。そうなるともしかしてミスキスの分かな、と。」


 サクさんは見かけは凛々しい美人さんだが、中身は力の大半を失った黒竜で、ドラゴンって時間感覚が人と違うし、睡眠もあんまり必要としないらしく、夜もずっと店内の窓際に佇んでいる。本(にん)は平気でも、見ているこっちの精神衛生上良く無い。

 それに私物を置く場所も無いのはアレなので、近いうちに拡張しますよ、と言ってたような気がしてたけど……


「サクさんは用心棒だし、リリーには畑があるし、リーナにばかりも頼れないし、やっぱり人手が欲しいのよね。」


 アイラがミスキスを真正面から見る。


「ミスキスさえ良かったら、手伝ってほしい、かな?」

「でも私、この店に……」

「たぶん燃えないよ、この店。」

「え?」


 全く想定外のことを言われてミスキスが目を見開く。


「ジェラードさんがそんな安普請なことはしないと思うんだけど…… どう?」


 あたしに同意を求めないで。

 まぁ、仮に火が付いたとして、すぐに消火されるのがオチだろうが。

 微妙に嫌そうな顔をしたのがバレたのか、アイラがニッコリと笑う。


「じゃあ、問題なし。これからよろしくね。でも仕事は結構大変よぉ。」

「……うん、よろしく。」


 おどけて言うアイラに、ミスキスはぎこちないけど柔らかい笑みを浮かべた。

INTERMISSION


...FINISHED


やっと登場、と思われるか、そんな人いましたねぇ、かと思われたか。

謎の美少女の登場です。外観イメージは静謐ちゃんで(笑)


これでインターミッションは終わり。次から新章が始まります


お読みいただきありがとうございます。

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