恥ずかしい目に遭おう
土曜日更新が全然達成できない。日曜日、ってことにしようか……
今回はいやぁん、むふふな描写(意味不明)があります。
苦手な方は読み飛ばしてください
……ジェルがいるけど仕方がない。
「あたし達の服と……下着をね、こっちでも入手できないかなぁ、と、ね?」
「ふむ。どれ見せてみよ。」
ピラ、とあたしのスカートをめくろうとしたので、ペチンと手を叩く。
「おっさんか!」
「だって見んと分からんじゃろうが。」
「……分かった。こっち来て。」
あたしが席を立つと、グラディンさんだけじゃなく、カエデとジェニーさんも立ち上がる。いや、ちょっと待てぃ。
「実物は見たけど、着たの見てへんしな。」
「私だって女だ。下着には興味がある。」
まぁ、そうでしょうけど。
チラッとジェルに目を向けると、皮肉げに口元を歪める。
「世の女性はこういう時に『あなたも下着に興味があるの?』って聞いてきます。
イエスと答えたらスケベ呼ばわりで、ノーと答えたら、それこそ男色呼ばわりです。」
あたし、ジェルにはそーゆーこと聞いたことないけど。そんなこと聞いた日には何されるかたまったもんじゃない。
「せやな、そない時は『着る人によるな』とかゆーとけばいいんちゃう?」
「なるほど、」
ジェルがすっくと立ち上がる。
「じゃあ、ラシェルの下着姿なら興味ありますから、私も拝見するとしましょう。」
させるかボケ。
リーナちゃんを生贄にする手も考えたが、さすがに心が痛む。騙し打ちにするのもどうか。
そんなわけで、心底正直に説明して一緒に来てもらうことにした。
「え、でも、その…… 恥ずかしいです。」
おおぅ。リーナちゃんの口からそんな言葉を聞けるとは! という訳じゃないが、リーナちゃんは生まれが特殊で、極端に生活年齢が低い。そのせいでちょっとばかり女の子としての感覚が薄い。恥ずかしがることを覚えたのも、あたしがチームグリフォンに入ってからだったりするから、その前までのジェルたちの苦労が偲ばれる。
「でもお風呂入るときは普通に服脱ぐし、その時も結構見られてたよ。」
「ですが、その、見られるのが目的、となりますと……」
あー うんうん。言いたいことは分かる。
「でもどちらかが見せないと終わらないの。二人でやれば恥ずかしさも半分じゃない?」
「はぁ……」
リーナちゃんの目が泳ぎだしたんで、そろそろ折れてくれるだろう。
「……分かりました。」
悲痛な決意に拳を固めるリーナちゃん。……あれ? あたし何か言い方間違えたっけ。
せっかくだからみんなで風呂に入ろう、って展開に持っていけばよかったと思ったのは、大浴場の更衣室に向かった時だった。
言わなくても分かると思うが、ジェルは当然排除してある。本人も単なるセクハラ気味の軽口だったわけだし。
飲兵衛達もセルフでのんびりモードになったので、アイラも開いた皿を片付けて手持ちぶさたになったようだ。
ちなみに最近食器は汎用箱型作業機械に洗うのを任せている。実に便利だ。
「あれ? お風呂? ちょっと待って。」
と、椅子の上でうつらうつらしているリリーを寝ぼけたまま浴場の更衣室に引きずっていく。
慣れた手つきで床に寝かせたリリーの服を脱がすと、自分も服を脱いで浴室に入っていく。
予想通りというか、ボチャンと大きな水音がして、盛大な悲鳴が聞こえた。
「…………」
なんだろ、リーナちゃんのさっきまでの決意が、一瞬にして無駄になったような気がする。
「ちょっと待て。その前にこの部屋はなんじゃ? 隣から水音が聞こえたが?」
「ああ、狸婆さんは知らんかったか。」
服を脱ぎながらドヤ顔でカエデがふんぞり返る。ただでさえ目立つ部分が薄着とポーズのせいで強調される。
弾けてしまえ。
「ここにはな、大きいお風呂があるねん。」
「お風呂じゃと!」
がらっと浴室を仕切るガラス戸を開くと、その向こうでアイラがリリーの髪を洗っているのが見えた。後ついでに木造りの浴槽と、洗い場だが。
「なんと!」
目を見開くグラディンさんだが、こちらを振り返ってはまた浴室へ顔を向ける。首とかぐぎっとしないといいが。
奇妙なダンスのように見える動きをリーナちゃんと眺めていると、ドスドスと足音を立ててこちらに近づいてくる。
「よいから脱がんかい!」
「言い方が下品だ!」
「ワシは風呂も気になるんじゃー!」
必死の抵抗も、欲望の強さには勝てなかった。
どうせ風呂に入るんだ。仕方なく服を脱ぐ。下着姿になったところでいったん手を止める。
お触りは無しだが、熱い視線で見つめられる。リーナちゃんじゃないけど、これはなかなかにハズい。
「ほぉ。」
「へぇ。」
「ほほぉ。」
三者三様のため息が聞こえる。隣でリーナちゃんも下着姿で恥ずかしそうに立っている。
「これは凄いな。実に機能的かつ美しいデザインだ。女性らしいラインを綺麗に保てるのだな。」
「実物は見たけど、着けると雰囲気全然ちゃうな。ウチも欲しいなぁ。」
ジェニーさんとカエデは興味深々で見ているが、グラディンさんは心底真剣な顔でうむむと唸る。
「これは大商いの予感がする。ワシは急いで王都に戻る。」
「大変やなぁ。」
「何を言うとる。狐娘も行くんじゃぞ。」
「なんでや?」
「暗黒馬車貸してくれるのか?」
「……せやな。ウチ、もっとのんびりしたかったわぁ。」
カエデが遠い目で世間の無常さを噛みしめるが、グラディンさんがニヤリと悪い笑みを浮かべる。
「こんな大商い、逃す愚か者がおるか!」
「しゃーないわ、もう。色々準備があるさかい、明日一日はもらうで。」
「……仕方ないのぉ。」
「ほな、今日はお風呂でしっかり疲れをとるとするかいな。」
もう疲れ気味の表情を浮かべながら、カエデが服を脱ぐ。それに合わせて、ジェニーさんもグラディンさんも入浴の準備を始めた。
……ちなみに、カエデは言うまでもなく、ジェニーさんもグラディンさんもあたしよりスタイルが良かった。
ちくせう。
お読みいただきありがとうございます。




